未完

聖剣伝説2 未完 『Let's dance』

 ←ゾイド 小説 『料理は愛情』 RL →カテゴリー名の変更
注意
最近、いいなぁ…と思っているCPに挑戦します。
聖剣2の敵キャラ…四天王のシークとファウナッハという組み合わせの話です。
彼らが若い頃(←重要)の話です。
タナトスがシークいびりをしています。
オリジナル設定があります。
オリジナル要素が強いです。


















オリジナル設定の説明
年齢設定としてはシーク18。ファウナッハ16。ゲシュタールは14でまだ四天王に入ってません(四天王入りは15歳から)
シークの言う上司とはゲシュタールの前任の事で同僚はファウナッハのことです。タナトスは最初から最後まで同僚扱いしてません(見るからに怪しそうなのと色々事情があって)
タナトスという例外はあるものの、四天王になれるのは能力の抜きん出た貴族とその血筋だけです。
忍術は血族のみ使用可能で、忍者達は血統社会なので、混血は同胞とみなしません。
忍者達やその血族の事は血統者と呼ばれており、彼らは自然や生物の気を感じ、操るだけでなく、思念すらも感じる事が出来ます。(気を操った技が忍術)それ故あまりにも強すぎる思念を前にすれば身体に何かしらの変調が出ます



















煌びやかな大広間のなか、楽隊が音楽を奏で、着飾った男女が踊っていた。
皇帝の近くでその様子を冷ややかに見ている一人の若い男がいた。
しなやかに鍛えられた細身の身体と、白皙の肌と瑠璃色の髪と瞳を持った精悍な顔立ちの凛々しく怜悧な美貌の青年。
青年…シークが目を伏せる。
―こういう場は苦手だ。
誰にも気づかれない程度に小さく溜息をつく。
仕事のためやむを得ず舞踏会に参加したのだが、彼はどうしても華やかな場が好きになれなかった。
先程から着飾った女達に色目を使われ、時折言い寄られて心の底から困り果てていた。
本来人と接することが苦手なシークにとって、華やかな場は疲労を溜め込み辟易するだけの場所だ。
女達に不快な思いをさせぬように、だがキッパリと断ることにもいい加減疲れてきていた。
いつもなら頃合を見て助けてくれる上司は先程女とどこかに消えた。発せられている気から当分帰る見込みはない。
人の熱気。喧しい音楽。執拗なまでに話しかけてくる女達。
―…勘弁してくれ。こういうのは本当に苦手なんだ。
暗殺者として、闇に生きる者として育てられたから、社交的な性格でないと自覚している。


「おや、シークじゃないか。 まだいたのかね?」
魔物の骨で作られた仮面に、白いローブを羽織ったタナトスの姿にシークの顔から血の気が失われていく。
別のことに気をとられていたとはいえ気づかずに、ここまで近づく事を許した自分を恥じた。
タナトスは瞳に何処か嗜虐の色を宿しながら、シークとの距離をつめる。
「どうしたのだね、シーク。いつもにも増して顔色が悪いねぇ」
「…何でもない」
顔色が優れないのは目の前にいる男から放たれる負の気…。凄まじい怨念と呪詛などのせいだ。日常生活では便利な能力もタナトスを前にすれば、たちまち弱点に変わる。
タナトスの纏う気がシークの身体を苛み、蝕んで衰弱させていく。
―これ以上ここにいては倒れかねない。
一刻も早くタナトスから離れるべく、タナトスを一瞥せずに身を翻す。
「おっと、もう行ってしまうのか? まだ私と一緒にいてくれてもよかろうに」
タナトスが一気に間合いをつめ、シークの腕を掴む。
触れられた事で負の気が直接流れ込んできた。
世界が歪む感覚と共に、全身から力がなくなる。激しい眩暈と耳鳴りに襲われて、膝をつく。
―公の場でこのような失態を晒すわけにはいかない!
早く立ち上がるべく身体を叱咤するが、倒れるのを防ぐだけで精一杯だった。
シークが力を振り絞って、タナトスの顔を見上げる。
その目には恍惚の色が宿り、口角を歪めて愉しげにシークの姿を見ていた。
おぞましさに全身が総毛立つ。
シークが満足に動けない中、タナトスが抱き支えるようにしてシークを立ち上がらせる。
いつまで経っても放さないばかりか腕に力を込めるタナトスに強い嫌悪を抱く。
「私が触れただけでそこまで衰弱するのかい? 血統者というのは不便だねぇ」
嘲りを含んだ声が酷く耳障りだった。
―早く離せ!
瞳に憎悪や嫌悪を込めてタナトスを睨む。
幼い頃から暗殺などの闇の世界に浸してきたシークの眼光は鋭く凍えるほどに冷たい。しかしタナトスはその眼差しを受けても眉一つ動かさない。
長き時を生きてきたタナトスにとってこの程度、子猫の威嚇と同じ他愛もないものだった。
シークの視線にタナトスがクツクツと喉を震わせる。
衰弱しているにも拘らず力強い眼光で睨むシークの姿に、全身に甘美な陶酔が巡る。


タナトスがシークの耳元に顔を近づけ囁く。会場内に鳴り響く音楽や人々のざわめきにかき消されるほど小さな声だったが、シークには全て聞こえていた。
シークが侮辱された怒りで顔を紅潮させ、力の入らない腕でタナトスに拳を振り上げる。
平時とは比べ物にならぬそれを容易に受け止め、シークの肩をやや力を込めて押す。
今の気力のみで辛うじて立っていたシークには耐えられずに、満足に体を動かせないまま尻餅をつく。
怒りと悔しさと憎悪と嫌悪を露わに睨むシークを嘲るように見下ろして、タナトスは何事もなかったかのように皇帝の側に戻る。
冷笑や嘲りの気が波打つように会場内に広がっていく。
とてもその場にいられずに、力のはいらない体に鞭打ち立ち上がると、ふらつきながらもタナトスや人々から逃れるようにその場から立ち去る。
耐え難い屈辱に目頭が熱くなったが、涙は出なかった。

絢爛豪華な建物からシークが逃げるように早歩きで出てくる。


皇帝の許しもえずに、逃げるように立ち去った事を悔む。あそこまで侮辱されたのに逃げ出したことは彼の矜持を傷つけていた。
嗤いが漏れる。
―幾ら強くなったと思っていても、何も変わってはいない。
拳を固く握り締める。


舞踏会が終わるまでどのように時間を潰そうかと考えながら、人気のない場所へと向かう。
暫く足を動かしていると会場から離れた庭園内の噴水に向かっている事に気づく。
昼間見たその噴水は、やや寂れていたから誰にもあうことなく一人で過ごせるだろう。
気を探る必要もないと考えて、歩みを速める。しかし闇の静寂の中でも彼の足音は響かなかった。
茂みの向こうに噴水が見えて、漸く休めると安堵するが、噴水を前にして思わず足をとめる。
そこには既に先客がいた。
橙色の髪に深紅の瞳を持つ美しい女性でえあり、同僚。
人見知りが激しいシークにとって心を許せる数少ない人間の一人。
彼女の姿を見て安堵して呼びかけようとするが、酷く思いつめたその横顔を見て言葉を失う。
悲壮感を漂わせ、彼女の気は暗く淀んで絶望と悲しみに満ちていた。
そのただならぬ様子に立ち尽くしてしまう。
意を決して彼女の名前を口にする。
「ファウナッハ」
彼の呼びかけにファウナッハが大きく肩を震わせ、周囲を見回す。彼の姿を見つけた時に幾分か驚いた面持ちを見せるが、すぐに平静を取り戻す。
「シーク。お願いだから気配を絶つのはやめて。何処にいるか分からないし、何より心臓に悪いわ」
「あぁ…すまない」
足音を消し気配を経つのは最早、無意識にまで染み込んだ習慣だ。彼女もその事を分かっているので、軽く言っただけだ。
ファウナッハが目を丸くした後、観察するようにシークを見る。
たったそれだけなのに鼓動が激しくなり、居心地の悪さを感じた。
「…何か用か?」
「いつもより男前じゃない。 普段の服よりもこちらの方が断然格好いいわよ」
いつも結わえている長い髪を解き、東方の服でなく貴族の装いをしていた。
何処か熱を帯びた視線に彼が僅かに顔を赤らめて、恥ずかしさの余り目を伏せて彼女から顔を逸らす。


「それにしてもあなたが仕事を抜け出すなんて初めてじゃない? 何かあったの?」
心配げに尋ねられてシークの眉が僅かに動く。
「……タナトスがいるから、私がいなくても問題ないだろう」
ファウナッハが目を丸くした後に窺うようシークを見る。その視線に耐え切れずに彼が目を伏せる。
彼女が肩を竦めて、彼の隣に歩み寄る。たった、それだけでも鼓動が高まっていく。
「………言いたくないのなら、無理に聞かないわ。 誰にでも話したくない事があるもの」
「ファウナッハ…」
何処かか陰りを帯びた横顔を見つめていると、先程の酷く思いつめた顔と重なる。
彼女の苦しむ姿を見たくない。出来る事なら仕事抜きでその原因を取り除きたいと考えていた。
幾ばくか緊張しつつ、なるべく表に出さないように言葉を紡ぐ。
「…私でよければ悩みを話してくれないか?」
シークが切り出した途端、ファウナッハの目が大きく見開かれる。
「………何故?」
「…同僚として、君の助けになりたいんだ」
―違う。
本当に言いたい言葉はそれではない。しかし自分でも測りかねている感情を言葉には出来なかった


「シーク。さっき言ったでしょう? 人間誰しも話したくない事、知られたくない事があるって」
「………」
「それを私にだけ話せというのは不公平よね?」
双方の視線が交錯し、絡み合って、言い知れぬ重い沈黙が周囲に流れる。
先に折れたのはシークだった。

「ねぇ、シーク。踊りましょう。 こんな素敵な曲が流れているのに、ただ聞いているだけなんて勿体無さ過ぎるわ」
その言葉に耳を澄ませば、風に乗って旋律が聞こえてきた。長年忍者として鍛えられた彼にとって、喧しくなく心地よいものだった。
―何故聞き取れたんだ?
彼が問いかける前に、彼女がウェーブが買った長い髪をかきあげ、耳を見せる。
「魔力で聴力を強化したのよ。 あなたほどではないけれど、常人よりは遥かによくなってるわ」
「そうか、それは凄いな」
「…本当にそう思ってる?」
「あぁ、勿論」


「たった二人きりで、月と星をライトに踊るなんて、ロマンチックじゃない?」
子供のように楽しそうに笑う。


「待ってくれ!私は踊りの事など何も…」
知らないんだと続けようとするが、ファウナッハは魅惑的な笑みを浮かべ、彼の唇に指を当てる。
「あなた忍者なのだから私のステップに合わせて踊れるでしょう?」
ウィンクをすると、彼の肩に手を回し、抱きつく形になる。途端にシークが顔を真っ赤にする。
「ファウナッハ!」
「抱きつかないと踊れないでしょう?」
「いや…それはわかっているのだが……その……」
顔を紅潮させ視線を逸らすその姿は、彼女が笑う。
年上の、精悍な顔立ちの青年だが、今の彼はまるで意中の女の子と一緒にいる男の子のようで可愛らしかった。

「凄いわ、シーク!もう殆ど完璧よ? やっぱり運動神経がいいと何でも出来るのね」
最初は危なっかしかったが、半時も経たないうちにスムーズに踊れるようにいなった。今では彼のリードで踊っているくらいだ。
シークが自慢げに笑う。


「ありがとう。楽しかったわ」
ファウナッハが太陽のように明るい笑顔を浮かべる。その笑みにシークが思わず見惚れた、一瞬の隙をつく形で彼女が彼の頬にキスをする。
予想だにしなかったその行動に、彼が顔を真っ赤にさせてうろたえる。思わず声を出そうとするが、その前にその前に彼女が彼の唇に人差し指を当てる。
「お礼だから、他意はないわ。」
一通り笑った後、彼の顔を覗き込む。
「それとも別の意味があった方が欲しかったかしら?」
魅惑的なその顔に、シークが顔を赤くしたまま勢いよく首を横に振る。


「シーク。やっぱりあなたって可愛いわ」
それだけ言い残すと、ファウナッハはその場を立ち去る。
後にはシークだけが残った。





言い訳
最後ら辺のシーンですが、あくまでも18と16のまだまだ若く、青春真っ盛りな年頃だから、こーゆやり取りもありかな?と思ったんです。
10年後にはこんな空気や、やり取りをすることはないけれど………でもまだ若い頃なんだから!という気持ちで。

実はこの話には裏への分岐点があって、裏ではこの話では分からずじまいだったファウナッハの悩みも明らかになります。
……まだ書けていませんが……。



加筆修正の際にオリジナル要素を強くしました。
スポンサーサイト


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ
総もくじ  3kaku_s_L.png ドラゴンボール
総もくじ  3kaku_s_L.png 火星物語
総もくじ  3kaku_s_L.png 聖剣伝説
もくじ  3kaku_s_L.png その他
もくじ  3kaku_s_L.png 未完
もくじ  3kaku_s_L.png 考察もどき
もくじ  3kaku_s_L.png 短文
もくじ  3kaku_s_L.png 裏部屋
  • 【ゾイド 小説 『料理は愛情』 RL】へ
  • 【カテゴリー名の変更】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【ゾイド 小説 『料理は愛情』 RL】へ
  • 【カテゴリー名の変更】へ