試行錯誤

聖剣伝説をメインに、気の向くまま二次創作を綴っていくサイトです

聖剣伝説HOM 未完 『ロジェの家族』

未完

注意
私的設定があります。










ウェンデルに寄った後は、共に戦う各国の有志から、家族や友人についての話が切り出されることが多い。それに触発されたナイトソウルズのメンバーも家族や友人についてポツポツと語り始めることもある。
友人についての話なら気兼ねなく聞けるし話せるが、家族の話題を聞きたくない者や話したくない者もいる。
家族の思い出を持たない孤児のキュカと、故あって家族の事を話せないロジェは後者にあたる。そのため話の輪に入る機会もなく、一人どこかに立ち去るか、少し離れた所から、彼らの会話を聞き流すのが常だった。
ユリエル隊長のように聞き役に徹することは、ロジェには難しい。

いつものように部屋から物音を立てずに出て行ったキュカを横目で見送り、家族談義に盛り上がる面々をロジェは眺める。
家族かぁ。
家族になるはずだったユハニとエレナを失ったロジェの家族は亡き父と兄だけだ。
ロジェの双子の兄は幼い頃から卓越した魔力を有しており、何をやらせても優秀だった。それ故に厳格な父は兄を溺愛してロジェには見向きもしなかった。
幼い頃は寂しい思いをしたが、父に期待するのは早いうちから諦めていた。父からの愛情を求めない代わりに、ロジェは見たこともない母親に思いを馳せることが多かった。

幻夢の主教は15歳の成人の偽を終えた日から、流れ作業のように女性と床を共にする、ようだ。
伝聞なのはロジェが15歳になる前日にミラージュパレスから出されて庶民になったからである。あくまでも主教の心得の一つして兄に語られていたのを、聞こえたに過ぎない。
ロジェ達兄弟の母親はそうした女性の一人なのだろうし、ロジェ達と無理矢理引き離されたか、義務として差し出したのか。その辺りを考えれば考えるほど、泥沼に囚われ雁字搦めに動けなくなるので、いつしか考えるをやめた。
それでも、父からは愛されず使用人達は親しくしてくれるも大きな壁を感じる扱いだった幼少期のロジェは、時折もし母親がここにいたら?という幻想を抱いて、理想の家族像に思いを耽ることもあった。
それも長く続かず、10歳になる手前に父を亡くし、それまで父に依存していた兄が代わりにロジェに依存するようになった。初めは混乱と困惑しかなかったものの、自分よりも遥かに悲しんでいる兄を慰めて支えるのに一生懸命で、いつしか家族に纏わる幻想は消えていたが。

そんなことを思い返しながら外の景色をぼんやりと眺めていたら、ナイトソウルズから少し離れた所でキュカが一人黙々と剣の素振りをしているのが見えた。

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聖剣伝説 未完 『老妖精と旅人達』

未完

注意
私的設定のかなり強い話です。
2→FF外伝→3(HOM)という時系列です。
FF外伝のヒロインの血縁を捏造しています。












おやおや、客人か。珍しい、貴重じゃ。こんな場所に流れ込んでくるとは、一体どんな方法で来たんじゃ?ここは現世と幽世の狭間。来ようと思っても来られる場所ではないぞ。
ああ、お前達は現世の存在じゃから、ここに長居をするのはお勧めせんぞ。そりゃあ、腹も減ることもなければ、眠りも必要としない空間じゃが、それはいかん。現世への強い想いがなければ、幽世に引っ張り込まれるからの。
特にそこの若いの、今にも死んでしまいそうな目をしておる。お前みたいな奴が一番危ないんじゃよ。

わしがいつからここにいるのかって?そのことを話せば長くなるぞ。それでも構わんと?
そうか、そうか。いやあ、嬉しいの。長すぎる間独りぼっちじゃったから、こうして話し相手がいるだけで、もう。感無量じゃ。
あれはそう、かれこれ一万と数千年も昔。わしがまだ子供の頃じゃ。当時の事で、わしが鮮烈に覚えているのは、仲間と共に旅をしたことじゃな。あの時は本当に楽しかった。あの日々はとても懐かしく、今でも大切な思い出じゃ。
どのような旅じゃったかと?ふふふ、聞いて驚くなよ。聖剣の勇者がマナの種子を巡る旅じゃ。今の時代で神話と呼ばれるあの旅じゃよ。
聖剣の勇者と二人の従者が、聖剣を手にマナの要塞を破壊して、神獣を封じる。今ではそのように伝わっておるのか?
従者、ねえ。わしとニイちゃんとネエちゃん……ああ、ランディとプリムのことじゃ。わしら三人は主従ではなく、対等な関係だったんじゃよ。わしとプリムが気弱なランディを引っ張る形での。今ではどう伝えられているのか知らんが、わしの知るランディは出会った頃は何とも頼りなくて、本当についていっても大丈夫なのか?と心配になるような人物じゃった。
なに?いやいや、旅を続けるうちにランディも何かが吹っ切れたのか、意思もしっかりしてきて、それに伴い貫禄も出てきたのじゃ。ランディは元々整った顔立ちじゃったから、モテ始めた時には、それまで歯牙にもかけていなかったプリムも焼き餅を妬いての。そんな二人のやり取りに、わしも面白おかしくて笑ったものじゃ。

……そう。あれからもう一万と数千年……。どうりでわしもこんなヨボヨボのじっちゃんになるわけじゃな。
あの時。世界のマナが薄まり、妖精と精霊が現世から弾かれたあの時から、今に至るまで。わしはずっとここで世界の行く末を見守ってきた。何故一人残ったのかって?ランディ達の行く末が気になって、未練たらしくここに踏み留まったのじゃよ。

ランディとプリムが結婚して娘二人が生まれたときは我が事以上に喜んだぞ。そして必ず待ち受ける別れを思えば、辛くなったがの。
何故って、マナの木もなく、神獣もいない状況というのが、どんなに危険かわからんか?マナの木も神獣も存在するだけで膨大なマナを放出する、世界の屋台骨じゃ。世界を支えるマナの供給源が失われたままでは、一切の生命が存在しない死の世界となるんじゃよ。幸いこの時は神獣の残した超高濃度のマナが世界に降り注いだおかげで、滅亡までの猶予は伸びたが、最期を先延ばしにしただけじゃ。
マナの女神?違う違う、マナの木じゃ。神々に性別なぞあるものか。はあ?何を言っておるんじゃ、お前達は。
……オホン、話を戻すぞ。
マナの木はマナの一族の女性にしかなれん。フェアリー?それは後で話す。この時代マナの木になれるのはマナの一族の女性のみだったんじゃ。そしてランディは、マナの一族最後の生き残りじゃ。世界を救うためには、ランディの娘達がマナの木となるしか未来はなかったんじゃよ。
…………ふう。この頃の事を思い出すのは辛いの。それよりも悲しいのは、嘆くのは娘達の末路じゃ。
先にマナの木となった姉はバンドール帝国に汚され、朽ちた。千年の眠りについていた妹はジェマの騎士を導き、帝国を滅ぼして、マナの木となった。
……わしは、叶わぬと知りながらも、娘達にはマナの一族とは関係のない、平穏な生涯を送ってほしかった。大切な友人の子供じゃもの。幸せになってもらいたいと思うのは当然じゃろう。マナの木となっても、せめて天寿を全うして欲しかったが……それも叶わなかった。二人とも、殺されたんじゃ。
娘の後を継いでマナの木となった孫娘。マナの女性の使命として、作られた予備。わしはそんなことをして欲しくなかった。それでも、せめてもの救いは娘なりに、孫娘を愛していたことじゃ。
孫娘が恋人と別れてマナの木となった後、わしはこれからどうなるのか心配した。マナの一族はもうおらず、マナの木だって永遠の命じゃない。寿命があるからの。そんなわしの懸念を孫娘は、マナの種、現代の人間がフェアリーと呼ぶ存在を作る事で解消して、自分亡き後も世界が存続できるようにしたんじゃ。
その後色々あったが……わしは一度だけ怒りに打ち震えたことがある。今から一万年ほど昔、ペダンという国が海底に没していたマナの要塞を蘇らせて、南半球の大陸を灰燼に帰し、神獣を暴れ狂わせた愚行を見たときは、人間に心底絶望した。
ペダンがやったことは、わしらがやってきたこと全てを否定した上で、わしの思い出を消し去ったようなものじゃ。ふふ、わしらの故郷と旅してきた国々の多くが、カッカラとヴァンドールを除いた全てが南半球の国々だったんじゃよ。
ペダンが呼び覚ました神獣によってマナの要塞は今度こそ木っ端微塵となった。それでいい。神々の怒りを買うあんな物この世にあってはならぬからの。しかし、神獣は暴れ狂い止まらん。これでもう世界もお終いかと落胆したとき、闇の血族の魔導師がマナの種子を用いて神獣を封印したんじゃ。
闇の血族といえばわしにとって最も印象深いのはタナトスじゃ。あの禍々しさは今でも忘れられん。そのタナトスと同じ闇の血族が、自らを盾にして人々を救い、命を危険に晒してまで神獣を封じた。そのことを忘れてはならん。
魔導師は神獣を八つに分け、マナの種子と融合させ、マナストーンに変えた。それを見たとき、わしの時代の名残が完全に消え去ったと悟ったよ。
ここで見るのをやめればよかったんじゃが……その後はもう、惰性で見続けておったんじゃよ。それでも中々面白いものを見ることが出来たから、結果的にはここで現世を見続けていて、よかった。

約五千年前のあの時代は、悲惨の一言じゃった。……悪いが、あの時代の事はあまり語りたくないんじゃよ。
ただ、これだけは言える。闇の神獣が暴れたのは、人間の欲深さが招いた自業自得であると。
人間が、尊厳や謙虚を忘れたあの時代は、これまでの文明の人間達よりも心根が最も穢れていた……。
すまんが、これ以上は言わんぞ。

先日、ペダンがまた騒動を起こしたようじゃな。アニスの鏡という別の世界から流れ込んだ代物に操られていたとか。
わしが語るまでもなく、知っておるとな?……うむ、あまり言われたくないのなら、これ以上口にはせんよ。

わしの名前?おいおい、ここまで身の上話を聞いておきながら今更尋ねるのか?なに、その前に長話が始まって聞くに聞けなかったじゃと?ホ、ホホ。老人の話はいつの時代も変わらず長いものじゃよ。
名前かあ……。なんじゃったかの?もうとっくの昔に頭の中から転がり落ちたようじゃ!
ボケたわけではないぞ。今まで独りじゃったから呼ぶ者はおらんし、ここに居続けると、名前が失われると先達も言っておった。彼らはどうしたかって?わしが子供の頃に幽世に行ったきりじゃ。見るべきものは見たから、もう未練はないとそう言い残しての。

いつまで現世を見続けるのかって?さあ、今のところ死ぬまでと考えておるよ。でも、もしかしたら気が変わるかもしれん。
その時になってみないと、わからんよ。

聖剣伝説HOM 未完 『お年玉』3

未完

注意
私的設定が強い話です。












ラビの森の奥深く。
ジェレミアが一心不乱に双剣を振るい、鬼気迫る形相で、脳裏に浮かぶ敵と戦い続けた。

ナイトソウルズ内での華やかな空気に耐え切れず、一人無心になるために剣の修練に打ち込んでも、雑念は消せない。
去年までの楽しかった正月は、家族と共にいられた正月はもうない。叔父の死によって理不尽に奪われてしまった。
今のジェレミアにとって正月とは一人である事を突きつけられる日であり、仇への憎しみを掻き立てる忌日だ。
叔父の仇を、将軍と王をこの手で討つ。二つの首を叔父の墓前に捧げる。
今の彼女の生きがいはただ、それだけだ。
思索の中、人の気配を感じ取り反射的に双剣の片割れを目に留まらぬ速さで投げた。
ナイフを弾く音と、一拍遅れて短い悲鳴が聞こえた。
「テケリか」
あわわ、と腰を抜かすテケリの肩に乗る魔物が、触角を伸ばして威嚇している。
臨戦態勢の魔物に触発されて、ジェレミアが双剣の片割れを構えた。
両者の火花が飛び交う空気の中、それを切り裂いたのは間に挟まれたテケリだ。
「ジェレミアさん!!」
テケリの叫びにジェレミアが気まずくなり、剣をしまう。
魔物はジェレミアを胡散臭げに見ていたが、テケリに睨まれて渋々触覚を額に収納する。それでも彼女への警戒は怠らず、毛並みは逆立てたままだ。
青い毛並みの猫に近い姿、三つの尾を持ち、爪は分厚い鉄板を削る。額の触覚は硬く柔軟性があり、数mは伸びる。小柄で愛くるしい姿でも、油断ならない恐ろしい魔物。それがなんという種類の魔物なのかジェレミアにはわからない。
時折、何処からともなくテケリが入手する魔物の多くは、見たことのない種類か絶滅種だ。ユリエルやベルガーは彼の魔物入手先に興味津々らしいが、ジェレミアには関心のない話だ。

「いきなりナイフを投げてくるなんて、いつからそんな粗暴になったんでありますか?」
「……悪かったな」
批難するテケリに、ジェレミアが溜息をついて謝る。
ウェンデルへの避難民の中にはペダンの出身というだけで、ナイトソウルズの面々に悪意を持ち、害をなそうとする者もいる。そのような事は子供のテケリに知らせる内容ではないので、面々は彼に気付かれないように隠していた。
ロジェやキュカは逃げに徹しているが、ジェレミアは襲撃する輩の足を傷つけ身動きを封じた上で、みずおちをぶん殴り、失神させる程度に止めている。
ロジェ達からはやり過ぎだと苦言を呈されているが、ジェレミアに言わせれば殺そうとしてくる相手に手心は必要ない。殺していないだけマシだ。なのにあの二人ときたら……。

「それよりも、わざわざこんな所に足を運んだということは、私に何か用でもあるのか?」
「あ、そうでありました。
ジェレミアさん、お年玉を下さい」
深々と頭を下げてお年玉を請う姿に、ジェレミアがやれやれと肩を竦めて、
「今手持ちのお金はないから、これで我慢しろ」
言いながら、ポケットに入れていたパチンコ玉をテケリの掌に落とす。
何ともいえない顔でパチンコ玉を見るテケリに、嘗ての自分を重ねる。
「お年玉」と称して、パチンコ玉を掌に落とすのは、彼女の叔父が行っていたことだ。
ジェレミアが幼い頃叔父の家に引き取られた後の正月から去年の正月まで、叔父は正月の度にジェレミアに「お年玉」と言って彼女の掌にパチンコ玉を落としていた。
その後でちゃんと正しいお年玉が貰えたから、愛されていないのではと気に病むことはなかった。
初めの頃は何か理由があるのかと思い悩んだが、今では一種の謎習慣だろうと考えている。

嘗ての叔父と同じ行動に内心苦笑しつつも、テケリの帽子を撫でる。魔物が気にくわなさそうにジェレミアの手を凝視するが、そんなもの無視だ。
「……いつか余裕が出来たら、お年玉をやるから借用書代わりにとっておけ」
「…そこまでしてお金が欲しいわけではありません。
ただ……」
言いにくそうに少し思案するが、意を決したのかジェレミアを見上げる。
「ジェレミアさんが、こんな古典的な寒い駄洒落をしてくるなんて、思いもしなかっただけであります」
「は?」
「「お年玉」と「落とし玉」。東語では同じ音でありますよ」
「そうなのか?」
現在のペダンの公用語はペダン語だが、大昔は東語も公用語として用いられていた。今でもペダンの公文書は東語のみだからペダン人なら誰でも読み書きは出来るのだが、東語の音は遠い昔に失われていた。
ちなみにナバール語の文語は東語のままだが、口語は東語を基とした類似言語だ。
テケリはその出生ゆえに東語を知っていても不思議ではないからさほど驚きはない。むしろ驚いたのは叔父が東語の音を知っていたということだ。
叔父は博識で古代の文化にも深く造詣があったから、遊び心でジェレミアに落とし玉をあげ続けたのだろう。……多分、おそらく、あるいは。

聖剣伝説HOM 未完 『お年玉』2

未完

注意
私的設定があります












テケリは意気消沈と歩いていた。
その頭の中を巡るのは、先程やらかしたことへの後悔だ。
今までは正月になればお菓子だったり、玩具がもらえた。年を重ねることが出来た祝いだと、抱きかかええてくれた叔父の温もりを覚えている。
ペダンに来て、ユリエルに拾われてからはお年玉はお金に変わったが、それでも貰えることが大事なのだ。
ロジェは小銭しかくれなかったが、彼は庶民代表だと自称しているし、今のナイトソウルズの経済苦を考えれば、なけなしの気持ちをもらえただけでも嬉しい。正直もう少し欲しかったけれど、それをロジェに求めるのは、気の毒だ。
しかし、キュカは……。思い出しただけでも、気が重くなる。
テケリに渡すものは何一つないと言われたあの時、頭に血がのぼってキュカを叩き、ラビに突き飛ばさせてしまった。
冷静になって考えてみれば、今までお年玉という言葉や概念すら知らなかったキュカに、いきなり何か欲しい!と言っても困らせるだけだし、相手にされるわけがない。
謝りに行こうかと思うが、何といって謝ればいいか……。
憂鬱な気持ちを溜息として吐き出すと、さっきキュカにけしかけたラビが戻ってきて、テケリの胸に飛び込んできた。すかさず、抱き支える。
「ラビてん」
主人の落ち込んだ気持ちを敏感に感じ取った魔物は、つぶらな瞳でテケリを見つめると、涙を舐め、甘えるように顔に擦り寄った。
魔物相手なら気持ち一つでお互い通じ合えるのに、人間はそこに言葉を介さなければならない。
つくづく不便だと思うが、人間社会で生きていくと決めた以上、避けては通れぬ道だ。
「おや、テケリ君ではないか」
背後に気配を感じて振り返るのと、声をかけられたのは同時だった。
「ベルガーさん」
ウェンデルで闇の神官という職に就いているベルガーを、テケリは好ましく思っていた。
ロジェやキュカ、リチャード王子などは彼をドS神官などと呼び恐れおののいているが、ベルガーの言うことは筋が通っていて、間違ったことは言っていない。テケリに言わせれば、怒らせる事をやらかす方が悪いのだ。
時々、中の人が入れ替わったような言動をする事もあるが、神官は二重人格なのだろうと決めて、それ以上考えないようにしている。
神官をまじまじと見つめ、観察して、不気味ではない方だとわかると、安心して笑顔を浮かべた。

「あの、ですね……。ベルガーさんは、お年玉って知っていますか?」
恐る恐る尋ねた。
ペダンやナバール人でないベルガーが、東国の風習の名残の一つであるお年玉をしっている筈はない。しかし、テケリにはもしかしたら?という期待もあった。
食事中の見事な箸さばき、時折見せる東国への深い造詣が、その根拠だ。
「ああ、勿論知っているよ」
「本当でありますか!?」
「ちょうど君にあげようと思っていた物があるんだ。受け取ってくれるかい?」
「はい!!」
ベルガーが鞄から洒落た包装紙に包まれた物を取り出すのを、テケリは目を輝かせて見つめる。
掌に乗せられたそれを丁寧にはがすと、中から出てきたのは10個の飴玉だった。
テケリが飴玉を一つ手に取り、翳して見ると、中で光が反射して、美しい文様が浮かんでいる。
「綺麗でありますねえ……」
「ウェンデルでも有名な菓子屋で作られているあめだ。これはとても美味しくてね、妻や息子のお気に入りでもあるんだ」

「でも、どうして飴玉を?お菓子なら他にもありますよ?」
この飴玉を見る限り、高価なのは間違いないが、それならば別のお菓子でもよかったはずだ。何故飴玉に拘ったのかという好奇心が募る。
「テケリ君、東国のお年玉は国ごとに違っていたそうだ。
ある国ではお金を、ある国では反物や飾り物を、ある国では年齢分の飴玉を、とね。
子供のうちから多額の金銭を持つのは感心しないし、戦時中に飾り物をもらっても困るだけだ。そうなれば、年齢分の飴玉が一番じゃないか」
「はぁ……そうでありますね」
大事そうに包装紙に包まれた飴玉をポーチに入れると、ベルガーを見上げる。
「でも、ベルガーさん。よく大昔の風習を知っているでありますね?どこから、どのようにそれらの情報を得ているのか、是非とも気になるところであります」
「なに、この程度のことならば文献を探っていけば出てくるよ。
どれもこれも一万年以上昔の古い書物だから持ち出して貸すことはできないけどね」
ベルガーの答えに、テケリは少し考える素振りを見せたものの、頭を振るい、深々とお辞儀する。
「お年玉、ありがとうございます」
「なに、これくらい。 テケリ君、今年もよい年で」

聖剣伝説HOM 未完 『お年玉』1

未完

注意
私的設定があります。











ライトゲイザー月一日
世界的に見れば年が変わるだけの日だが、遠い昔に栄えた東国の習慣が残る国にとっては、一年で最も重要な年だ。それはナバールに限った話ではなくペダンも同様だった。
こんな大事な日に軍隊は動かせない。それがわかっていたからナイトソウルズの面々は、数日前からウェンデルで暫しの休息を楽しみ、くつろいでいた。
「ロジェさん、キュカさん」
目を輝かせて期待たっぷりに見上げるテケリに、いつもその可愛げがあればとロジェは胸中でぼやいた。
主人の影響を受けて、テケリの足元にいるラビまで嬉しそうに跳ね回っている。
ちらりとキュカを見れば、キュカは珍しいという表情でテケリを見ていた。まぁ、ペダンに来てからこの時期に子供と深く接する機会のなかったキュカにはわからないか。
「おう、テケリ。どうした?」
テケリの目線にあわせてしゃがんだキュカの目の前に、テケリが両手を差し出す。
「お年玉をください」
「おとし……なに?」
聞いた事のない単語にキュカがロジェを見上げると、ロジェは肩を竦めて財布から百ルクを出すと、それをテケリの掌に載せる。
「はい、お年玉」
「………もう一声ですよ、ロジェさん!」
小銭を見た瞬間しょぼいものを見るような目になったテケリに、これまで隊長たちから幾ら貰っていたのか?という疑問が湧く。
小説や漫画からの知識だが、庶民のお年玉の相場は百ルクだろう?
すかさず声を上げるテケリに、もう少しあげてもいいかな?と思いもするが、今現在の財布事情がそれを許さなかった。
テケリの肩に手を置き、ゆっくりと頭を振るう。
「テケリ、お前もナイトソウルズが財政難で喘いでいることはよくわかっているだろう。しかも俺達は軍から離脱したから収入はないんだ。その百ルクだって、俺のなけなしの貯金から出した、とても重いお金なんだ」
「……ロジェさん……」
「おい、テケリ。お前いつから金をせびるような悪ガキになったんだ?」
それまで黙って二人の様子を窺っていたキュカが剣呑な空気すら漂わせて、テケリを詰問する。
キュカは幼少期の環境から金銭にとても厳しい。また、なんだかんだ言いつつもテケリを可愛がっているので、その彼が仲間に金をよこせと要求する姿に怒りを覚えるのも、当然といえば当然だ。
「失礼な! お金をせびっているんじゃなくて、お年玉をもらっているのでありますよ!!」
あんまりなキュカの言葉に、テケリが抗議する。
「キュカ。ペダンには正月に親族や保護者達が子供にお金をあげる習慣があってね、それをお年玉と言うんだ」
お年玉の正確な謂れをロジェは知らないし、本来はどうだったのかも知らない。それでも現在のお年玉はさっき言ったとおりだ。
案の定、キュカははぁ?と言って、今度はロジェにつっかかる。
「子供に金を持たせてどうするんだよ?危ないし、なによりちゃんと金銭管理が出来るのか?」
「お年玉を貯金したり、欲しいものを買うための資金に回すかは、それぞれの自由でありますが、僕はちゃんと貯金に回すでありますよ」
「……偉いなテケリ。俺は貰った分、全部使ってたよ」
「ロジェさん……もしかして、財布に余裕がないのってそういうところが原因でありますか?」

「キュカさん、キュカさんもお年玉が何を意味しているか知りましたよね? だからお年玉をください」
「馬鹿言え。さっきも言ったが、俺は子供に金を渡すようないい加減な大人じゃねえよ」
「……………キュカさん。どうしても駄目でありますか?この際気持ちだけでもうれし」
「そんな泣きそうな顔をしていっても駄目なものは駄目だ! お前もそうやって他人に金をたかるようなみっともない真似は」
それ以上は言えなかった。
テケリが渾身の力を篭めてキュカの頬をぶっ叩き、体勢が崩れたところをテケリの足元にいたラビがその胸めがけて頭突きをしたからだ。
「おい、テケリ!やりすきじゃないか?」
流石に見かねたロジェが俯いたテケリを叱ろうとするが、大粒の涙を零す彼に言葉を失う。

「キュカさん!正月になにもくれないなんて、そんなに僕が嫌いでありますか!?僕が無事年を越せたことが、そんなに憎らしいでありますか!?
もう……もう、キュカさんなんて、大嫌いであります!!」
泣きながら扉を突き飛ばす勢いで出て行ったテケリを、ロジェは唖然と見送ることしか出来なかった。
たかがお年玉をもらえなかっただけで、何でそこまで発展するのか。正直ついていけなかったせいでもある。
お年玉とはそんなに重いものだったのか?あるいはテケリの故郷では誕生日もかねていたのか?どちらにせよ、重すぎる。
テケリを追いかけて慰めるべきだというのはわかっているが、正月=お年玉(お金を貰う)と軽く考えていたロジェには、テケリの嘆きを受け止め、それを癒す言葉なんてものは皆目見当がつかない。
テケリの頭が冷えるまで待ってから、行くのがいいかもしれない。
とりあえず、今ロジェが出来る事は、ラビに頭を齧られて血を流しているキュカを助けて、治療することくらいだ。

言い訳
とりあえず、ロジェ・キュカ、ベルガー、ジェレミア、ファルコン・サンドアロー、ユリエルの順で続けていきます。

聖剣伝説HOM 小説 『フラグ』

聖剣伝説3(HOM)

注意
私的設定があります










「この任務が終わったら、エレナと結婚するんだ」
嬉しさを抑えきれないロジェに、キュカはあからさまな死亡フラグに背筋が凍った。
あの笑いザメと有名なユリエル隊長の部下になって、初任務が戦闘能力に秀でた獣人の国ビーストキングダムへの侵攻。これだけでも生存率が低いというのに、ロジェときたらにこやかになんて羨ましい事を。いや、頼むから死亡フラグを立てて、これ以上生存率を下げないでくれ。
せめて周りを不安にさせないように、そういう事を口にしないと言う気遣いはないのか?と溜息をついて、周りを見回せば、テケリはおめでとうございます!と笑顔で祝福しているし、ユリエルはよかったですねえとのほほんとしている。ジェレミアはこの場にいないが例えいたとしても、興味のない事には無関心な奴だからなあ。
こんな事を気にしている俺の心が狭いだけか、はたまた心配性なだけなのか。どちらにせよ、この状況下で死亡フラグを立てるロジェを祝福する気になれない。
リア充爆発云々ではなくて、友人であるロジェには幸せを前にして死んで欲しくないんだよ、俺は。
そこまで考えて、ある事実を思い出した。
「ロジェ、お前の彼女って貴族だろ?おいそれと結婚できるような立場じゃねえだろう」
疑問をぶつけてみれば、ロジェはえ?何のこと?と言わんばかりに、首を傾げた。
ペダンは一万年の歴史があるというが、その源流を辿れば二万年以上昔まで遡るという。だからか、ナバールに勝るとも劣らぬほど民族意識や選民思想の強い国なのだ。
国民の結婚相手ですら厳選されているし、他国人との結婚など以ての外。死罪だと明文化されている数少ない国でもある。その国の貴族ともなれば、産まれる前から結婚相手が決まっているようなものであるし、例えいなくても同じ貴族という条件をクリアしなければならない。
なにより、ペダンでは貴族の婚姻には国王や宰相、そしてミラージュパレスに住むという幻夢の主教とやらの許可が必要だという。
だからこそ、ロジェの彼女のエレナは自身を庶民(嘘だとわかりきってるがな)だと言い張っているロジェが付き合える相手ではない。本当ならロジェはとっくに殺されていてもおかしくないのだが、結婚を控えているということは公認の仲なのだろう。
家という最大の後ろ盾がないロジェがどうやって貴族の娘と婚約できたのか。キュカにはさっぱりわからない。
それをも上回る高貴な血ってのが流れているのかもしれないが、庶民代表だと語るロジェに限ってそれはないと思う。大体、何処の大貴族の落胤だよ?

「よく結婚の許しがもらえたな」
キュカの言葉を切欠に、ロジェにとって悪夢との数日ともいえる日々が鮮明に再生されてゆく。
唖然とした後腹を抱えて笑い転げていた幼馴染みのアナイス、絶句する宰相。そして、兄である主教の悲嘆。
それらを思い返せば重い疲労感が背中にずしりとのしかかってくる。
本当は当日二人で行く予定だったのだが、ユハニが急に体調を崩して急遽ロジェ一人で国王達に謁見することになったのだ。
あれを思い出すたびに一人で結婚許可をもらいにいってよかったと思う。彼らのあんな姿、とても見せられたものではなかった。
「まあね……。とても、大変だったよ」
主に、兄とアナイスが。
結婚を控えた大事な時期に命懸けの任務に向かわせるなんて、アナイスのリア充爆発しろという無言の圧力に違いないとロジェは考えているのだが。
この状況が死亡フラグに繋がりかねないとロジェも分かっているが、今の彼はそんなものへし折ってみせるという熱く強い闘志に燃えていた。

聖剣伝説FF外伝 未完 『魔法』

未完

注意
私的設定が強い話です。
2→FF外伝→3という時系列前提です。
シーパやヒーローについての捏造が激しいです。


ヒーロー=デューク
ヒロイン=エレナ












ジュリアスに浚われた少女を救うべく、道なき湿原を行く。
「デューク、魔法の使用は極力控えたほうがいい」
魔法を駆使して魔物を倒す青年を見かねたボガードが苦言を呈した。
青年がボガードに意識を向けた隙を狙って襲い掛かってきた魔物を、青年は詠唱なしに火弾で吹き飛ばす。
それだけでも彼が魔法を多用してきたとわかって、ボガードの眉間に皺が寄った。
周囲にいた魔物をあらかた倒し終えた事を確認して、青年がボガードを見る。
「なぜ魔法を使ったら駄目なんだ?」
「使うこと自体咎めはせん。だが、限度を考えろと言っているんだ」
「どうして?」
少女に魔法を教えてもらってから、青年は魔法の虜になった。
剣奴の時に嫌気が差すほど味わってきた肉を断つ感触も、生暖かい返り血も浴びることない。そんな魔法の魅力に取り付かれ、火弾を使えるようになってからは、精神力が尽きるまで魔法を使うようになっていた。
ボガードと合流してからも魔法を使って敵を倒していたのだが、ボガードは何度か見るに耐えないという痛ましい顔を浮かべていた。

「デューク。お前は魔法がどのようなものなのか、知っているのか?」
「魔力を行使して、精霊の力の源である霊素に働きかける……だったかな」
博識であったウィリーから教わった事を伝えるが、途中から顔色の変わったボガードを見る限り、違うらしい。
ボガードは頭を振るい、厳めしい表情で青年を見据える。
「それは精霊魔法と言って、かつては世界中に広まっていたが二千年前に失われた魔法だ。
今、お前が使っている魔法はそれとは異なる。 太古の昔、マナの血族が悪魔と称された亜人種を根絶やしにするために人間に教え広めた……擬似正術というものだ」
「擬似……正術?」
「正術というのは、精霊の力を借りずに、己の魔力のみで行使する魔法らしいのだが、これを使える人間は存在しない。
擬似正術というのは、魔力の代わりに命を、寿命を対価に行う魔法だ。乱用すれば、死ぬ」
徐々に血の気が失せていく青年に、漸く魔法を使いすぎることへの危険性をわかってくれたと安堵する。
命を対価にする魔法故に、扱う人間は非常に限られている。
この時代、ジュリアスのような国家付きの魔導師が国政にも介入できるのは、それ相応の理由あってのことだ。

「そんなこと、エレナも、シーパも教えてくれなかった!」
「エレナは、マナの血族のクォーターだから彼女自身の魔力で擬似正術を使用できる。それゆえに失念していたのだろう。
シーパは……奴には奴の思惑があるのだろうが、どうせ碌でもないことだろうから、わしは知りたくもない」
忌々しげに吐き捨てる。
必要あらばボガードはシーパと接触することも辞さないが、なるべく関わりたくないというのが本音だ。
シーパは偽善者で、聖人君子の皮を被った暴君だ。彼の求めるものは富や権力ではなく、自分への賛美。それを得るためならば、なんだってする。あれはそういう人物だ。
他にも必要と思われる魔法はあったのに、青年に状態異常の回復と引き換えに防御力を失う魔法を教えたことがボガードにはひっかかっていた。

「デューク。魔法の危険性がわかっただろう。だから、これからは本当に必要なときだけ使うようにしてくれ。
わしは、若者が自ら死に向かう姿など、見たくはないのだ」
「…………ボガード。
例え命を縮めるとわかっていても、俺にはどうしてもやらないといけないことがあるんだ」
「エレナのことか? まだ出会って間もないのに、どうしてそこまで出来る?」
「俺は、彼女に守ると、助けると約束したんだ。そのために魔法が必要だったら、使う」
長く剣奴として生きてきた青年にとって、初めての約束だ。
これだけは、なんとしても守りたい。そのためならば、多少寿命を削ることなど、惜しくはない。
「そして、ジュリアスからエレナを救うには、魔法の力が必要不可欠だ」
青年の脳裏に蘇るのは、少女を浚った忌々しい魔導師の姿。
マナの樹のある聖域へと繋がる道の手掛かりだという少女を、グランス公国やジュリアスから取り戻すためには、戦わねばならない。
そして、剣だけでは寿命を対価にする魔法に敵わないというのが、青年の実感だ。
青年の深い覚悟を悟り、ボガードが信じられないと呟く。
「……死ぬぞ。わかっているのか?」
「その前に、エレナを助け出せばいいんだ」


度重なる激戦を、魔法を駆使して戦ってきた青年は、あれから時を経てもまだ健康体のまま生きていた。
デュークは、マナの樹となって世界を見守るエレナのためと諭されたのだろうか。マナの女神教という新興宗教を立ち上げたシーパの手となり奔走し、その度に魔法を使い、邪教と見做して迫害する人々や国々を退けている。
今も尚、生命力の衰えぬデュークの姿に、ボガードの胸中に不安と得体の知れない者への恐怖が込みあがってくる。
何故、今も生きていられるのだという疑念ばかりが、ボガードの中で膨れ上がっていく。
本来ならば、道半ばで失われている筈の命だ。禁断呪文フレアを使った時に死んでいてもおかしくない。
何故、何故、と疑問ばかりが堂々巡りをする。
デュークの魔力が比類ないものだとわかってはいる。しかし正術を行使するには圧倒的に足りない。
正術を行使できる魔力を有するのは姿形だけは人間と同じの、神とも化け物とも呼んでも差し支えのない種族だけだ。
もしかすると、彼は人間ではないかもしれない。
それはこれまでボガードが努めて考えないようにしていた答えだ。しかしそれ以外に辻褄が合わない。
正術を行使できる種族は、三つの人外のみ。
マナの血族は既になく、血統者の血を引く者が有する気に纏わる能力がない、あの青年は……。
「……十中八九、闇の血族だ……」
古の呪術師タナトスと同じ……怪物。
ジェマの騎士として千年もの間一人放浪してきたボガードが唯一心を許した相手が、人間ではない。
それは思ったよりもボガードの心を打ちのめしたが、その揺らぎも時と共におさまっていく。
人間ではない、それがなんだというのか。例え姿形が人間と同じ化け物だとしても、デュークはジェマの騎士達を迫害してきた人間よりも心ある人物だ。


言い訳
正術を行使できる種族も人間の分類に入るけれど、只人は自分達以外の亜人種は人間ではないという思想なので、一部を除いては化け物だの怪物という扱いです。特に、タナトスの件もあってか闇の血族への風当たりが強いです。
擬似正術は寿命を削るという危険性からこの時代を境に完全に失われて、それ以後は精霊魔法が再び興隆するという流れです。

聖剣伝説HOM 未完 『神官のとある一幕』

未完

注意
私的設定があります。
キュカとリチャードの扱いが酷いです。












食事の姿に、その人間の教育環境や生活習慣、文化背景だけでなく、人間の本性が垣間見える、というのがベルガーの持論だ。
ナイトソウルズの面々と各国の有志たちの食事風景を観察する。

ユリエル、ファルコン、ヴァルダは厳格な教育を受けたからか、美しい食事作法が骨の髄まで染み込んでいる。見苦しい所作が皆無の食事風景というものは、見ていて気持ちがよいものだ。
ロジェは自身を庶民代表の一人と位置づけているが、それにしてはちゃんと躾けられている。この一点から、生活に余裕を持って暮らせる階級だったと推察できる。
アルマは食べ始めは作法に則って食べているのだが、せっかちなのか食べ終わる頃にはあまり噛まずに飲み込んでいる。有力者の娘だというが、淑女としての習慣よりも軍人生活に染まりきっているようだ。
ジェレミア、テケリ、ロキ達はマナー通りなのだが、ユリエルたちと比べると見劣りするし、改善の余地は十分にある。
ガウザーは行儀作法以前の問題だが、その食べ方は野生の獣のように綺麗だ。少なくとも食べ残しや、机を汚すということは全くない。
ここまでは、まだよい。まだ我慢できる範疇だ。だというのに、あの二人ときたら……
ベルガーの非難と嘲りの篭った視線がキュカとリチャードに向けられる。
この二人の食べ方はあまりにも酷すぎる。具体的に述べるだけでも私の精神が削られるような、見るに耐えないものだ。
特に王子。よくもまあ、ここまでひどい食べ方が出来ると呆れ返るしかない。
食事の作法は必須事項だというのに、これを誰も注意しなかったとしたら、フォルセナという国の質は私が考える以上に低いようだ。
同じ空間で共に食卓を囲むのが苦痛なほど品性のない食べ方に、ベルガーの神経が悲鳴を上げていく。
なるべく意識しないようにするが、あまりの酷さに逆に目が行く。目を閉ざしても、くちゃくちゃ口を開けて噛みながら喋る音が聞こえてきて、我知らず拳に力が篭る。
「神官殿、食が進んでいないようですが大丈夫ですか?」
口に食べ物を入れたまま喋るリチャードの口から、食べかすや唾が飛び出たのを見て、ベルガーの堪忍袋の緒が音を立てて切れた。
「いい加減にしろ!!」
机を勢い欲叩き立ち上がったベルガーに、皆が何事かと彼を見る。
ベルガーが凄まじい眼光で、不快の原因を睨みつけると、大きく息を吸った。

早口でリチャードとキュカの品格の欠片もない食べ方を激しく糾弾し罵倒するベルガーに、皆がドン引きし、テケリは唖然と豹変した神官を見上げていた。
「キュカ、リチャード」
「神官殿、呼び捨ては……」
「黙りなさい!!」
鋭く言い放ち、リチャードの言葉を完封する。
「食事の作法がなっていない卑しい人間に使う敬称などない」
「しかし、神官殿。王子はフォルセナの王族です。その彼を一神官であるあなたが……」
「ロキ殿。この男が王族というのならば、あの筆舌に尽くせぬほど卑しい食べ方をするのは何故か? 王族ならば礼儀作法の一環として教わっていて当然だろう!」
「フォルセナは……その、あまり食に頓着しない国柄ですから……」
「あえて汚く食べる事で本当に美味しかったと感謝を伝えるのが、フォルセナ流だ」
言葉を濁すロキに対して、悪びれることなくあっけからんと言ったリチャードに、ベルガーのこめかみに青筋が浮き出た。
「申し訳ない!」
ロキは深々と頭を下げたが、隣でリチャードがしらばっくれていることに気づくと慌ててその背を押した。当然鍛えられた騎士のリチャードは動かず、ロキは更に体重をかける。理由もわからずに頭を下げてなるものかと、リチャード腹筋に力を入れて踏ん張った。
しばし、無言の戦いが続く。
その様子を眺めていたベルガーが、もういいと言わんばかりに咳払いをして、今度はキュカに矛先を向けた。
「……キュカ。君の酷い食べ方はどういう経緯で身についたのかね?」
「俺は路地裏育ちだから、上品な食べ方なんてものとは無縁だったんだよ!」
「ああ、なるほど。それならばリチャードとは違ってまだ許せるかもしれない。
でも、ローラントやペダン暮らしの中で、食事作法を身に付け直す機会はあったのではないか?」
「……それは……あれだ、傭兵として暮らしていく中で上品な食べ方なんてしていたら悪目立ちするからだ」
「ほう……。なるほどねえ」

隠し持っていた鞭を取り出し、ギョッとするリチャードとキュカに、嫣然と笑む。
「君達が”人間に相応しい食事作法”を身につけるまで、この私が丁寧に教えて差し上げよう」
「そんな、嫌だ!!」
「神官殿、考え直してくれ!」
抗議する二人を無視して、ベルガーがユリエルとヴァルダを交互に見る。
「お二人とも、それで構わないかね?」
「隊長、頼むから拒否してくれ!」
「ヴァルダ! 今の神官殿はなんかヤバイ!!」
涙目で訴える二人の姿に、ユリエルが笑いザメと言う異名に相応しい笑顔で頷いた。
「勿論、徹底的に躾けなおしてください」
ユリエルの最後通告に石化したキュカを寒々とした思いで見たリチャードが救いの主であるヴァルダを縋るように見る。
「ヴァルダ……。一生のお願いだ。私を、神官殿から助けてくれ」
「リチャード……」
ヴァルダがリチャードの手を握り締める。
「私のために人前に出しても恥ずかしくない食事作法を身につけてください」
「ヴァルダ!?」
リチャードがヴァルダの手を握ろうとする前に、その手を払い除けた。
「それが出来なければ、私はあなたと別れます」
「そんな!!たかが食事作法如きで別れるなんて、大袈裟すぎるぞ!!」
悲鳴にも似た声に、ヴァルダの眉が顰められた。
「たかが……?あなたと食事を共にする度に、私や同席した方々の恥辱がどのようなものだったか……リチャード、あなたにはわからないでしょう? いくら注意しても反省もせず、それどころか開き直ったあなたに、今まで耐えてきたのですよ!!
よい機会ですから、ちゃんとした食事作法を身につけて王族に相応しい立派な人物となって帰ってきてください」

聖剣伝説3 未完 『和平失敗』

未完

注意
ホークアイが旅の仲間にいないED後。
リース→ホークアイ前提です。
色々問題があるかもしれません。












「……ナバールの方々の遺体は、丁重に埋葬しました」
フレイムカーンから、ナバール兵の亡骸をどうしたのかと尋ねられて、リースは何故そんなことを聞くのかと思いつつも答えた。
当時、アマゾネス部隊からは怨敵であるナバール兵の亡骸を埋葬することに抵抗を抱く者が多かったが、リースは死ねば皆同じ女神の御許で眠る権利があると一人ひとりに説得に回った。そうして、城からやや離れた場所にナバール兵の墓地を作り、花を添えたのだ。
答えた途端、全身に吹き付けるような無数の呪いの目に晒されて、リースが訳もわからず動揺し、困惑する。
突然のことにライザは呆然としたが、すぐ我に返り槍を構えて、主を守るようにリースの前に立った。
双方一触即発かと思われるほどの緊迫した空気が流れる中、リースがライザを下がらせて、矢面に立つ。
カタッと身動ぎをした者もいたが、その者は怒りを両手に握り締めて、奥底へと厳重に封じ込めた。
その者の目は殺意で漲っており、許しを得られれば即刻ローラント側の使者を殺めるといわんばかりだ。
リースが動揺を押し殺して、フレイムカーンを見る。
フレイムカーンは表面上平静を保っている。しかし、百戦錬磨の老獪な戦士だというのに、感情を完全には隠し通せておらず、その目は怒りと憎しみに満ち満ちていた。
和平交渉の頼みの綱であるフレイムカーンの理由の知れない敵意に失望する。
これでリースに残されたのは、ただ一人だけだ。
彼だけは大丈夫だと信じて、救いを求めるように彼に視線を向けて、愕然とした。
秀麗な顔を強張らせていたホークアイは、リースの眼差しに気づくと、汚らわしいといわんばかりに目を逸らした。
思ってもいなかった拒絶の反応に、リースの目の前が真っ暗になる。
何故?どうして?
疑問が渦を巻いて彼女の頭の中を飛び交い、辛うじて絶望に沈むのを防いだ。

「……これは、一体どういうことでしょうか?」
絞り出した声に、ナバール側の蔑視は更に深くなる。
「私たちは礼儀を尽くして……」
「酷すぎるわ」
リースの声に乗せる形で放たれたジェシカの硬い声に、皆の視線がジェシカに集まった。
「骸を土に埋めて、虫に食わせて惨めに腐らせる。よくも、こんなおぞましいことが出来たわね。
死者の尊厳を踏み躙る惨い辱めが、ローラントの”礼儀”?
こんな非道な扱い、黙って受け入れろと言うの!? 和平?ふざけないで!!
そんなことをするくらいなら! あなた達を、一人残らず殺してやる!!」
激昂し、涙も露わに怒鳴り、リースに掴みかかろうとしたジェシカをライザが槍で打ち払う。
「ライザ!」
リースが鋭く叱責するが、ライザは頭に血が上っているのか、槍を振り上げ、穂先を倒れた少女に向けた。
「やめなさいっ!!」
リースが止めようと腕を伸ばすも、穂先がジェシカに突き刺さる前にライザの腕は切り落とされた。
膝から崩れ落ちるライザには気にも留めず、このような早業をやった人間は誰かと、リースが素早く周囲を探る。
その人物は、すぐ側にいた。
倒れたジェシカを気遣い、抱き支えるホークアイのナイフには鮮血がついている。
「……ホークアイ……」
漸く彼女を見たホークアイの目は冷たく、凍えるほどに鋭かった。
「ローラント王女、感情的に首領の娘を殺そうとするのが、貴方の答えでよろしいか」
「そんな、これはライザが勝手に!」
「部下の責任は全て上官が背負う。それはどの国でも変わらないと思っていたが、ローラントでは違うのか」
これ以上会話するのは無意味だといわんばかりの拒絶の眼差しに、言葉をなくして首を振るだけだった。

「ジェシカの過激な言動はこちらにも非があるが、それに対してローラントは殺そうとするとは。
流石は新興国。この一事だけで民度の低さが窺えるな」
冷ややかなフレイムカーンの言葉に、リースは返す言葉もなく頭を下げるだけだった。
和平に門を開けていたナバールは訳も分からぬうちに、突如門戸を閉ざた。
どうして、こうなったのか。幾ら考えても、答えは見つからない。
ナバール側の突然の敵対感情にも問題はあるが、ジェシカの過激な言動だけだったら、まだ希望はあったと思う。
ああ、せめてライザが彼女を殺そうとしなければ。
ライザの腕が切り落とされたが、あれは自業自得だ。あのままジェシカを殺していたら、間違いなくローラントとナバールの全面戦争が始まっていただろう。
それを防ぐためには致し方ない。槍術の達人を一瞬で戦闘不能にするには、ああするしかなかったのだ。

その時、ふと以前ニキータが語っていた言葉が思い出された。
『……両国の和平は、もう無理ですニャ』
ローラント解放後、ニキータにナバール兵をどのように弔ったのかと尋ねられたとき、土葬と答えた後、ニキータは絶句して先の言葉を呟いてから何も語らなかった。
彼には、こうなることがわかっていたのだ。
では、どのように弔えばよかったのだろう?ナバールでの死者の弔い方など、ローラントは知らない。
遺体を土に埋めて、女神の御許で眠ることがおぞましいと言われるほどの罪なのか?



言い訳
国によって価値観や、埋葬方法が色々違うのだから、それがこじれると色々と厄介なことになるという話です。

聖剣伝説3 未完 『地下基地にての密談』

未完

注意
私的設定の強い話です。
2→3(HOM)という時系列です。











空中魔導要塞ギガンテスの雄姿に、紅蓮の魔導師の胸が重くなる。
ギガンテス。ルジオマリスに次ぐ新たな空中要塞として作られたそれは、古代神話に登場するマナの要塞ギガントという超兵器にあやかってその名がつけられた。
嘗て世界を滅ぼしかけたというマナの要塞がどれほどのものかは、最早知る術はない。しかし、これからはギガンテスが新たなマナの要塞として世界にアルテナの威光を知らしめる。
いつもなら誇りすら湛えて地下深くに秘匿されたギガンテスの雄姿を管理室から見下ろすのだが、今の紅蓮の魔導師にその余裕はない。
それもこれも、彼の隣に立ち、共にギガンテスを見下ろす真の主の野望に、少々障りのあることを告げなければならぬからだ。
「竜帝様。大変申し上げにくいのですが……ギガンテスには問題があります」
「なんだ?」
ギガンテスの威容に上機嫌の竜帝は、紅蓮の魔導師にとっても大変喜ばしいが、これからそれに水を差すことになってしまう。
このまま黙っているよりも、今話した方がよいと判断して、重い口を開く。
「ギガンテスを起動させるだけの、マナがありません」
これまで完璧に仕事をこなしてきた紅蓮の魔導師にとって竜帝に失敗を報告するのは屈辱であったが、こればかりはどうにもならない。意固地に過ちを認めず、不興を買うよりも、素直に失敗を認めた方がまだ賢明だ。
この数年、理由は不明であるが、マナが著しく減少しており世界各地で異常が発生している。これまで以上にマナが困窮する中、ギガンテスを聖域侵攻に使用するなど不可能だ。
「マナが足りない、か」
「申し訳ありません」
思案する竜帝に、紅蓮の魔導師が居た堪れなくなり深々と頭を下げる。
ギガンテスの機能を減らし、弱体化させれば使用可能だが、それでは意味がない。ギガンテスにはアルテナの威信と沽券が関わっているのだ。
「ふむ……。マナが足りなければ、作ればよいだろう」
「は? ……マナを作るとは、一体?」
竜帝の言葉の意味を飲み込めぬまま、尋ね返す。
マナを作ることが出来るのはマナの女神だけだ。女神のみが生命の根源たるマナを産み出すことが出来る。
「マナを大量に作り出し、再生できる存在は、マナの樹だけではない。
今ではマナの炉とも称されたマナの血族は絶滅しているが、まだ神獣がいる。奴等は自律回復ができる超高純度のマナの結晶体だ。この資源を利用しないでどうする」
「マナストーンをエネルギー源に……。しかし、それでは神獣が蘇ってしまいます」
「なに、心配はいらぬ。マナストーンは神獣とマナの種子が融合して出来た入れ物だ。故に計り知れぬほどのマナエネルギーを宿している。
少々引き出したところで、マナストーンに与える影響など、微々たるものだ」
得意げに語りながらも、胸中でほくそ笑む。
五千年前の文明崩壊はマナストーンのエネルギーを引き出しすぎたことが切欠でおきたようなものだ。だが、それは言わずにおく。紅蓮の魔導師にはマナストーンからより多くのエネルギーを引き出してもらいたいからだ。
「しかし……マナストーンはあまりにも謎が多い。封印を解いた今、迂闊に手を出すのは危険です」
マナストーンという禁忌にこれ以上踏み込むことへ尻込みする紅蓮の魔導師に、竜帝が更なる一手を加える。
「それならば、人間からマナを抽出すればよかろう。
約十万の人間を使えばギガンテスを起動させて、アルテナの威信を世に知らしめるには十分だ」
事も無げに言い放った竜帝の提案に、紅蓮の魔導師は絶句する。
なんという非道を。なんと、おぞましいことを。
主への更なる恐怖に、はらわたがよじれる。
人間からマナを抽出するという概念なら、紅蓮の魔導師は知っていた。
文献から大昔はそれが常態化していたということを知り、そのおぞましい事実に嫌悪を催し、無数の犠牲で成り立っていた文明を唾棄すべきものと思い、祖先達の最も愚かな所業の一つとして蔑んでいた。
「……竜帝様。 今では、マナの抽出技術は失われております。ですからそのような戯れはよしてください」
生命への冒涜ともいえる悪魔の知識も、既に失われた。
五千年前、闇の神獣と溢れ出た魔物によって全人口の七割が死滅した時代に多くの知識と技術が失われた。
マナの抽出技術も当時の大混乱で失われ、文献に残された僅かな知識も心ある人々により破棄された。

「案ずることはない。マナの抽出技術なら、儂が知っておる。 お前は儂の指示に従い、アルテナにマナの抽出技術を伝えればいい。
微々たる魔法で成り立っているアルテナだ。世界からマナが尽きかけている今、マナの抽出技術は喉から手が出るほど欲しい知識だろう。それを渡してやれば、皆のお前への心証はよくなる」
竜帝の言葉にかき立てられるものがない、と言えば嘘になる。
魔導王国アルテナにはマナが必要であることは嫌というほど承知している。また、女王の側近となった今でも彼の事を存在価値のない欠落者と蔑み、ゴミを見る目を向ける連中の鼻を明かすことが出来る。
しかし、だからといってマナ抽出の方法を消し去った先人達の英断と、努力を無駄にしてよいものか……。

「……仮に、そのような非道を行えば反発を抱く者が現れます」
「それはお前のことか?私の可愛い魔導師よ」
「いえ、私はこの身も心も、命すらも竜帝様に捧げております!貴方を裏切るような恩知らずな真似はしません!」
「……ほう。ならば、その忠誠の証として、マナ抽出に使う人間十万をアルテナから徴用しろ」
「なっ……!?」
「僅かなりとも躊躇う奴がいれば、女王のように操れ。反対するものがいればそやつを抽出に使え。
たかが十万人。国民が崇拝し、敬愛する女王が命じれば、志願者は集まる。
お前のすべきことは、女王の口を操り、意のままに言葉を出させることだ」
万が一の事態が起きたとしても失墜するのは女王のみ。女王というスケープゴートに、もう一つ荷物が加わるだけだ。

「………………」
「紅蓮の魔導師よ、どうする?」
「竜帝様。マナの抽出技術ですが……私にだけ教えてください。他の者には知らせず、マナの抽出を行います」
女王への非難を僅かなりとも分散させつつ、マナ抽出技術という最早この世にあってはならぬ知識を広めないための、苦肉の策だ。
「……ほう。それがお前の答えか。まぁ、よかろう。必要量のマナさえ揃えば、儂はどちらでもよい。
ところで、本当によいのか?マナストーンを使えば早く楽に、犠牲なく必要な量のマナを確保できるぞ」
「いえ、ただでさえマナストーンは危険極まりない代物です。その上、封印が解かれた今、無闇に触れぬほうがよろしいでしょう」
主の目を真っ直ぐ見据え、断言する紅蓮の魔導師に、竜帝はこれ以上は無駄だと判じて説得をやめる。
五千年前の大災厄が起きた切欠が何か。竜帝は紅蓮の魔導師が知らないとたかをくくっていたようだが、彼は知っていた。
マナストーンからマナを引き出しすぎれば、神獣の封印が解ける。連鎖的に全ての神獣が一度に蘇る事態になれば、アルテナどころではない。世界の破滅だ。
六千万の命か、十万の命か。どちらを選ぶべきか決まっている。
これも大事の前の小事と割り切ってしまえばいい。

マナストーン封印解除に用いる数人の犠牲なら、まだ国のためと言い訳が立つが、十万という途方もない犠牲は間もなく女王への敵意と怨嗟に変わる。
敬愛する女王をそこまで貶めるのは、紅蓮の魔導師の本意ではない。
だが、それ以上に彼にとって命よりも貴い魔力を与えてくれた竜帝への恩義と忠誠心が勝っていた。


言い訳
紅蓮の魔導師にとって対価を要したとはいえ魔法を使えるようにしてくれた竜帝は、彼がどんな人物であろうと神にも勝る存在だと思います。
紅蓮の魔導師は最初から竜帝の計画を何処まで知っていたのか……。段階的に少しずつ明かしていっていったのかもしれません。

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