「ドラゴンボール」
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DB 小説 『舞台裏』

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注意
悟天が悟空を嫌っており、悟空に対して辛辣な物言いをします。
悟空が好きな方は絶対読まない事をお勧めします。
悟天→トランクス要素があります。
悟空がトランクスに対して失礼な発言をします。
トランクス→ベジータ、悟空→ベジータ要素が僅かにあります。













舞台は原作最終話です。







「よし、悟天。天下一武道会に向けて修行すんぞ!」
元気に明るく大声で言った悟空に、悟天が露骨に顔を顰めた。
「はぁ?何言ってんの。 その日は俺、デートがあるから行かないって言ったじゃん」
息子の反抗に悟空が笑いながら彼の背中を力強く叩きながら
「デートなんかいつうでも出来るじゃねぇか。 そんなものより、今回の武道会には凄く面白そうな奴が出てくるんだぜ?」
悟天が迷惑そうにその手を払いのけ、悟空を睨みつける。
「凄い奴だって? 宇宙人でもない限り、俺達より強い奴なんているもんか。
第一、天下一武道会なんて、殆ど身内だけの競技じゃん。そんなものよりも、俺にはデートの方が遥かに大事なんだよ!」
地球人は絶対自分達に勝てないから、最初からカウントしていない。
彼らにとっての対戦相手は身内だけだった。
「悟天。おめぇ、しょっちゅうデートしてんだろう? だったら、一回くらいすっぽかしても大丈夫じゃねぇのか?」
「今回はいつもの彼女とは違うの!!」
身勝手な悟空に悟天が抗議の声を荒げて、彼の襟首を掴む。
「学校のアイドルのフラワーちゃんとのデートにこぎつけるのに、俺がどれだけ苦労したのか分ってる? 他の子なら一週間未満でデート出来るのに、今回はに・か・げ・つもかかったんだよ!!その大変さがわかる!?」
悟天が激昂して怒鳴り散らし、その迫力に悟空が思わず身をのけぞらせる。
様々な伝手や人脈を駆使してアイドルと度々接触を重ねて、なんとかデートにこぎつけることが出来た。
努力と情熱の無駄遣いをしているとしか思えない悟天に、悟空が呆れきった眼差しを向ける。
癪に障る眼差しに悟天の面持ちが剣呑の色を更に増していった。
「大体、お母さんや兄ちゃんならともかく、父さんに指図されたくなんかないんだけど!
父親だってのに毎日働かずに修行ばっかり!!そんでもって三食を大量に食べるなんて、父親じゃなくて種馬以下のマダオだよ!」
あまりにも辛辣な物言いに、悟空が絶句する。
悟天に嫌われているとわかっていたが、まさかここまで嫌われているとは思わなかった。
「……ベジータだって、働いてねぇだろ」
「そうやって問題を摩り替えないで!」
ぴしゃりと言い放つ。
「それに、ベジータさんは働いているよ!」
ブルマは毎日働く=仕事と考えているから「働かない」と言っているが、ベジータはラボでの手伝いをしている。
まぁ、サイヤ人だから日常生活で修行がメインになっているが…。
宇宙の最先端の技術や知識を開発に用いているため、社員の中には一目置くどころかベジータに心酔していえる者もいる。
中途半端は絶対に許さず、一度関わったら最後までが彼のポリシーで、彼の関わった仕事は質の高いと評判のC.C社の中でも非常に高い完成度を誇ると有名になっている。
悟天の言葉に悟空は言い返せずに、ぐぅの音も出なかった。
よくチチからは同じ純血種なのにこの違いはなんだとか、働くことことについて少しは見習えと言われてる。
だが、悟空には悟空なりの言い分がある。
昔、一度働いてみたものの、自分より遥かに弱い”上司”という連中にペコペコする屈辱は耐えがたかった。仕事も窮屈極まりなく、2.3日で嫌気がさしてやめた。
ラディッツが現れてからは戦いの連続で、ブゥ戦後からは期待していないのか働けとしつこく言われなくなった。
幼い頃からフリーザの下で働いてきたことはベジータにとって屈辱だったが、それでも戦いを主軸にして、自分より強い者の下で働けたのは幸せなことではないか?と、時々思う。

「とにかく、俺は絶対に行かないからね!!」
悟空が黙り込んでいる隙に、悟天が力一杯、強気に言い放つ。
「トランクスも出場するんだぞ」
「トランクス君と組み手ならいつでも出来るもん!」
「…そっか。わかった」
あまりにも聞き分けのいい悟空に、悟天が訝しげに彼を見る。
どこか警戒の色が宿っているのは、悟空の思惑に気付いているのか、いないのか。
悟空が太陽の下が似合う満面の笑みを浮かべる。
「オラがトランクスを押し倒す間、おめぇは彼女相手に腰を動かしとけ」
何かが切れる音が、辺りに響いた。
何処から聞こえたのかと悟空が周囲を見回した直後、膨大な気と殺意を感じ取り、反射的に飛び退いた後、つい先程まで悟空のいた所に巨大な気弾が直撃した。
地面を大きく削り、周囲には土埃がもうもうと宙に舞い上がる。
―うっひゃあ!幾らオラでもこれが直撃していたら危なかったぞ!!
戦闘への高揚が身体の奥から沸き上がり、ドーパミンとアドレナリンが無尽蔵に放出されていく。
気弾を放った主を見る。
悟天は超化し、その体から激しいスパークの嵐が起きていた。
それは、セルと対峙した時の悟飯を思わせる姿。
悟天が冷酷な視線で悟空を見やる。
大魔王の弟という立場に相応しい、凄みのある笑いを向けた。
「俺のトランクスに手を出そうなんて、いい度胸じゃないか? ”お父さん”」
「おめぇ、彼女いるんだろ?
ひょっとして、ホモか? 道理でおめぇのトランクスへの執着は」
言い終える寸前に悟天の姿が消え、間髪入れずに悟天の鉄拳が炸裂した。
後ろに飛ばされた悟空に並ぶように飛び、鳩尾に一撃を食らわそうとするが、悟空がカウンターを食らわせる。
宙に投げ飛ばされるが、そこは舞空術で宙に浮かび地面に激突することはなかった。

悟天が体を震わせて、皮膚が食い込むほど拳を強く握り締める。
「俺は女の子好きのノーマルだよ。 でもね……トランクス君だけは特別だ! トランクスは、俺が唯一心の底から欲しいと思う存在なんだ!!
トランクスは、俺の聖域なんだぁっ!!」
一世一代の魂の篭った告白を聞くのが悟空だけというのも非常に虚しかったが、トランクスに知られれば嫌われてしまうのは確信できた。
トランクスは自分がベジータLOVEなのに、ホモとかゲイを嫌っている。それはまさしく憎悪といっても過言ではない。
理不尽だと思い、自分の姿をよく省みろと叫びたくなるが、自分と他人は別だと答えられるに決まっている。
悟空がキョトンと悟天を見上げる。
「じゃあ、さっさと奪えばいいんじゃねぇのか? ぐずぐずしてたら誰かにとられんぞ」
当たり前に思った事を口にした。
欲しいものならどんな手段でも手に入れろ。
サイヤ人式の考えが潜在意識に根付いている悟空としては、悟天がそこまで思い悩む理由がよくわからない。
悟天が肩を大きく跳ね上げ、少しの間を置いて鼻を鳴らす。
「……人の繊細な恋心を踏み躙るなんて……」
俯いたまま地に降り立ち、顔を上げる。
「許せない!!」
その形相は修羅の如く。
戦闘開始のゴングが高々に鳴らされた。

ボロボロに傷つき、最早身動きすら一つとれずにうつ伏せに倒れる悟天を、悟空が勝利者ならではの余裕に満ちた笑みで見下ろす。
「おめぇが出場しねぇのなら、オラがトランクスを押し倒すぞ。 あいつは雰囲気と色素以外はベジータそっくりだから、まぁ悪くねぇ」
ギロッ!と人を射殺せるほどの凄まじい眼差しを向ける悟天によく聞こえるようにしゃがんで耳元で囁く。
「悟天。トランクスか彼女。どっちが大切かをよーく考えて、選べよ」

後日の武道会の会場で、悟天が金魚の糞のようにトランクスの側から離れず、警戒心剥き出しで悟空を威嚇している姿が数多の人間に目撃された。




2011/9/13 小説へ移行
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