「聖剣伝説」
聖剣伝説3(HOM)

聖剣伝説3 小説 『似たもの親子』1

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注意
主人公がケヴィンの話です。
HOM・ガウジェレ前提です。
ケヴィシャル前提です。

ギャグです。










舞台
マナの剣が奪われた後のビーストキングダム













太陽の代わりに月夜が支配するビーストキングダム。
その城の一室。滅多に使われることのない賓客室には、嘗ての仲間や縁者の子供達が集まっていた。
城の主である王が、嘗ての仲間の子供達を観察する。
剣士はロキの息子だというが、母方似なのだろう。内面はともかく外見は余り似ていなかった。
魔術師は幸いな事に父親には全く似ておらず、ヴァルダと瓜二つだった。
アマゾネスは……よく覚えていないが、母親似なのだろう。
忍者、ホークアイはあの時の赤ん坊がここまで立派に育ったことに対して深い感慨が過ぎる。
彼は幼い頃にナバールに拾われたという、ならば両親はずっと昔に亡くなっていたのか…。
心の中で嘗ての仲間への冥福を、祈る。
そうして息子の仲間たちを観察し終えた後に、息子に視線を向ける。
一年以上にも渡る”家出”から帰ってきた、最愛の息子。
彼は城を飛び出した時より、強く逞しくなっていた。
前はおどおどと辺りを伺うように見ていたが、今ではしっかりと前を見据えるようになった。
仲間と旅をする事で精神的に大きく成長したのだろう。
その成長は獣人王にとっては一抹の寂しさを与えたが、とても喜ばしいものだった。
息子の成長が眩くて、嬉しさの余り目を細めていると、彼が仲間にある視線を送っていることに気づき、苦笑が漏れる。しかしその表情の変化は、彼をよく知るものでしか分からない、些細なものだ。
―まだヒヨコだと思っていたが…。
今の息子の眼差しは獣人王にとっても、馴染み深い。なぜならその眼差しは若い頃に彼が後に妻となる女性に向けていたものと瓜二つだった。
―こんなところまで似なくていいものを…。
珍しく口角を上げる。
幾ら息子の成長を実感したとはいえ、獣人王にとって息子はまだ押さなく、自ら世話して育てた赤子の頃と変わらなかった。それが家出から帰ってきたら恋を知るまでに成長していたという事実に、嬉しさと驚きが入り乱れ、複雑な気分だった。
息子の意中の相手を探るべく、その視線の先を辿る。…しかしその相手は、獣人王の予想とはかけ離れていた。
眉間に深々と皺が刻まれていく。
獣人王にとって、その相手は「あってはならない」人物だった。
息子が誰を愛そうとも、周囲の大反対を押し切り、人間の妻と結婚した儂が反対したところで説得力はない。しかしこれだけは言わねばならぬ。
ケヴィンを、あれの忘れ形見を、”ロリコン”にせぬためにも。
重苦しい空気を漂わせ、いつもとは比較にならぬ程の威圧的な視線を受けて、ケヴィンがすっかり萎縮している事を獣人王…ガウザーは全く気づいていなかった。

僅かな蝋燭の明かりが灯るだけの、暗い廊下。
王の私室に向かうケヴィンの足取りは非常に重たかった。
憂鬱な気分で歩を進める彼の心の中に、今の状況の切欠となった出来事が再生されていく。
仲間達を案内し終えて、久し振りに自室に戻ろうとした時に獣人王が有無を言わさぬ空気を漂わせて、ケヴィンに自室に来るように命じた。
何があったか知らないが、その時の獣人王の目は怒っているような、不機嫌な色合いを宿していた。
何かが獣人王の機嫌をあそこまで損ねた、というのはわかるが、思い当たるものはなかった。
先程の仲間達とのやり取りだって、あの獣人王が珍しく表情豊かに―普段と比べれば、であり見慣れない者からすれば顰め面のままだ―会話をしているところを見た時は、何処か具合が悪いのかと、本気で心配した。
しかし彼らの話を聞くにつれ、事情が分かってきた。
他の獣人達から聞いた事があるが、昔全世界を巻き込んだ大きな戦があり、獣人王はその戦争に参戦していたそうだ。
何の因果か、仲間達は当時の獣人王の仲間やその縁者の子供達であるらしく、終始その話題で持ちきりだった。話に中々入れなかった彼と、話題すら持たなかったシャルロットは、居心地悪そうにそのやり取りを聞いていた。
それらの中に獣人王の気分を害するものはなかったはず。例えあったとしても、獣人王なら本人に直接言う。
そうなればケヴィンの言動で何かが獣人王の癪に障ったのだろう。しかし彼には怒られる心当たりは全くないので、何故呼び出しを受けたのか、全く分からなかった。
夕方の手合せの時かと思うが「ヒヨコにしては強くなった」と滅多に見せない笑顔で褒めてくれたから違う。
なら、何故だろう?
…結局怒られる原因がわからないままこうして足を運んでいる。
本当は、行きたくない。逃げ出したいのだが、あの時の父の空気は逃げる事を絶対に許さないものだった。
だから「行く」という選択肢しか存在しない。

躊躇うような小さなノックの後に、開く人間の心境を反映してか、扉が重々しく開く。
ケヴィンが滅多に入ったことのない室内に足を踏み入れる。周りを伺い、獣人王の姿を見つける。
獣人王は窓から広大な月夜の森を見下ろしていた。
威風堂々たるその姿は王者の風格を漂わせている。
一代で王国を築き上げ、今でも全獣人のトップに君臨し続ける、最強の戦士。後姿だけでも到底かなわぬ存在だと知らしめるほどの実力を持つ、王。
ケヴィンが憎みながら慕う、永遠の理想。
「…獣人王…」
ケヴィンの呼びかけに獣人王が振り返ると、彼を睥睨する。そして、言葉を紡ぐべく口が開かれる。
ケヴィンが緊張の余り、冷や汗を流して、拳を握り締める。
――何を言うのか――
顔を強張らせ、獣人王を凝視して、喉を鳴らす。
心臓の鼓動が、やけに大きく聞こえた。
「…いくらなんでもあれはないだろう。 儂はお前をロリコンに育てた覚えはないぞ」
…獣人王の言葉は、ケヴィンの予想とは大きく異なっていた。
思ってもいなかった言葉に唖然として、ただ呆けたように獣人王を見ることしか出来なかった。
ケヴィンの様子が目に入らないのか、獣人王は更に続ける。
「儂も6歳下の女に惚れたが、あれは既に成人だった。 だというのにお前ときたら…あの娘はまだ赤子に毛が生えた年頃ではないか!! そんな子供を…儂は絶対に認めんぞ!!」
ファ・ディールでは14歳を過ぎれば成人だ。この世界の常識から言えばケヴィンは既に大人であり、親の庇護や意思に左右される年齢ではない。しかし未だケヴィンのことを「幼子」で、彼の将来を案じて、自分が強くせねばと考えている隠れ親馬鹿の超子煩悩である獣人王には、世間の常識など一切通用しない。
一体どんな想像をしているのか、どんどん発言がエスカレートしていく獣人王に、ケヴィンの堪忍袋の緒が大きな音を立てて、切れた。

「父さん!!変な誤解をしている!! シャルはオイラと同い年だ!!」
怒りに身を委ね、力づくで獣人王の暴走を止めたケヴィンが、鬱憤をぶつけるかのように怒鳴る。
そんなケヴィンを「嘘をつくな」と言いたげに憮然と見ていた獣人王だったが、ケヴィンがシャルロットがハーフエルフである事を話すと、漸く納得してくれた。







言い訳
シャルロットと面識のない獣人王からすれば、初対面時には彼女の事を幼女としか見えないよな…。だったらケヴィンの事をロリコンと間違えるんじゃないか?と思ったのが始まりです。
何気に続きます。



2011/1/25 小説へ移行。
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