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DB 小説 『変わらないあなた』 悟飯・ビーデル

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注意
オリジナル設定があります。













オリジナル設定の説明
サイヤ人は約三百年生き、150年かけて年老いる。














穏やかな昼下がりの時間。
燦々と火の光が降り注ぐリビングの中、一際大きなソファの上に悟飯とビーデルが仲睦まじく座っていた。
今の二人の楽しみは、こうして穏やかな時間を二人だけで過ごす事だ。
孫やひ孫が訪れた日は賑やかな活気に包まれるこの家も、二人きりの時は静かで和やかな空気に包まれていた。

質素な家具で統一されている部屋の中に、唯一華やかなものがあった。机の上に置かれたそれは先日訪れた孫が夫妻の記念日にくれた花瓶で、その時に貰った花が生けられている。
しかし今では華やかな空気を醸し出し、夫妻を楽しませたその花も盛りを過ぎて、枯れ落ちるのを待つばかりだった。
何気なくビーデルの視線がその花に向かう。
取替え時だと思うその花が、自分と重なってしまった。
悄然として彼女が悟飯の姿を見つめる。
その身に流れる血によって夫は若いまま時が止まっているように見えた。
「……悟飯……。あなたは何一つ変わらないわね」
「ビーデルだって変わってないよ」
悟飯が微笑むと、そっと愛しむように彼女の手を優しく包む。その手は若い頃とは大きく変わり果てていたが、自分と共に歩んできた愛しい妻の手だ。
「君は今でも美しい。 俺の心を捉えて放さない、唯一の女性だ」
悟飯の言葉にビーデルが苦笑する。その顔には寂しさが浮かび、瞳は翳っていた。
「いいえ。私はこんなにも年老いてしまったわ」
年月を積み重ねて皺だらけになった、満足に動かせぬ手で夫の頬を撫でる。その肌には皺一つなく、今でも若い張りを保っていた。
老女の手が若いままの夫の手を優しく包み込む。
「悟飯。変わっていないのは私でなく、あなたよ」
老女の身には、嘗ての容貌が見る影もなくなる程の長い時間が流れていた。
「私はもう90間近のお婆ちゃんなのよ、悟飯。 だから”美しく”ないわ」
祖母と孫ほど外見年齢に大きな隔たりが出来てしまった夫を見つめる。
「…だから……もう、若くないの」
ビーデルの視線が朽ちかけている花へと向かう。
枯れかけたあの花は、近いうちに捨てられる運命だ。
長い時を生き続ける悟飯の一生を独占しようとは思わない。いつか彼も私と出会ったように、理解者と出会って結婚するだろう。
捨てられることはなくても、押し花として彼の記憶に留められる。
死ぬまで覚えていて欲しいという気持ちと、忘れて新しい人生を送って欲しいという気持ちが交錯する。
どちらも彼女の偽らざる本音だ。
でも、悟飯がこれからの人生、幸せに暮せることを祈る気持ちの方が遥かに強い。

悟飯が皺だらけのビーデルの手に優しくキスをする。
顔を上げ、年甲斐もなく顔を赤らめてしまったビーデルの瞳を真摯に見つめる。
「……どんなに姿が変わってしまっても、あなたは俺の生涯愛する美しい妻ですよ」

――その言葉が、嬉しくて、悲しくて、愛しくて、憎らしかった――
End


言い訳
寿命と老化速度の違いから起きる悲しみの話です。
150歳までは老いることなく若いままの悟飯と、年相応に老いていくビーデルです。
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