未完

DB パラレル 未完 『螺旋』1―6

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注意及び警告
残酷表現があります。
グロテスクな表現があります。
流血表現があります。
死ネタがあります。
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警邏隊が連続殺人犯を捕らえるために、町中を虱潰しに探している時に


こんな強硬手段をも辞さない調べ方では、住民の反発を招く。
ただでさえ混血の悟飯が警邏隊の隊長を務めているのだ。
サイヤ人排除主義の連中に警邏隊そのものが根強い反発を受けているというのに、これではその批判を更に過激なものにするばかりではないか。
警邏隊とは名ばかりのただの武装集団と言われかねない程、行き過ぎた今回の捜査はいきすぎていた。
首長フリーザの側近という政府要人を残虐に殺した連続殺人犯を捕まえるためには、多少強引な手段さえもやむを得ない、という方針で、あくまでも今回だけの特例だろう。
それだけ連続殺人犯を捕らえる事に必死という証拠だ。
悟飯やピッコロなどは、サイヤ人の仇を討った犯人の捜査をしたくないのが本音だろうが、政府の手前そうもいかない。
少しでも反抗する態度を見せれば、彼らが殺される事になるのだから。


悟空が担当区域…チチの住む区域に重い足取りで向かっていた。
ゆっくり歩いていようが、確実に目的地に向かっている事に変わりない。


悟飯から建物の中といえども、徹底的に調べるように言われた事が浮かぶ。
悟飯からすれば、悟空をこの区域にしたのはただ単に気を使っただけなのかもしれないが、今の悟空からしたら余計なお節介以外の何者でもない。
大体、数時間前にチチにあのようなことをしたのに、どんな顔をして会えというのだ。
幾ら悟空が無神経で空気を読まないからといって、これはあんまりだ。



地図のある一点を指し示しながら
「それじゃ、悟空はこの区域を頼む」
その区域を見て、悟空が
「ちょっと待ってくれ!!」
突如上げられた大声に、皆の視線が悟空に向かう。
常日頃、会議では全くという程発言しない、彼だからこそ、他の者も興味を持った。
悟飯や周りの視線を受け、悟空が搾り出すように声を出す。
「……オラ、そこだけは嫌だ」
悟空のただならぬ様子に、悟飯は一瞬疑問を持った。
悟空がそんな顔をしたのは…彼らが見た限り初めてだった。
「何故?」
尋ねた途端、彼は口を噤み、それ以上何も言わなかった。
何か事情があるようだが、話す気はないらしい。
悟飯が溜息をつくと、真剣な眼差しで悟空を見る。
「悟空。これは仕事だ。
自分の感情だけで動くなど、あってはならない。
一度決めた手前、ちゃんとした理由がなくては帰ることは出来ないよ」
そんな事を認めれば、他のものにも迷惑がかかるし、何よりも秩序が乱れる。
大体、あの区域に悟空を配置したのは、その区域を何でも知る悟空だからこそ、潜伏しているであろう犯人を捜しやすいと踏んだのに、その悟空が嫌がっているのでは話にならない。


「連続殺人犯が潜んでいるかもしれないこの区域を、徹底的に虱潰しに探せ。
これは隊長命令だ」
有無を言わさぬその空気に、悟空は頷くより他はなかった。

行きたくない理由を、悟飯に言う事など、到底出来なかった。
…婚前交渉をしそうになったとバレたら悟飯に殺されるというのもあるが…。
ここまで育ててくれた悟飯には恩義もある。
なるべく悟飯とビーデルを失望させるような真似はしたくなかった。


嫌ならば担当区域の何処かの家を捜査すればいいのに、彼の足はゆっくりとだが、まっすぐ牛魔王邸に向かっているのに彼は気づいていない。


通い慣れた道に入り、牛魔王邸が近づくのが嫌でもわかるようになると、悟空の気分は更に落ち込んでいく。
突如、緊張感が走り、悟空が思わず身を強張らせた。
全身の毛が逆立ち、鳥肌が経つ。
今までに感じたことのない悪寒に全身がゾクゾクする。
それと同時に悪寒とは別の…強い者を前にした昂揚感が感じられた。
「……なんだ、これは?」
呟くと同時に、脳裏にチチの姿が浮かび上がり、すぐに蝋燭の火のように幻影は消え去った
「…チチ?」
彼女の名を口にした途端、胸騒ぎが酷くなった。
まるで急き立てられるように…


悟空が急いで屋敷に向かうと
すっかり日付の変わった夜中の暗闇でも屋敷が見える距離に近づくと、辺りに立ち込める程の血の臭い―サイヤ人の優れた嗅覚と、3年間の警邏隊勤務によって、それが血の臭いだとわかった―がした。


悟空が目の色を変えて、屋敷の中に入ると…そこには地獄絵図が広がっていた。
ホールは血の海…肉片が所々飛び散り、五体満足な遺体はどこにもなかった。
明かりの一切ついていない、暗闇の中でも、サイヤ人の優れた視覚でそこに広がっている光景を明確に見ることが出来た。
この場合、何があるのか見えない方がよかっただろう。


悟空が肉片を踏まないように慎重に…焦りながら前に進んでいく。
チチと牛魔王が無事でいるのか…。
只管それだけを考えていた。


「チチ!牛魔王のおっちゃん!!」
呼びかけに応えられる者はこの部屋にはおらずに、その声はただ部屋の中を反響しただけだった。


肉片の中に、彼らの遺体らしきものがないかを確認しながら、
血の臭いによって、鼻が麻痺しているのか、チチや牛魔王の臭いは一切わからなかった。
このフロアの中で唯一肉片の飛び散っていない、階段に足をかけ、二階に上がろうとした時、階段を降りる音がする。
深夜で人々が眠りについている中、悟空以外誰も生きているものがいない、この屋敷の中…全てが無音だからこそ、その音は部屋の何処にいても聞こえるのではないかと思われるほど、響いていた。
足音と同時に、それまで感じられなかったチチの匂いが濃密に感じられた。
一瞬チチかと思うが、彼女の足取りは軽やかな蝶のようであって、断じてこんな大型の肉食獣のような、重々しく隙を一切感じられないものではない。
噎せ返る程の血の臭いで、鼻が麻痺しかけているというのに、チチの臭いと、少量でも彼女の血の臭いはわかった。
その臭いを嗅いだ途端、悟空の中で何かが激しく暴れ出す。


悟空が身構えた時、彼の足元めがけて、投げ下ろされたものは…
…顔面が潰された牛魔王の首だった。
悟空が絶句し、この凄惨な現場を見ても出なかった涙が溢れ出してくる。
子供の頃からよくしてくれた事や、最期に会った時の会話が走馬灯のように甦る。
悟空が泣きながら、首を投げた犯人に
「貴様ぁー!!」
相手を睨み殺さんばかりの眼差しで、上を見上げたその一瞬、強い衝撃を感じた。
…背後から何者かに胸を、肺を貫かれていた。
そんな事、悟空にはわからない。ただ物凄い熱を伴った激痛と、呼吸が出来なくなった事しか。
朦朧とする意識の中、判別できたものは、見下ろすように彼を見ていた上半身裸の褐色の肌をした男―顔はわからない―と、自らの胸を貫いた、細くしなやかな…暗闇の中、血に染まっていながらもわかる程の透き通った白い腕だった。
後は意識が真っ暗に閉ざされて、何も分からなかった。
そして、支える力を完全に失った悟空の体は血の海に倒れ伏し、彼の血は海に溶けていった。



グロテスクな表現で気分を悪くされた方々に深くお詫びします。


次から二章突入です。
十章ずつに前編・中篇・後編と分けているんですが……
……三十章以内に終わるといいけれど…。
もしかしたらもっと長くなるかもしれませんが、それでもお付き合い頂けたら嬉しいです

9.12公開
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