未完

聖剣伝説3 未完 『約束・番外編1』

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『約束』前提の話です。
ホークリ、デュラアン前提です。
『約束』本編に出す予定がないので、ここでUPします。






















所変わって、デュラン・アンジェラの二名に宛われた部屋。
やはり王族に宛われるだけあり、部屋の中に寝室や居間と風呂があり、さながら一つの家と言っても過言でないほどの広さで、装飾は豪華の一言に尽きるものだった。
意匠を凝らした居間でアンジェラとリースがお茶会をしていた。
リースの夫であるホークアイは、先程までこの部屋にいたのだが、かつての同僚に呼ばれ、ナバールの面々と再会しに行っている為、ここには居ない
ホークアイもデュランと同じように婿養子に来たのだが、こちらはデュランより事情が複雑であった。
何しろナバールは美獣に操られていたとしても、ローラントを侵略した国。只でさえ問題がある上に一般の人間にはそうした裏事情がわかるはずもなく、この二人の結婚は困難を極めたが、それでも一緒になりたいという事である提案がもたらされた。それは…
ナバール首領のホークアイをローラントに人質として差し出す。
これには色々と揉めたが、まぁ、色々(文字通り色々)したことにより、成功を収めた。そして5年前にホークアイがローラントに婿入りした。
人質といっても、行動が規制されているわけでもなく、自由にパロの街に出歩いても特に何も言われることもなかった。結婚するまでの間、ずっと政治・経済等のことを勉強させられたことから、実質的には婿入り準備期間といっても過言ではない。
今ではローラント王として認められており、デュランとは違いそれなりの政治的権限を持っている
ちなみにナバールの首領は、フレイムカーンが引き続き行い、ジェシカがその補佐を行っている。跡継ぎは今のところいないが、最近ジェシカとリースの弟であるエリオットの仲が良いから、案外彼が次の首領では、とホークアイとリースは考えている。


アンジェラが優雅にお茶を飲みながら
「ホンット、こうして揃うなんて本当に久し振りよねー」
「ええ、そうですね」


「それにしても、人質だなんて…ちょっとやりすぎたんじゃないの?」
「…・・世論のことを考えたらそれしかなかったんです。それに、しつこい程お見合い話とかが舞い込んできていたし……早い方がいいと思ったんです。
アンジェラだって、全てが終わって世界中が混乱している隙に、デュランを略奪するように結婚したのですから、人の事は言えないでしょう?」
「だってぇ~…あいつ、
それに、どのみち結婚するんだったら早い方がいいじゃない」
子供のように頬を膨らませ、唇を尖らせるその姿に思わず苦笑する。
彼女もなんだかんだ言いながら、人の事は言えないのである。


女二人でお茶を楽しみながら会話を楽しんでいる時に、突如扉が開いて、デュランが入る。
彼のマナーのなさにアンジェラが不機嫌そうに、強い口調で
「ちょっと!!ノックくらいしなさいよ!!」
「何で自分の部屋でノックしなきゃなんねえんだ!?」
「あたしもいるでしょう!!あ・た・し・も!!」
「だから、ノックする必要ねえじゃねえか!!」
「あるわよ!!あたしが風呂上がりだったら、どうするんのよ!?」
「別にいいじゃねえか。どうせ、そのままや……」
「ああ―――!!それ以上、何か言ったらぶっ飛ばすわよ!!!」
…よく考えたら、とんでもない台詞があったが、それは気にしないでおこう。
二人が怒鳴り会っている最中に、デュランの背後から
「はいはい、夫婦でいちゃつくのは別に構わないけど、今は俺達が居るって事を忘れるなよ」
デュランとアンジェラが、ギョッとして振り返る。そこにはホークアイがいた。
――こんな至近距離にいても、全然気配を感じないとは……。
やっぱり、こいつまだ忍者だ……・。
二人が驚いたままホークアイを見ていたが、すぐにアンジェラがホークアイを大声で怒鳴る。
「ちょ、ちょっと!!どこから湧いて出てくるのよ!!」
「湧いて出て来るだなんて心外だなぁ。今はちゃんとこうしてドアから入ってきただろう」
「今はって事は、いつもは違うんだな?」
デュランがいつもはどうなんだとばかりにリースに伺うように見る。
リースは暫く黙り込んだが、ようやく口を開き、どこか遠い目で
「……・窓からもう慣れたんですが、壁や天井や床の下からいきなり現れるのには、慣れそうにはありません……」
「窓からって時点で問題あるだろ。」
「…そんなの、慣れる事なんて無理じゃないの?」
 だって壁や天井や床下でしょう?と同情の入り交じった目でリースを見る。
「いやだなぁ、毎回ドアからじゃつまらないだろうと思って、出入りの仕方を変えているだけじゃないか」
「でも、心臓に悪いですし、何より……・ヴァイスとエレーシャが真似しようとして、危ないんです……」
そこまで言うとホークアイを恨めしそうに見る。その視線にホークアイが気まずそうにリースから目を逸らす。
ヴァイスとエレーシャとは、二人の子供であり、双子の兄妹だ。
兄のヴァイスは髪と瞳の色素はリース似で、顔はホークアイ似。妹のエレーシャは髪と瞳の色素はホークアイ似で、顔はリース似の美男美女の兄妹だ。


実際に二人の子供が真似をしようとしてケガをした事があるのだ。その時にホークアイは当然怒ったが、逆に自分がしていると言い返されては、もう何にも言えない。それ以後はなるべくドアからの出入りをしていた。
自らの立場の悪さに、ホークアイがバツ悪そうにしていたが
「ま、まぁ……それはともかくとして……・」
そこでニヤリとデュランを見る。
何かたくらんでいるようなその笑みを見て、デュランの中で、旅の間に培われたホークアイ限定のいやな予感を感じて、後ずさる。
「な、何だよ……」
「いやー、別に~。……俺がケヴィンとシャルロットと一緒にいるのが教育情緒上良くないって言っていた騎士様が、妻の風呂上がりにそのまま…、なんて到底子供には聞かせられないような台詞を言うとは……」
その言葉にデュランが何の事かと一瞬考えるが、徐々に顔が赤くなる。それはアンジェラも同じだった。
――つい、いつもの口喧嘩と同じようにしてしまった……・
「そ、それは…そう!その……・・」
「ちょっと、何誤解してんのよ!!」
アンジェラはマシンガンのような勢いでホークアイを大声で怒鳴っていくが、当の本人はそれを飄々とかわしていた。
デュランが何とか話を逸らそうと辺りを見回しながら
「そういやー、ホーク。お前シャルを後で連れてくるって言っていたけれど、シャルはどうした?」
「ああ。いや、俺もそのつもりだったんだけどさぁー……。シャルの旦那で有力貴族のシオンって奴が「国交会談なら、その時にすればいいだろう」ってさ。シャル本人に会いたいって言っても、光の司祭がそう簡単に人前に出ては威厳も何もなくなるって……。もうその一点張りで連れて来る事もできなかったぜ。
そういう…騎士様もケヴィンを連れてくる事ができなかったみたいだな」
「あぁ、森のどっかでルガーを鍛えているらしいぜ」
「どっかって、何処よ?」
「さぁ…。そこまでは俺にも……」
ちゃっかり椅子に座り、お茶を飲んでいたホークアイが掌でコップ(持参の安物)を弄びながら、呟くように
「あぁ、ケヴィンならラビの森の南端にいたけどなぁ……」
その場に居た皆が、何故、それを知っていると思いつつも、半眼でホークアイを見る。
彼に突っ込みは無理だと長年の経験から悟っているのだ。


「それにしても、シャルロット……可哀想にねぇ……。」
「……ええ……。」
一同の空気が重くなる。
そう、彼女は周囲から半強制的にウェンデルの有力貴族と婚約をさせられたのだ。しかも、その貴族は自分の名誉の為に、聖剣の勇者。光の司祭としてあるべき行動を強制させているようだった。
「そういうなら、ケヴィンもだよな」
ホークアイがしみじみとした口調で呟く。
デュランは怪訝そうにホークアイを見る。
「? どういう事だ?あいつ、あんな美人を嫁にもらったじゃねえか」
アンジェラがデュランを睨むが、それだけで後はデュランの言葉を完全無視し、
「そうそう、色々と見合い話も来ていたみたいだけど、これ以上獣人の血を薄めるのは次の代を考えればよくないって。獣人王がケヴィンの結婚相手を決めたのよ。」


その時、ノック音がする。
互いに視線を交し合う。
デュラン。立ち上がり扉に向かいながら
「噂をすれば何とやら…だな。」
扉を開けるとそこにいたのはエリザだった。


「突然の来訪、申し訳ありません」
「友人同士で茶会をしていただけですので、お気にせず」
その様子を見てアンジェラは気に入らなさそうにデュランとエリザを見る。
――なーによ、デレデレしちゃって……。
実際の所、デュラン本人は騎士として、女性に優しくしているだけなのだが…


エリザが何か思いつめたような真剣な顔で四人を見渡す。
「あなた方に、どうしても聞きたいことがあります」
「聞きたい事…ですか?」
エリザが頷き
「………ケヴィンが…あの人が昔あなた方と旅をしていた間に、好きな人間が居た筈なんです。それが誰か教えてくれませんか?」
「……教えたとして、どうするつもりですか?」
ホークアイが珍しく真剣に言う。その言葉に彼女は一瞬その目に殺意を宿らせるが、目を閉じてそれを隠す。
「………別に相手をどうこうするつもりはありません。ただ、どんな人間か会ってみたいだけです」
その様子に何か感じ取ったらしいホークアイが溜息をつく。
デュランが旅の間の記憶を探るように
「あいつが好きな奴って……」
「いませんよ」
デュランが喋っている途中でホークアイが否定する。
「少なくとも、旅をしている間は誰かに対して恋愛感情云々という事はありませんでした」
「……隠していたとかは?」
「彼にそんな芸当ができると思いますか?」
その言葉を聞くと同時に目を伏せ黙り込む。
――隠し事ができないから、誰かをずっと想っていると言うことがわかるのだ。いっそ隠してくれたらどんなによかった事か……
「……・いいえ。確かに、あの人は嘘はつけませんから……・・」
悲しげに微笑む。


エリザが部屋から出るのをデュラン達が見送った後
デュランが剣呑な雰囲気でホークアイを睨み付ける。
「おい、ホーク」
「何だ、スケベ騎士?」
「俺はスケベじゃねぇ――!!」
デュランが大声で怒鳴り、机を強く叩き、立ち上がると凄い形相でホークアイを睨む。その形相は、竜帝が思わず逃げ出しそうになるほどのものだった。
「妻以外の女に見とれていたんだから、スケベだろ?
俺、そんな事しないもん 何たって今でもリース一筋だからな」
未だに新婚気分を保ち続けている発言にリースが頬を赤く染め、両手を頬に当てる。
「そんな、ホーク……。」
ホークアイがリースの手を掴み、見つめ合う。
「…リース…」
「…ホークアイ…」
アンジェラの額に青筋が幾つも浮き上がるが、誰もその事に気づいていない。アンジェラ。紅茶を一気飲みして、デュランを睨むように見る。
アンジェラのあまりの剣幕に思わずデュランが後ずさる。
「で、あんたは何を言おうとしたの?」
その言葉にハッとした表情になり、今だリースと手を繋ぎ、空想の世界に耽ているホークアイに
「何でエリザ嬢に本当の事を言わなかったんだ?」
ここでまたアンジェラの額の青筋が増えたが、それはもう気にしないでおこう。
漸くホークアイが現実に戻り、一気に真剣な顔になる。
「あそこでもしシャルの名前を出せば、あのお嬢さん間違いなくシャルを殺しに行っていたかもしれないぜ」
全員が驚いた顔を浮かべる。だが、アンジェラは至って冷静そのもので
「幾らなんでもそんな馬鹿な事する? だって相手は光の司祭よ?そんな事を皇太子妃がすれば世界中を敵に回すようなものじゃない?」
「んー… じゃあ、もしデュランの本命があのお嬢さんで、強制的にアンジェラ、お前と結婚させられ、泣く泣く諦めたけれど、ずっとあのお嬢さんの事を愛している……とかってなったら、お前どうする?」
途端にアンジェラを取り巻く空気が変わり、持っていたコーヒーカップ(超高級品)を粉々にした。アンジェラは俯いたままで表情はわからないが……この場合、わからない方が幸せかもしれなかい。
「………デュランとあの女を殺すわ」
既に深く想像しすぎて現実と想像の区別があやふやになっていたアンジェラがそう小声で呟く。まぁ、実際デュランがエリザに対してデレデレ(アンジェラ視点)していたのに、怒っているというのもあるが……。
その声はただならぬ殺気が篭められていた。恐らく神獣でもその声を聞けば、震え上がるかもしれないほどだ。その声を聞いてデュランは精神的ダメージを受けすぎて廃人寸前でホークアイに対して文句を言うことも、アンジェラに身の潔白を訴えることもできなくなっていた。流石に慌てたホークアイが
「た、例えばの話だ!例えばの!! だから、そう怒るな…なぁ?」
アンジェラがキッとホークアイを睨みつける。その形相にホークアイの顔が引きつり、後ずさる。
アンジェラが持っていたコップの破片をホークアイに投げつけて
「あんたが原因でしょうが!! あんたが!!」
そう怒鳴りつけると、ホークアイに掴み掛かろうとしたが、それをリースが取り押さえる。
「アンジェラ!!落ち着いてください!!」
流石に夫の危機を見ていられなくなったらしいが、それもあまり効果がなかった。
ホークアイ。必死の形相で廃人寸前のデュランの肩を掴む。
――この状況を打開できるのは、こいつしかいない!!
「おい!!デュラン!!元にもどれ!!じゃないとこの建物が崩壊するぞ!!」
だが、デュランは廃人寸前なのでホークアイの声が届いていない。
そうして、神獣戦以上に激しい……生死を賭けた戦いが10分以上続き、やっと落ち着いた頃には、皆精根尽き果てていた。
ちなみにアンジェラの怒りは無事デュランによって解消された。その方法は……皆さんの想像に任せよう。

「……このように、嫉妬に狂った女は何をするかは、さっぱりわからん」
……先程の騒ぎのあった後では、その台詞は本当に説得力に溢れきったものだった。
「俺の見たところ、あのお嬢さんはケヴィンにベタ惚れだ。
まぁ、だからあそこまで思いつめているんだろう」
「でも、ケヴィンとエリザ嬢は政略結婚だろう? 愛情はないんじゃないのか?」
「選んだのが獣人王様だろ?
あの人、ああ見えても隠れ親馬鹿だからケヴィンを好いている女をわざわざ選んだんだろう。
……今回、それが裏目に出ているみたいだけどな。」
「………………」
――なぜ、そんな事を知っている!? 隠れ親馬鹿って……、普通わからんだろう!? これもナバールの情報力なのか?!
と、皆が心の中でツッコムが、誰一人としてホークアイに聞こうとはしなかった。


「今までケヴィンがウェンデルに来なかったのって……もしかしてシャルに逢わないためか?」
「まぁ、そうだろうな?」
「何で?」
――この男は何処まで鈍いんだ!?そんなの見ていたらわかるだろ!!?
と、これはホークアイの心の中の声。
もちろん、口にした途端、三段斬りにされるので黙っておく。
「そりゃ、ケヴィンはシャルロットのことが好きだったからに決まってるだろ」
「はぁー……。そういえばよく一緒にいたよなぁー……」
皆が、その段階で気づけよ!と心の中で思うが、誰も口には出さなかった
デュランが腕を組みながら、思案顔で
「でも、子供同士だったからなぁ……」
「シャルがその言葉を聞いたら、お前ハリセンチョップの連打を喰らうぞ…」


昔書いた話を修正してUPしたものなので、おかしなところがあってもご容赦ください
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