「ドラゴンボール」
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DB 小説 『電話の応対』1

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注意
悟天→トランクス→ベジータ前提です。
トランクスがベジータに対して変態というべき執着を見せてます。
オリジナル設定があります














オリジナル設定の説明
サイヤ人は約300年の寿命を持ち、150年は年老いる事がない。


















口笛を吹きながら堂々と部屋の中に入る。
自分の部屋とは広さも内装も大きく異なる部屋を見回して、部屋の主の匂いを嗅ぐ。
ここはC.C社長トランクスの部屋で、彼はその幼馴染。
物心着く前からこの部屋に出入していた悟天は一切気後れせず、躊躇いもなく棚の上に置かれていた贈答用の高級菓子に手を伸ばし、ベッドに腰掛ける。
ブルマの話ではトランクスが帰宅するまでまだ時間がある。
その間の退屈凌ぎを考えながらお菓子を食べる。
―トランクス君、甘いもの大嫌いなのにこんな物を用意するなんて駄目な取り引き相手だなぁ。
親友と取り引き相手に同情しながら、捨てられる運命だったお菓子をありがたく頂いていく。
お菓子を食べ終わった後に、立ち上がり周囲を見回す。
―さて、どうやって暇を潰そう?
大きな欠伸をしながら、部屋の中を散策する。
部屋の至る所にはベジータの写真が飾っており、トランクスのベジータへの執心がよくわかる。
数は多すぎだがここにる写真は家族写真や仕事風景など、誰に見られても十分言い訳できる写真のみだ。
けれど、物心ついてからこの部屋に通いつめている悟天は知っている。
トランクスの秘密の場所には、とても人様には見せられない写真の数々があり、それこそベジータに見られたら親馬鹿で身内贔屓の激しい王子様でもトランクスを見限る写真があることを。
トランクスの極度のファザコンを”それでこそトランクス”と思えるほど物心ついたときから慣れ親しみ、他の人間がドン引きする言動でも平然と接せられる自分でも、流石に引いた程の品々だ。それを潔癖なベジータに知られたら…。
―これをネタに脅せば、トランクス君を自由に出来るね。
だが悟天は一生その手段をとるつもりはない。
一時はいいだろう。しかしサイヤ人は数百年生きる種族だ。後々の事を考えれば嫌われるのは得策ではない。
少なくともトランクスの全てを知っているのはベジータでなく、自分だ。
その事実に満足していた。
欲張りすぎると身を滅ぼす。だから悟天はトランクスに対して彼の基準で慎ましく親友として振舞っている。
いつの間にかキングサイズのベッドに横たわり、枕に顔を突っ込んでいた悟天がそんな考えを巡らせている最中、扉が開く。
悟天が寝ながら扉を見やると、部屋の主が瞳に怒りを宿しながらうんざりとした面持ちで彼を見ていた。
「……悟天。何やってるんだ?」
「君を待ってたんだよ」
「何故俺の部屋にいるんだ?」
「客まで待つなんて余所余所しい間柄じゃないし、どのみちこの部屋に来るからね。 だから君より早く来て待ってたんだよ」
「で、俺の部屋に入り込んで菓子を食い荒らしていたのか?」
「君、甘いもの大っ嫌いだろ?どのみち捨てるんだから、代わりに俺が食べてあげたんだよ」
「………どうしてお前は俺のベッドで寝ているんだ?」
「この最高級ベッド、とっても寝心地がよくて病み付きになるんだ。 こんな高いのは流石に俺には買えないよ」
「……それで、お前は俺の枕に顔を突っ込んで臭いを嗅いでいたてことか。 このド変態!!」
やり取りを交わすうちに、次第に剣呑の色を増して、最後には悟天の頭を力一杯叩きながら怒鳴る。
「うわっ!酷い!! 人のことを言う前に自分の言動を省みれば!?」
「俺は父さんを深く激しく魂の底から愛しているからいいんだ!!」
堂々と力強く宣言する。
言っている内容があれでなければ、それは王者に相応しかった。
悟天がむくれたように頬を膨らませて、渋々と起き上がる。
「……わかったよ、俺が悪かった」
両手を上げて、降参の意を伝える。
トランクスが痛む額を押さえて、深々と溜息をつく。
―……こいつのおかしな言動はいつものことだ。だから、今更気にしたところで何も変わらない。
頭の中で何度も時分に言い聞かせるように繰り返す。
そのうちに怒りは鎮まっていった。
本来ならば罵倒の限りを尽くしても足りない言動でも許せるようになるとは……やはり慣れとは、本当に恐ろしい。

悟天が部屋に備え付けられている大型テレビを見やる。
「それにしても自室にTVがついているなんて、羨ましいなぁ…」
「家族みんなで同じ番組は見ないからな」
互いに趣味も趣向も異なるから見たい番組が重なるのは稀だ。
リビングにある一際大画面のTVは家族兼用で、個人の所有物ではない。そのTVも優先順位は家族内の力関係に固定されている。
見たい番組があれば自室で見るのが、C.Cの暗黙のルールだった。
「俺の家ってTVはあるけど一台だけだったし、俺はいつもチャンネル戦争で負けていたからなぁ」
それはよく知っている。
子供の頃散々愚痴として聞かされていたし、悟天見たい番組をトランクスが録画して、後から悟天が訪ねるのが日課だった。
バイトで稼いだ金を貯めて小型TVとDVDプレイヤーを買ったと報告してきたときには、心底嬉しそうだった。
「だから小型TVを買ったんだろ」
「そう! 高校生のバイトの金額なんて高が知れているから貯めるのに苦労したよ!!」
でも最近は大型テレビを買いたいけど、置く場所がないからなぁとぼやいた。
今ではサイヤ人の特性を生かして幾つも危険だが高額のバイトを掛け持ちして、多額の給料を稼いでいるようだが、その殆どは家に渡しているという。
今まで苦労し通しだった母親を少しでも楽にさせたいからだと、珍しく照れ臭そうに話していた。
―母親思いの、親孝行ないい息子なんだろうな……悟天は。
ただ、トランクスには行き過ぎた思いを抱いているだけで。



2011/9/13 小説へ移行
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