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BOF3 小説 『竜と兎の虎争奪戦』1

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注意
ティーポ→レイ←モモのレイ争奪戦です。
ティーポとモモのキャラが壊れています。



舞台 エデンでのティーポ再会時にて
















モモが唖然とした面持ちで眼前の人間模様を見つめていた。
昔はリュウから、そして最近ではレイがポツリポツリと語った話では、彼らの兄弟のティーポという人物は大層なブラコンで、レイが一番大好きな少年だったという。
彼に対する独占欲は凄まじく、弟であるリュウ以外の人間。それも女が近づこうとすれば、様々な手段や作戦を弄して排除していたらしい。
それによく巻き込まれていたというリュウは溜息混じりに昔語りを終えた後に
「あの時の俺達にとって兄ちゃんは誰よりも特別な存在だったから、それも仕方なかったけれど……。 当時はそこまでしなくてもいいのにと呆れていたよ」
と語った。
恐らく記憶に残っている限りで、唯一親としての愛情を与えてくれる人間。
だからこそ、彼の心が自分達以外の者に向く事を恐れて、その可能性を徹底的に取り除きたかったのだろう。
だが、目の前で繰り広げられている光景はどうだろう?
何よりも大事だったという人間を邪険に扱い、明らかに傷ついている彼を無視している。
一体この十年の間に何があったのか。多少気になるが、今一番大事な所は底ではないと、モモは思う。
―これだったら、大丈夫っぽいわよねー。
一応レイとモモは恋人同士であったが、肝心の一線は越えていなかった。
レイ曰くティーポの事もあるし、まだ俺が幸せになるわけにはいかないとのことだったが、モモには深い関係になる事に対して怯えて逃げているとしか思えなくて不満だったのだ。
―どんな形であれ、ティーポ君に認めてもらえれば、レイも吹っ切れるわよねー?
話に聞いた限りのティーポでは、もし何処かで会えたとしても認めてもらうことなど絶対に不可能で、逆に反対されかねないと危惧していたが、この様子ではその心配もなさそうで、少し安心した。

「じゃあー」
どこか耳障りに聞こえる間の抜けた声が近くから聞こえて、ティーポがそちらを鋭く一瞥する。
兄だった男の後ろに控えていた野馳族の女が、男の腕に手を伸ばして腕を組むと、凭れ掛かるよう腕に頬をくっつけた。
「私がレイを貰っていいわよねー?」
一瞬、両者の間に激しい火花が飛び散り、ただならぬオーラが衝突しあうが、それはほんの刹那の出来事だった。
気配に聡いリュウやガーランドでさえも、あれ?今何かとんでもないものが見えなかった?というほどの、瞬きする間の出来事。
しかし、確実に衝突していたのは間違いないのだ。
その事実にティーポが、何を頭に血が上っているのかと自らの愚かさを自嘲する。
兄だった男にくっついている女と、それを振りほどこうとしないばかりか甘んじてい受け入れている奴の姿に、裏切られたという感情が込み上げてくる事態、今の彼には愚の骨頂だった。
それがどうしたといわんばかりの冷ややかな余裕に満ちた態度で、鼻で笑う。
「好きにしろ。 ……俺には関係のない事だ」
そう、今の彼にとってレイは最早どうでもいい存在だった。例え彼が死のうが、知ったことではない。
今の彼にとって重要なのは、ミリアとリュウのたった二人だけ。
……だというのに、眼前の男女の姿を目に映すだけで、はらわたが煮えくり返ってくる。
暴れ狂いかねない得体の知れない感情を徹底して封じ込めると、無理矢理二人から視線を逸らして、リュウのみを見入る。
ミリアの最大の目的であり、彼の最期の同胞で”弟”だったリュウ。
先程までは意志の強そうな顔でこちらを見据えていたが、今はなぜか昔のように弱虫丸出しな顔をしていた。
こんなので使えるのかと、ミリアの目的の足手纏いになるのではないかと危惧したが、外海を越えて此処まで来たという事実から大丈夫だろうという判断を下す。
……リュウが若干ビクついているのは、ティーポの激しい嫉妬と憤りを限界まで押し殺したただならぬ雰囲気に問題があったのだが。
「リュウ。 竜の力は……」
「その言葉、本当ねー?」
二人を完全無視した形でティーポが言葉を当付け陽とした矢先、眼鏡の奥を光らせたモモが挑発の餌を彼の顔面に投げつけた。
いつもなら力ない者の挑発など、相手にする価値なしと眼中にも入れなかっただろう。
しかしモモの挑発はあからさまで、それでいてティーポの逆鱗に触れる絶好のタイミングで投げ放たれていた。
とうとう無視しきれずに、腹の底から怒声を上げる。
「うるさい!! 何度も同じことを…」
――言わせるな!!
その言葉は喉を震わせることなく、ヒュゥッと空気が放たれただけだった。
彼の眼前で行われていたのは、我が目を疑う行為。
女が兄に抱きつき、彼に口付けようとしている姿であり、兄が純情丸出しで顔を真っ赤にしている姿であった。
今のティーポにはこの二人しか目に入らなかったので気づかなかったが、その視野の外ではニーナが目を爛々と輝かせていもいた。
頭が、真っ白になる。
何も考えられない。
これは何かの冗談だ。そうでなければ、最悪の悪夢だ。
混乱の最中にあり時が止まったように硬直するティーポには、時間がやけにゆっくりと進んでいくように見えた。
やがて二人の顔が距離を縮め、まさに唇が触れ合おうとした瞬間、ティーポの中で何かが大きな音を立てて崩れた。
その衝撃は頭のみならず、全身まで響き渡って理性すらも吹き飛ばした。
直後の記憶はティーポにはなく、気づいたら女は突き飛ばされたのか尻餅をついており、大事な兄を略奪者から奪い返す形で自分の背後に庇っていた。
―俺は何をしているんだ!?
ハッと我に返る。
こんな事をしている場合ではない。リュウを主たるミリアの意に沿うように説得しなければならないのに。
…わかっている。だが、今はそんな余裕はないのが現状だった。
リュウへの説得は、この二人の問題を片付けてからでも遅くないのだから。
尻餅をついたまま苦痛に顔を歪ませる女を、憤怒の形相で睨み下ろす。
「この悪女!!俺の兄ちゃんになんて事をするんだ!!」
「ヒッドーイ!!」
あんまりな言いように、珍しくモモが抗議の声を上げる。
激しい感情を受けてか、彼女の垂れ下がり気味の兎の耳が若干上がる。
端から見ればそんなに上がってないように見える。しかし、構造上限界近くまで彼女の耳は上がっていた。



2012/8/18 小説へ移行
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