短文

『短文集』 4

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現在掲載しているジャンルと掲載数です。
聖剣伝説3  5
聖剣伝説2  3
DB  2
















『暗殺者に非ず』
身動きとれず、瞳に怒りを怯えを滲ませる男に、青年が近付いていく。それは、音から切り離された存在の如く、無音の動作だ。
「まあ、せっかくだからいいこと教えてやるよ。「悪銭身につかず」ってね」
青年が腰に手を当て、男を覗き込むように腰を曲げる。
鋭い眼差しで凄まれ、身動きが出来ず、声も出せないままの男は怯える。
必死に声を出そうとするが、空気が漏れるだけで、声は出なかった。
「あんた、随分と悪どい儲け方してたそうじゃないか。
恨み辛みの怨嗟の声が、砂漠の風に乗って俺達の元に届く程にな」
怒りと敵意を宿した瞳には、暗殺者のごとき凍える殺意が宿る。
ランプの明かりに反射された、青年の持つダガーの煌きが男の視界に入り込む。
その刃が自分の喉を切り裂く光景が鮮明に想像できた。
全身を震わせ、恐怖に顔を強張らせた男の考えを読み取ったのか、男が肩を竦める。
目元以外は布に覆われて、素顔を窺い知ることはできないが、青年の瞳が悪戯っぽい笑みの色を浮かべる。
「でも安心しな。俺達は誇り高いんだ。 滅多な事で人殺しはしないさ」
聖剣伝説3 ホークアイ (長編の1シーン) 2010/9/20


『圧勝』
ルガーがデュランに視線を向けて、鼻で笑う。
馬鹿にされた怒りで頭に血が上り、ルガーの胸倉に掴みかかろうと腕を伸ばす。しかしその瞬間、彼の手がデュランの手首を掴んだ。
手首を掴んだまま、ルガーは関節とは逆方向にデュランの手首を回す。
身体に無理な力をかけられた体は、手首を軸にして全体が捻られた方向に連動して、デュランの体は見事に回転し、大地に背を叩きつけられる。
それら一連の行動は刹那の出来事で、仰向けに倒されたデュランは何が起きたのか分からずに、痛みに顔を歪めるよりも、暫し目を丸くしていた。
ルガーが侮蔑の眼差しでデュランを見下ろす。
「雑魚が」
聖剣伝説3 デュラン+ルガー (長編の1シーン) 2010/9/20


『天使の微笑み』
「さーて、私達はもう行くから。あんた、朝までここで寝ていけば?」
「いいんでちか?」
世話になった初対面の相手に礼を返せないばかりか、更に宿代まで払わせるなんて。それをよしとするほど彼女は無神経でもなければ、図々しくない。
「だって、あんた頭を思いっきりぶつけてたんだからね。 そういう時は無闇に動かさない方がいいのよ。
いいこと! 記憶が戻るまで、ここにいてなさい」
シャルロットの鼻先に人差し指をつけ、幼子に言い聞かせる口調で話す。
幼子扱いにシャルロットが憮然とする。
いつものこととはいえ、子供扱いされるのはおもしろくない。それに、記憶喪失ではなく、今日一日の記憶が混濁しているだけなのだが…。
彼女がそんなことを思っている間に、アンジェラが立ち去り際にシャルロットの頬にキスをする。
突然の事に驚き、目を白黒させるシャルロットにアンジェラが楽しそうに笑う。
「デュランもケヴィンもあんたも、頬にキスだけで大袈裟ねぇ」
―文化が違うのだから当然です!!
シャルロットが言い返そうとするが、同性でも見惚れる微笑みを向けられて、言葉が出なくなった。
「せっかく宿代払ったんだし、ゆっくりしていってよ」
聖剣伝説3 シャルロット+アンジェラ (長編の1シーン) 2010/9/20


『わかりにくい愛し方』
『シャルロット。怒ってくれるってことは心配してくれている証拠だよ。 気にしていなかったら無視されている』
ケヴィンがいつもの習慣から母国語で話すが、シャルロットは眉を顰めるだけだった。
「……なに言ってるかわからないでち」
「…うー……シャルロット。心配するから怒る。 …大事じゃないと無視される」
慣れない共通語で話すものの、片言で訛りが強いので、正確に伝わっている自信がない。
不安に思いながらシャルロットの反応を待つ。
「…………ケヴィンしゃんは、親に無視されたことはあるんでちか?」
その言葉にケヴィンが目を丸くする。
思い起こせば、父親からは無視されたことは一度もなく、何かしらの反応を返してもらっていた。
他の獣人達は、彼の事を無視し蔑み、近付こうとするものは数少ない。皆が彼を見ずに、背後にいる獣人王と人間の母親だけを見ていた。
”ケヴィン”という人間を見ているのは、カールは勿論のこと、父親と姉代わりの女性の三人しかいない。
―……父さんは…獣人王はいつもオイラと向き合っていた。
一般的な親子とは違う形でも、ずっと向き合っていてくれた事は確かなのだ。
聖剣伝説3 ケヴィン+シャルロット (長編の1シーン) 2010/9/20


『人間を捨てた者達の話』
「……シーク…なんでメガゾーンなんか…。 あれはどう見ても……」
「言うな、ファウナッハ。 ………私の条件にあうのが、あれしかなかっただけだ」
「…消去法にしたって、あれは…」
「変身しなければ済む話だ! …お前だって蛇…」
「ラミアンナーガよ。 ……私だって別のがよかったけど、あれと契約した方が魔力が高まるのよ!」

「……ゲテモノ揃いが」
今だ”人間”のままの男が、”人間”を捨てた同僚に軽蔑の眼差しを向ける。
聖剣伝説2 シーク+ファウナッハ(+ゲシュタール) (外見より性能(能力)重視にしたリーダー様と紅一点) 2010/10/6


『血の制約』
此処に掲載しているオリジナル設定を使ってます。

”狩り”はいつものように何事の不備もなく成功した。
普段行使しない大量虐殺用の術を幾つも行使し、負の思念を浴びたため、体は弱り、気が暴走しかけていた。
血統者が表立って戦いの場に出てこないのは、負の思念と怨念に満ちた戦場は彼らにとっては毒にしかならないからだ。それゆえ彼らは間者や護衛、暗殺業を生業とする。
先程までは荒い呼吸を行っていたが、何度か深呼吸して呼吸を正す。顎から流れ落ちる冷や汗を、手の甲で拭う。
同僚の勝ち鬨の声が風に乗って、彼の耳に届く。その声に宿る思念は喜悦と歓喜が含まれている。
シークが静かに、それでいて大きく溜息を漏らす。
生まれ持ったものや特性や価値観の違いもあるが、シークは到底ゲシュタールのように心底楽しそうに戦場を駆け抜けることは出来ない。
その代わり、彼はいかなる戦いの場でも冷静を失わず、確実に任務を遂行するという、ゲシュタールには無理なことが出来る。

体調の悪さを一切感じさせないほど、凛と背筋を正して、毅然と立つその姿は”四天王”そのものだ。
聖剣伝説2 シーク (”人間狩り”後) 2010/10/11


『理由と脅迫』
「獣人王様。森にある女神像に心当たりがありますでしょう? その女神像の近くを人間の女の幽霊がうろついておりまして……」
その言葉に獣人王が僅かに反応する。今まで無反応だった獣人王のその様子に気をよくした死を食らう男が更に続ける。
「金色の髪をした若い女なのですが、よっぽどこの世に未練があるのか十数年経ていても成仏してませんでしたヨ。
金色の髪といえば、貴方様は緑の髪だというのにご子息は金色の髪…でございましょう? だから、もしかすると……と思ったわけですヨ」
獣人王が死を食らう男を睥睨する。
そこには王としての姿はなく、亡き妻を恋しく思う男の姿があった。
「貴様……。儂を脅すつもりか?」
「おや?脅すなどと滅相もございません!!
王なら、一人の人間の魂を犠牲にしてでも民を助けるものでしょう? ならば貴方様の答えは既に決まっているようなものではございませんか」
媚び諂いながらも、優位に立ち相手を見下す笑みを浮かべる。
聖剣伝説3 獣人王+死を食らう男 (長編の1シーン) 2010/10/11


『豹変』
ベジータが地面に激突する。
いつもならすぐさま起き上がり反撃するところだが、脳震盪を起こしてしまい、数秒という時間を逃してしまう。それがベジータの命取りだ。
僅かな隙をつく形で、悟空がベジータの上に馬乗りになり、抵抗できないように鳩尾に渾身の一撃を食らわせた。
呻き声を心地よい気持ちで聞き、彼の戦闘服を破ろうと手をかける。
鋭く激しい、人間を射殺せるような憎悪に満ちた視線を向けられ、悟空が愉悦の笑みを浮かべる。
整った顔立ち、サイヤ人にしては色白の肌。誇り高い最期の王子。
ベジータを構成する全てが悟空の心を打ち震わせていた。
「さぁ、ベジータ。 邪魔者はいねぇから…たっぷり、やりあおうぜ」
伝説の超サイヤ人が悪魔のような笑みを浮かべて、獲物に食らいつく。
DB カカロット→ベジータ (もしこの組み合わせで精神と時の間に入っていたら…) 2010/10/11


『おまけ』
注意
悟天→トランクス→ベジータ大前提の話です。
読む前に『悟天と二人のトランクス』を一読することをお勧めします。
悟天のキャラが壊れています。

「こいつに押し倒されてもいいってなら、いつでも来い」
「それは絶対嫌です。 もしそうなったら舌を噛んで死にます」
「……そんなに嫌なの? ねぇ、そんなに俺が嫌いなの!トランクス君!!」
「同性に押し倒されて喜ぶ変態が何処にいるんだ? え?」
「………………………」
「何だ、その目は?」
「……君って変態以前に、自分の事が全く見えてないんだね」

「…いいよ、嫌われたって! 君の心身を陥落させて、俺に服従させる方法なんて幾らでもあるもんね!!」
「……どうしてそんな事を知ってるんですか?」
「…っていうか、お前…いつもそんなことしてるのか?」
「………そういう問題ですか?」
DB 悟天+トランクス+未来トランクス (『悟天と二人のトランクス』の余話) 2010/10/28


『忠誠の向かう先』
瑠璃色の髪の男曰く
「私はヴァンドール帝国に仕えている。 それゆえ帝国に仇なす者は如何なる者であろうとも始末する」
橙色の髪の女曰く
「私はタナトス様に生涯の忠誠を誓っているわ。 あの方だけが私の主人よ」
翡翠の髪の男曰く
「仕えるものだと?そんなもの存在せぬ。 私自身が主人であり、それ以外の全ては私に仕えるべき存在だ」
緋色の髪の男曰く
「……仕えるもの、ねぇ…。 フフフ…私にそんなものが存在すると思っているのかい?」
聖剣伝説2 四天王 (それぞれの仕えるもの) 2010/10/28
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