未完

DB パラレル 未完 『螺旋』1-1

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注意
グロテスクな表現が一部あります。














暗い闇の中、一人。
声がする…何処からか誰かがオラを呼んでいる。
オラとよく似た顔が笑う。
―俺はお前。お前は俺。カカロット、早く来いよ。


……いなくなる、一人、一人……

突如強烈な痛みを感じ、意識が取り戻される。
凄まじい眠気の中、目を開けると、鬼のような形相をした年下の幼馴染みのパンが腕を組み、仁王立ちで悟空を見下ろしていた。
何故パンがここにいるのか?
寝起きのため全く回らない頭で考えるも、答えは見つからなかった
「…パン。おめぇ、何でここにいるんだ?」
いつも寝坊常習犯の悟空を起こすのは悟空の後見人の悟飯かビーデルであって、パンは一度過激な起こし方をしてから起こす役を免除されていた筈だ。
その台詞にパンの額に青筋が立つものの、怒りを抑え強くハッキリとした口調で
「悟空!!もうとっくに遅刻してるんだから、早く起きなさい!!」
悟空はボンヤリとした目でパンを見る。
何故パンがここにいて怒っているのか、いまいち理解できない。
眠気に完全に支配された頭は、一つの事しか考えられなかった。
その考え…睡眠をとるというのを実行すべく、パンに剥ぎ取られたらしい布団を被りなおすと、眠気で朦朧とする頭の中、
「七時になってから起こしてくれ」
それだけ言い残すと、彼の意識は睡魔に囚われ暗闇に落ちていった。
早くも寝息を立てる悟空にを見下ろすパンが俯き、怒りで肩を震わせながら
「……いい加減に、しなさいよ……!」
顔をキッと上げると、気が彼女を中心に渦を巻くように立ち上る。
「もう12時過ぎてるのよ…!」
溢れ出し、暴走する怒りを辛うじて…あやふやな均衡の中、爆発寸前のところで抑えながら言う。
警邏隊の勤務が始まるのが9時である事を考えれば、今の悟空は遅刻などという生易しいものではない。
いつも彼を起こす役のパンの母親であるビーデルは半月後に迫ったチチの結婚式の準備の手伝いに、父親の悟飯はここ最近の間に起きた政府要人の連続殺人事件の捜査と要人警護などに大忙しで、とても悟空を起こしに行く余裕がない。
昼休み前にビーデルから連絡を受けて、こうして起こしに来たというのに…
貴重な昼休みを棒に振って来ているのに、この寝ボスケか…!!
パンの中で怒りが増幅され、少しの刺激で爆発する状態まで膨れ上がった時、悟空が幸せそうな寝顔で
「…もう、オラ…食えねぇよ……。チチ…おめぇを…食って……か?」
その寝顔と寝言に、パンの中で何かがぶちキレる音がして、爆発音が轟いた。
「いい加減にしろ!!このバカロットォーー!!!!」
警邏隊の宿舎に響き渡る程の怒声を腹の底から上げ、気を込めた拳を、悟空めがけて振り上げた。
直後警邏隊の宿舎全体に、悟空の悲鳴が轟いた。

全身ボロボロの状態で悟空が本部に来た
通り過ぎる幾人から同情するような視線を受けられるものの、皆忙しいのか誰一人として悟空に声をかけるものは居ない。


クリリンが悟空の有様に一瞬絶句するも
「……今日はどうやって起こされたんだ?」
こんな事を聞くが、悟空の有様を見れば大体想像がつく。
誰に、と聞く必要はない。ここまで過激な起こし方をするのはただ一人だから。
「…顔とみぞおちに連打の後、エルボーとコブラツイストをかけられた」
その他にも様々な攻撃を受けたのであろうが、悟空の記憶には先程のものしか残っていない。
あまりのパンの過激な起こし方に、クリリンが冷や汗をかきながら
「…そ、そうか……」
そう言うと幼馴染みであるパンの姿を思い浮かべる。
何故か知らないが、パンは年上である悟空の事を弟分扱いし、どこか気嫌いしている。
けれど悟空だけに対しては手荒な手段を使うが、それ以外の人に対してはそんな事はないのに…


「けど、悟空。お前もある意味大物だな。そんな目に何度も遭っているのに毎日寝坊するんだから」
基本的に起こしに来るのはビーデルか悟飯だ。この二人は悟空が並大抵の事ではおきないというのが分かっているので強硬手段をとるが、それでもパンのような過激な手段はとらない。
とはいえ悟飯やピッコロは仕事が始まる数時間前に本部に来るので、それにつき合わされていては眠くてかなわないという悟空の強すぎる要望から―本当は寝坊の常習犯の時点で、そんな事を言う資格はないのだろうが―悟飯は起こす役から免除させてもらっている。そのためビーデルがいつも悟空を起こしているのだ。
ビーデルが起こしても起きない時は、悟飯が仕事の合間に起こしに行くのだが、此処最近二人とも毎日忙しい状態が続いているので、何時間も放置状態が続いていた。
悟空を起こすなら、数十分は確実に消えるからだ。


「んなこと言ったって、眠いもんは眠いんだから、仕方ねぇよ」
毎日何時間寝ても一向に疲れは取れずに、眠ったという感覚がしない。
夜に寝れば一瞬の暗転の後、誰かに起こされているという状態だ。
二度値では眠ったという感覚がするし、夢を見ることもある。けれど最初に寝ているときには眠ったという感覚は全くせず、ずっと起きているようだった。
開き直りとも受け取れる発言して、クリリンが肩を落とす。
その顔には何を言っても無駄だという諦めと悟空に対する呆れが満ちていた。


悟空が周囲の慌しさに漸く気づいて
「そういや最近皆忙しそうにしてっけど、何かあんのか?」
クリリンが唖然とした表情で悟空を見て
「おい、悟空……本当に何も知らないのか?
此処連日、会議でも話題になってるじゃないか!それにTVや新聞でも…!」
何故知らないとばかりに問い詰めるクリリンに、悟空が笑いながら
「会議の時はいつも寝てるし、それにオラニュースや新聞は見ねぇから」
全く悪びれた様子もなく言い放つ悟空に
「バカ野郎!!そんなので一社会人として恥ずかしくないのか!!
お前、そんな事だから年下のパンちゃんにまで子分扱いされるんだよ!!18の大人が、15の子供にいいようにパシられてるんだぞ!!
俺さ…こんなのと結婚するチチに同情するよ……」
それは警邏隊の殆どの者が感じている事だろう。
容姿端麗スタイル抜群で家事が万能の、まさしく独身男性にとって憧れとも言える存在であるチチが、万年遅刻常習犯で生活の全くなっていない…マダオともいえる悟空と結婚するなんて
その事を考えるたびに、世の中の不条理に
―はぁー…俺も結婚したいよな…。
その前に彼女を探すのが先だというのは分かっているけれど、今のところ相手らしき人物も居ない。
仲良くしている異性もいるが、どうも”男”として見られていない気がする。


「で、何があったんだ?」
「陸の孤島にいたわけじゃないんだから、ちゃんと知っておけよ。
政府の重要人物…首長フリーザの側近達が立て続けにこの町で殺されてるんだ。
殺し方は残虐非道。様々な殺人現場を今まで見てきた奴でも、思わず吐くほどだ」
クリリンの脳裏に、資料として提示された現場写真の光景が甦り、吐き気がこみ上げてくる。
四肢は細切れにされ、内蔵は抉り出されたのかそこらじゅうに飛び散っていた。
顔も原形を留めないほどに潰され、”人間”ではなくただの肉の塊になっていた。
DNA鑑定がなければ、個人の特定は不可能だっただろう。
あんな残虐な殺し方をする犯人の神経はいかれてるぜ」


「政府要人の殺人事件の捜査やら、要人警護やらで、大忙しんなんだ!」
「フーン……そうだったんか。大変だなぁ」
あまりにも他人事のように言う悟空に、此処最近休みなし、数時間の残業ばかりで疲れていたクリリンの怒りが一気にこみ上げてくる。
「……なぁ、悟空。怒鳴りつけていいか?思い切り殴っていいか?」
半眼で彼を睨みながら言う。



悟飯とピッコロが、連続殺人事件の資料に目を通していく。


「例の犯人は間違いなく、混血だな」
「えぇ。ザーボンやドドリアを殺すほどの力を持つ程の力を持つなど…地球人ではまずありえませんから。
上は複数犯と見ていますけど、俺は単独犯と思います」
現場の資料に目を通す限り、とても大人数で嬲り殺しにしたとは思えない。
単独、もしくは少数で行った犯行だろう。
しかし、そうなるとなれば…
「単独だと!?単独で奴らを殺せるわけないだろ!!
現場には犯人の血液は発見できなかった。つまり連中は圧倒的な実力さで嬲り殺しにされたんだぞ!!
一人ずつとはいえ、無傷で連中を殺すとなればサイヤ人達が連携をとらない限り…」
「強い者ならそれも可能です。
それもただのサイヤ人とは比較にならないほどの強さのサイヤ人なら」
そう。ザーボンやドドリア…フリーザさえも束になってかかっても、容易く返り討ちに出来る程の強さのサイヤ人ならば…。
黙り込んで、思いつめた表情をする悟飯に、ピッコロが
「………悟飯。犯人の心当たりがあるのか?」
その問いに、悟飯が目を見開く。
彼の中にある人物の姿が過ぎるが、すぐにそれを振り払う。
「…一応は。ですが、あの人であっては欲しくありません」
ピッコロにも悟飯の思い浮かべる相手の心当たりがあるのか、苦虫を潰したような顔になると
「……それには俺も同感だな。奴には連中を殺す理由はあるものの
俺だってあいつらを捕まえたくはない」
二人の間に沈黙が流れる。

悟飯が書類の山と向き合いながら


「俺とすれば、彼らが死んでくれたので嬉しいんですよ。
俺達の地区で起きたことですからね、政府の手前捜査しないと」
愚痴るように言う。
悟空が不思議そうに悟飯を見る。
内容の発言はこの際気にしないが、今までそんな事の言ったことのない悟飯が


「どういうことだ?」
悟飯が殺人事件の被害者…ザーボンとドドリアと連邦の首長フリーザとの関係や、彼らがサイヤ人を滅ぼす原因になった事などを色々と説明した。


「お父さんを殺す原因になった奴らですから、やっぱり許せませんよ」
悟飯自身、父親であるバーダックの事はあまり覚えていない―幼かったから、覚えていられなかった―が、とにかく強くて頼れる、大好きなお父さんという事しか覚えていない。
赤ん坊だった弟の悟天に至っては、バーダックの事を何一つとして覚えていないだろう。
父親に関する知識の殆どは、昔一緒に暮らしていた叔父のラディッツに教えてもらったものばかりだ。その中に悟飯自信の父親の記憶はそれほど多くはない。
悟天を産んで暫くしてから院内感染により亡くなった母親については、優しくて暖かい、安心の象徴だった。幼かった頃は母を殺した病院がどうしようもなく憎かった程、母親を愛していた。
母親とどこか容姿の似ていたビーデルに惹かれたくらいだ。
母親とピッコロは旧知の仲だったらしく、一度亀市長に引き取られた後、ピッコロが悟飯と悟天の後見人と身元引受人になり、育ててくれた。


ピッコロが苦虫を潰した顔で、皆に
「今日フリーザ直々に視察に来る。皆、心して出迎えるように」
その場が騒然とする中、悟飯が吐き捨てるように
「…大方、俺達じゃ信用できないって事でしょう」
悟飯が吐き捨てるように言うと、よく通る声で皆に


フリーザがピッコロの頬に尻尾の先を当て、冷酷な笑みを浮かべると
「ピッコロさん。あの二人は私の大事な側近だったのですよ。
くれぐれも早い犯人逮捕を、よろしくお願いしますね。
期待、してますよ」
「…お任せください、フリーザ様」


高笑いしながらその場から去って行くフリーザに敬礼しながらも、悟飯とピッコロの心中は





言い訳
途中にあったグロテスクな表現で気分を悪くされた方々にお詫びします。
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