未完

DB パラレル 未完 『螺旋』2―2

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注意
○○○○・チチ前提になっているため、悟チチ好きな人には辛い内容です。
悟空が無神経なところがあります。













悟空がチチの病室を探すものの、302号室は一向に見つからなかった。


悟空が頭をかきながら
「参ったなぁ…。一体何処にあるんだ?302号室ってのは…」
看護師達に聞いても皆が首を傾げるが、中には明らかに表情を変える者もいた。


医者と話し込んでいる悟飯を見かけて
「悟飯!丁度いい所にいた!!
あのさオラ、チチの入る病室まで行きたいんだけど、何処にあるかがわからねぇんだ。だから案内してくれ!」
手を合わせ、頭を下げる悟空に、悟飯は何処か呆れたように見ていたが
「…まぁ、この病棟にはないから仕方ないか。
案内してあげるから、着いておいで」
「おう」


悟飯に案内されるまま、着いていくが、一般病棟から離れてていくのに不安を覚えた悟空が
「…なぁ、悟飯。本当にチチはそこにいるんだな?」
「あぁ、302号室は…」
悟飯が立ち止まると、悟空もつられるようにして立ち止まった。悟飯が怖いほど真剣な顔になり、悟空が思わず息を呑む。
「特別監視房…そこがチチの病室だ」
「なっ…!!何でチチがそんな所にいるんだ!?一体どうなってんだ!悟飯!!」
悟飯の胸倉を掴み、詰め寄る悟空の手を振りほどくと
「悟空、あの日の牛魔王邸虐殺事件…住み込みの使用人も虐殺されて唯一生き残っていたのはチチだけだ。
殺しの手口から虐殺事件は政府要人の連続殺人犯の仕業である可能性が高い。
…わかるか、悟空。チチは連続殺人犯の唯一の目撃者でもあり、接触した人間なんだ」


「俺の口からは言えないと思っていたが…やはり今言っておこう。
悟空、チチは記憶喪失になっている」
「記憶、喪失?」
悟飯の言った言葉を反復するが、その言葉の意味が頭の中に浮かばずに、鈍器で思い切り後頭部を殴り飛ばされた感覚に近い衝撃を受けた。
―何故、チチが?
衝撃の後に訪れたのは戸惑いと、疑問だった。


「記憶を取り戻すまで、目撃者であるチチを殺人犯の手から守るためにここに彼女を収容しているんだ」


特別監視房…隔離患者や重犯罪者を収容すると同時に、負傷した目撃者を確実に守るために作られた施設でもある。
施設の特色として建物は半分以上地中に埋もれている。
侵入や脱走を確実に防ぐために、中には幾つものセキュリティが設置されており、不審者を感知すればサイヤ人が用いていたという宇宙一固いカッチン鋼で出来た重厚な扉が閉まり、侵入者を逃がさぬ仕組みになっている。
完全に外部から切断された空間…それが特別監視房の中だ。


悟飯が悟空をポポの前に連れて行く。ポポが悟空を見て
「お前、悟空か?私はポポ。チチの担当医をしている。
チチの容体は少し衰弱しているが、身体には特に異常はない。時期に健康を取り戻す。
厄介な事に全ての記憶をなくしているため、接触した連続殺人犯の事も何も覚えてない」
「…チチに会っていいか?」
「それは無理。チチ、男性恐怖症になっている。男が近づくだけで酷く怯える。
今ではハチにだけ心を許している」
「ハチ?誰だ、それ?」
「ここの看護士。美人でフリーだけど、気が強くて、おっかないからやめといた方がいい」


悟空が病室に入る前に悟飯が悟空の肩に手を置き、彼の目を見つめて
「…悟空。何があっても気をしっかり持つんだよ」
「…?あぁ、わかった」
首肯し、室内に入った。
扉が閉じると同時に辺りの空気が重くなる。悟飯が扉を見つめながら
「…で、あの心配はないんですか?」
「継続的に薬を飲ませているから、問題ない。もし兆候が現れても早い内に始末する」
「そうですか、では頼みます」

悟空が部屋の中に入る。
部屋の内装は白一色で無機質なものだったが、特殊な強化硝子から日の光が入り、チチを照らしていた。
チチが金髪の看護士―ハチという女だ―に笑顔を見せているのを見て、安堵する。
情緒不安定になっているというが、そんな素振りは一切ない。それどころかいつもと変わらない笑顔だったから、記憶喪失だというのも何かの間違いだという気がしてくる。
「チチ」
呼びかけると、いつもの笑顔でオラを呼んで、抱きしめてくれる。
そんな悟空の予想とは裏腹に、チチの視界が悟空を捉えると、彼女の顔が恐怖に引きつり、悲鳴をあげて、すぐ側にいるハチにしがみ付き、赤ん坊のように泣きじゃくる
「…なんだよ…」
目の前で起きた想定外の出来事に、何一つとして対応することも出来ずに、それどころか今の現実が理解できなかった。けれどもチチに拒絶された事だけは確かだ。どうにもならないと分かっていても、次第に怒りが溢れ出てくる。そして、今まで一緒に過ごしてきた自分よりも会って数日の看護師に全幅の信頼を寄せているチチの姿を見ていると、嫉妬心が湧き上がってくる。
「おい!チチ!!」
先程、悟飯や医者から絶対にチチに近づくなと強く念押しされていた事も忘れて、チチに近づいていく。
ハチの後ろに隠れ、恐怖の対象として自分を見るチチの視線が、どうしても癪に障り気に入らなかった。
ハチが抵抗するも、彼女を振り払い、逃げようとするチチの手首を素早く掴んで、自分の元に引き寄せ、後ろから抱きしめる。こうすればいつもの彼女ならば顔を紅くするも、自分の胸に凭れ掛かってきた。
しかし悟空を待ち受けていた現実は、チチの拒絶。身を切られるかのような悲鳴を上げ、暴れ、感情の昂ぶりにより彼女を中心により気の突風が吹き荒れる。それは悟空を少しでも遠ざけ、彼から逃げようとするチチの心情そのものだった。
悟空を怯え、逃げようとする態度に、悟空の怒りが募ってくる。
―チチは一番自分を信頼していたのではなかったのか!?
記憶も彼を前にすれば戻るだろうと、根拠もなく楽観的に考えていたものが、音を立てて一気に崩壊していく。


「いい加減にしなっ!!」
ハチがチチの腕をつかんでいる悟空の手をひねり挙げ、悟空の頬を殴る。サイヤ人の頑丈な身体や、常人とは比べ物にならない力をもってしても、少し離れた位置の壁まで、何の抵抗も出来ずに飛ばされる。
悟空が悟空が起き上がり、嫉妬の対象であるハチに反撃をしようとした時と、ハチが緊急用の扉の解除ボタンを押し、扉が開くのとは同時だった。ハチが悟空の鳩尾を蹴り飛ばすと、部屋外まで飛ばされ、今度は頑丈な作りの廊下の壁を少しへこませた。
鳩尾と背中の激痛のため、碌に身動きも出来ずにいる悟空を、ハチが仁王立ちし、見下ろしながら
「女に手をあげるばかりか、嫌がる女を無理矢理抱きしめるなんて、男の風上にも置けない最低な奴だね、あんた。
今後チチに近づこうとすれば、二度と近づけない体にしてやるよ!」
そう言い残すと、扉が勢いよく閉まり、ハチの姿は彼らの視界から消えた。
ポポが悟空に近づきながら
「大丈夫か?また入院するか?」
悟空が何か言おうとした時、悟飯が笑みを浮かべて
「これくらいの怪我、彼には大したことではありませんので、ご心配なさらずに」
悟空の不満に満ちた視線を無視し、悟飯が扉を見つめながら
「それにしてもあの女性、本当に強いですね…。幾ら弱くてもサイヤ人の端くれである悟空を簡単にKOするなんて、ただの地球人女性には出来ませんよ」

チチとハチの二人だけの室内で、怯えて泣きじゃくるチチを宥めるように、彼女の背中をゆっくり優しく撫でてやる。
「もう大丈夫、安心しな」
笑みを浮かべて言うものの、チチは一向に落ち着かなかった。
この三日間、こうすれば安定していたチチの精神だったが、今は怯えて、庇護する者を求めるようにハチを抱く腕に力を込めていた。

特別監視房の職員室でポポが悟空と悟飯にお茶と茶菓子を出すものの、誰一人としてそれに手を伸ばす人間はいなかった。
ポポが彼らと向かい合う位置のソファに座ると、先程から酷く沈んだ顔の悟空を見た後にお茶を飲む。
「記憶喪失は今だ決定的な治療法が確立されていない病気。だけど幸いな事に記憶喪失に効く薬がある」
その言葉を聞き、悟空の胸に希望が湧き上がってくる。
絶望の暗闇の中に、希望の光が一筋差し込んできた心境だった。
悟空が目を輝かせ、机に手をつけ、ポポめがけて身を乗り出して
「本当かっ!?だったら話は早ぇ。早速それをチチに投与してくれよ!!」
「人の話は最後まで聞け。 …但し、その薬はここにはない。
C.C製薬会社の薬品で現在は製造中止になっている。一定量を得るためには全薬品を管理している社長に会って頼み込むしかない。でもC.C社長は滅多な事ではアポもとらないし、公の場に出ない人間嫌い。だから薬がいつ手に入るか分からない」
「そんなぁ!!どうやってもその社長には会えねぇのか!?」
「あそこの社長は極度の政府嫌いで人間嫌い。政府筋の話には一切応じず跳ね除ける。そんな事をしていても許される程、C.C社は莫大な財力とそれに見合った権力を持っている。
極度の人間嫌いの社長から、何の伝もなくアポをとって、薬の在庫品を売ってくれるように頼み込むよりは、どこかに残っているかも知れない薬を虱潰しに探す方がまだ望みがある」


部屋を出て行こうとする悟空にポポが
「悟空。チチがお前に怯えるの、きっと罪悪感から。でも恋人ならそれを受け入れて支えるもの」
「……そりゃあ、家族をあんな形で殺されたんだ。チチがあぁなるのも無理はねぇ」
ポポは何ともいえない顔で悟空を見ていたが、悟空を指差しながら悟飯に
「こいつ、大馬鹿」
「単純だから扱いやすくていいんですよ」
二人のやり取りに、悟空が馬鹿呼ばわりされた事と除け者扱いされている事にムッとするが、ポポが真剣な表情で悟空を見て
「わからないことはいいこと。世の中なんでも知っていればいいことじゃない」





言い訳
不快になられた方々に謝ります。
『螺旋』では悟チチ、ベジブル、飯ビー、クリパチが基本ですが、ベジブル以外では様々な異色CPや要素があり、純粋な悟チチ、飯ビー、クリパチが好きな方々には眉を顰めるようなものがこれから出てきます。
様々な困難を乗り越えて、どんな事も受け入れて、一緒になる男女というのを悟チチで目指します。
例え悟空・○○○○や○○○○・チチなどがあり、それらを匂わせるような要素があっても、この話では基本的に悟チチです。
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