「ドラゴンボール」
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DB 小説 VB 『すれ違いと本音』 

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注意
長編の一部ですが、これだけでも読めるような内容にしています。
ブラ→ベジータ前提のベジブルです。
ブルベジが強く、ブルマが病み気味です。
オリジナル設定があります。














オリジナル設定
サイヤ人は約三百年生き、150年の間は若いままで残りの150年で年老いていく。














「ブルマ。何故そこまで若さを保とうとする? 幾ら年を重ねてもお前はお前だということは変わらん」
この戦いへのブルマのただならぬ執着は、大きな疑問だった。
若くありたいという願いは、常々聞いていたのでその執着も知っている。だが、そのために手段も選ばず、昔馴染みを容赦なく切り捨て、勝ち抜こうとする姿は”いつもの”ブルマとは異なっていた。
これが彼やトランクス、ブラなら疑問も何もないが、ブルマだからこそ…彼が忘れていた人の温もりを思い出させたブルマだからこそ、疑問と共に落胆と失望が襲った。
ブルマが目を瞠ると、真摯な眼差しで目の前にいる夫を見つめる。
「数百年も生きるあんたを置いて死にたくないのよ。 別次元のあたしのように置いていかれるのも嫌だけど、置いて逝くのも……嫌なの」
残されるか、残していくか。
その違いはあれど、どちらも最愛の者と死別するのは変わらない。そして、死後も天国と地獄に別れ、魂となっても会えない。
だからこそ生きて一緒にいられる今、この瞬間が何よりも大切で尊い。
種族としての寿命の違いで、共に過ごせる時間が限られているのなら同じすればいい。
一緒にいられる時間を増やしたいという純粋な気持ちが、昔馴染み達を切り捨てる冷酷さを齎した。
ブルマの答えに、ベジータが眉間に皺を寄せる。
「それだけではないだろう? 何を隠している」
全てを射抜き、暴き立てるようなベジータの視線に、ブルマが一瞬息を止め、表情が消えて能面のように無機質な顔になる。
「…………ねぇ、ベジータ。もしあんたが私と同じ立場になったらどう思う? いつまでも若く美しい、男に言い寄られ続ける、寿命の異なる妻。年と共に年老い、容貌も自信も体力も…今まで築き上げたものがなす術もなく失っていく自分…。 そんなの我慢できる?」

ベジータと出掛けるたびに”釣り合わない””いい年した女が…”などと陰口を叩かれ、目の前で彼に言い寄る女達に、浅ましく嫉妬をする醜い自分が許せない。
嘗て持っていたものを、どんなに繋ぎとめるために努力しているにも拘らず失っていくものを当然のように持ち、それを振りかざす女達に羨望し、憎いんでいる。
年とともに容貌と自信が失われて、毅然としていられない。それが何よりも許せなかった。
そして一番許せないのは、夫と同じ時を生きられる娘ブラへの嫉妬だ。
『大丈夫よ。 私がパパと死ぬまで一緒にいてあげる』
この言葉を聞いたとき、改めて夫が違う時間を生きていること、寿命が数百年も違うことを目の前で突きつけられ、本当の意味で実感した。
女の顔をした娘の本音を知らなければここまで追い詰められなかった。
娘でなく女として見たとき、これ以上の敵はないと思い知らされた。

「あたしはそんなの耐えられない。 だからサイヤ人と同じ寿命と若さを手に入れたいの。 ……そうすれば何の問題もなくなるわ」
目の前にいる最も愛している男を見る。
サイヤ人にしては色白の肌、漆黒の髪。整った顔立ちと、鍛え抜かれた身体と男にしては細い腰…何より彼女が一番愛して病まない、鋭く燃えるように気高く、誇り高さが滲み出ている黒曜石の瞳。
彼の心や魂まで自分ではない人間の手に渡ると考えただけで、嫉妬と激しい独占欲が湧き上がる。
彼の瞳が他の女を映すときが繰るなら、自分だけを見ている今のうちに殺して、自分のものにしたいなどという、狂人としか思えない衝動が彼女の中で激しく渦巻き、暴れ出す。

――死ぬまで一緒にいたい。
――常に釣り合っていたい。
これらは女として、伴侶として偽らざる本音だ。
それを実現するための手段が、どのようなものであっても…必ず成し遂げる。

目の前にいる妻に気づかれぬように落胆の吐息を心の中で漏らす。
彼がブルマを愛したのは外見もあるが、それよりも彼女の心と惑星の蒼をそのまま移したような瞳だった。
幼い頃に父王に見せてもらった、嘗ての惑星ベジータそのものの瞳。
それさえあれば、どんなに容貌が衰えようとも、さほど気にしなかった。
しかし年を重ねるにつれて、ブルマの心は少しずつ変質していった。
幾ら彼が、年老いてもブルマという存在には変わりないから、気にするなと宥めても、何度も不安に駆られていた。特に会社のパーティや研究所のラボで彼が女達に囲まれたときが、一番癇癪が酷くなった。

彼女が若返る事で嘗ての心に戻るのなら、どれほど強い敵とでも戦うというのが彼の本音だ。
サイヤ人にとっては戦いは仕事であり、娯楽であり、存在意義そのものなので、苦とは全く思っていない。しかし、今回の相手はこちらの分が悪すぎる。
そこまで考えたところで思考を切り替える。
ブルマが死ぬまで一緒にいたいというのも、どうせなら若い方がいいと言うのも彼の本音だが、それよりも彼女の心の変質が治ってほしいというのが一番の理由だった。

2011/5/13 小説へ移行
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