「ドラゴンボール」
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DB 小説 『孫家のある日』

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注意
下品なネタがあります。
悟チチです。



舞台設定
ブゥ戦後から数ヵ月後。





















大食漢のサイヤ人の食費を少しでも減らすために始められた家庭菜園は十数年という長い年月をかけて、様々な野菜が大量に植えられ、”家庭菜園”と呼ぶに相応しくない規模にまで広がっていた。
近所では「孫さんの家庭菜園」として有名な家庭菜園には、父子が仲良く野菜の収穫に勤しんでいた。
次男は今まで死んでいた父親と共に暮らせるようになってから、まるで雛のように悟空の側を離れようとせずに、彼の回りに必ず付き回ってる姿をよく見かける。
悟天が収穫した野菜を手に、チチや悟飯から教わった野菜の知識を得意げに話す。それに悟空が感心して褒めると、悟天が照れくさそうに笑う。
同じ顔の親子の、ほのぼのとした触れ合い。
数ヶ月前までは考えもしなかった幸せな光景に、チチの胸に熱いものがこみ上げて、胸の奥が幸せで暖かくなる。
今はこの幸せな風景をずっと見ていたいが、食事の準備もある。あまり時間を無駄には出来ない。
―大丈夫だ。 悟空さは生きているのだから、これから何度でも見られるだ。
何度も言い聞かせて、声を大きく張り上げる。
「悟空さー!悟天ちゃんー! そろそろお昼だべー!!」
「はーい!!」
悟天が溌剌とした元気な声で大きく返事をして、悟空が了承の合図に手を大きく振るう。それにチチが笑い返す。
彼らが多量の野菜の入った籠を背負ったのを見届けて、食事の準備のために家の中に入る。

台所は戦場であり、主婦の聖域。
多量の料理が鮮やかな手際で作られていく孫家の台所は、そう呼ぶに相応しい。
チチの本音としては息子達にも手伝ってほしいのだが、悟飯は何故か料理の腕は壊滅的だし、悟天はまだ幼すぎる。
長男のあまりの壊滅的な腕を見兼ねて幾度も丁寧に教えた。だが頭脳明晰で何でも器用にこなせる悟飯でも、全く上達することなく食べる人々にトラウマを植えつけるものしか出来なかった。
本人はこのままでは駄目だと日夜練習していたが、その度に料理の生贄に選ばれる孫家とC.C家と亀ハウス。神殿が一丸となってこれ以上の犠牲を防ぐために悟飯を料理から遠ざけることに成功した。
息子の最大の欠点を思い出して、チチが深々と溜息を漏らす。
嫁確定のビーデルの強い希望もあり、彼女に料理を教えているのだが、ビーデルは失敗を繰り返していた。
プロ級以上の料理の腕を持つチチに対してビーデルは強い劣等感を抱いているが、チチとて初めからこうではなかった。嫁入り修行で料理を習い始めた当初は数多くの失敗をしたものだ。
悟空と結婚してから彼の無尽蔵ともいえる食欲に合わせるために、手際よく美味しい料理を大量に作るために研究と修練を積み重ねて今の領域に達したのだ。
こればかりは一朝一夕で出来るものではないから、一緒に頑張ろうとビーデルを励まし、彼女の料理に纏わる悩みを聞いていた。

先程採ったばかりの野菜を全て洗い終わり、今日の夕食に使う分以外は巨大冷蔵庫の中にしまう。
それでも夕食に使う野菜は、大き目の籠の中に山のように積み重なっていた。
チチが籠の中から、一際大きな大根を手に取る。
悟空がとったのだと悟天が胸を張りながら言ったその大根は並の大根より大きく、立派なものだった。
それを見ているとあるものを思い出して、チチが顔を赤くして過ぎったものを振り払うように首を振る。
大根をまな板の上に載せて、流れるような動作で包丁を振り上げる。
「お母さん」
包丁を振り落とそうとしたとき、次男の声が聞こえて、手を止めて振り返る。
「悟天ちゃん、どうしただ?」
孫家には料理中は台所に入ってはならないという暗黙のルールがある。
新婚時代に悟空に手伝われて大変な目に遭って以来出来た鉄の法則なのだが、それは今でも守られ続けている。だから料理中に台所に入ってくるなど、よっぽどの事以外はないのだ。
「お父さんって大根なの?」
「え?」
突拍子のない言葉ににチチが目を丸くする。すると悟天がまな板の上に置かれている大根を指差す。
「お父さんあの大根を抱えて「これはオラ」だっていったんだけど…。 お父さんは大根じゃないよね?」
何処か不安そうな色を宿した目でチチに尋ねる。
せっかく生き返った父親。その父親がいなくなるかもしれないと考えただけで、不安と悲しみがこみあげる。
母親に違うと否定して欲しくて、暗黙のルールを破り台所の中に入り込んだ。
だが悟天の言葉はチチの耳には届いていなかった。
息子の口からは聞かされた夫の破廉恥発言に、一瞬クラッと意識が遠のきかけた。
しかし…
―子供になんて事を…!!
母としての強い憤りが失神しようとするチチの意識を叩き起こし、悟空への怒りへと駆り立てる。
突如として纏う空気が変わったチチに、悟天が怯えて後ずさる。
チチが深く、深く…息を吸い込む。
直後に起きる事を瞬時に察した悟天が、素早く耳を強く押さえる。
「悟空さぁーーー!!!!」
周囲一帯を揺るがすほどの大音量が響き渡る。
パオズ山の鳥達が一斉に飛び立ち、動物達が慌てて逃げ出していく。
少しの時間を置いて、耳を押さえながら苦しそうに悟空が台所に入って倒れこんだ。
優れた聴覚を持つサイヤ人にとって、先程の怒声は半ば昏倒させる程の痛手を与えていた。
悟空がやや朦朧とした視界で、チチを見上げる。
妻は腕を組み、憤然と悟空を見下ろしていた。
その立ち姿だけでも宇宙最強の男を圧倒し、威圧させた。
だが、悟空は妻の怒りを一身に浴びても媚びるような真似はしない。
「なんだ、チチ?」
暢気な声音にチチの怒りが一気に加熱する。
彼女がすぐ側にあったフライパンを素早く手に取ると、渾身の力を込めて悟空の顔面めがけて投げ飛ばす。
無防備な中の攻撃をよけることもできずに、フライパンという名の凶器は顔面に直撃した。
ひしゃげたフライパンを尻目に、悟空が痛そうに顔面を押さえる。
「悟空さ!!子供になんて破廉恥な事を言ってるだ!!」
「破廉恥?」
悟空の言葉にチチの頬が紅潮するが、それは怒りによるものではなかった。
「あんな大根を…「オラ」だなんて!! おめぇさはあんだけしたのに、まだ足りねぇのか!?
これ以上悟天ちゃんに変な事を教えるんじゃねぇぞ!! 悟天ちゃんは悟空さと違って修行中にいかがわしい真似をする…そんな大人には絶対にさせねぇからな!!」
一気に捲くし立てたチチの剣幕に、悟空がきょとんと目を丸くしする。
「チチ…おめぇ。誤解してんぞ」
「この期に及んでまだ言い逃れるつもりだべか?」
「言い逃れも何も、オラは大根を「これはオラんだ」といったんだ」
チチの目を見つめて、一字一句はっきりという。
悟空の答えに、彼女の全身から力が抜けていく。
「……え……?」
チチが唖然とした目のまま悟天を見る。
「違うよ!! お父さんはちゃんと「これはオラだ」と言ったもん! 僕ちゃんと覚えているんだからね!!」
悟天は頬を膨らませて抗議する。
「うーん………おめぇの聞き違い……じゃなくて、オラの言い間違いのような…。 まっ、そんなこと今はどうでもいいか」
悟空がニヤニヤ笑いながら、獲物を追い詰めるようにチチに近づいていく。
「で、チチ? おめぇ、どんな誤解をしてたんだ? オラに教えてくれよ」
あからさまに確信犯な物言いに、彼女の意識は怒る事よりも、恥ずかしさから逃れるために失神する事を選んだ。



言い訳
チチは多分…新婚時代に悟空と一緒に手合せをしている時とかに、セクハラを受けていたんでしょう。

2011/5/24 小説へ移行
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