短文

『短文集』 6

 ←聖剣伝説2 小説 『安楽死』 →DB パラレル 未完 『螺旋』3-5
現在掲載しているジャンルと掲載数です。
火星物語 6
サガフロンティア 1
聖剣伝説2 1
DB 1
聖剣伝説3 1















『窓の月』
何故、この男の髪は銀色なのだろう?
何故、この男の瞳は真紅でないのだろう?
何故、この男には顔に傷がないのだろう?
―……どうして、僕の体を蹂躙しているのは、長年連れ添った最愛の相棒でなく、最も憎んでいる仇なのだろう?
――サスケ――
彼が、自分を庇い力尽きたその光景が、鮮明に蘇る。
――生きろ、クエス……! おめぇだけは…
サスケの最期の言葉だけが、彼女を生かす理由。
その言葉がなければ、薬で風使いとして能力が奪われる前に…リュートに蹂躙される前に自ら命を絶っていた。
たった一度、あの研究室でサスケと思いを通じ合えたことが救いであり、彼女を深く苦しめていた。
枯れ果てていた筈の涙が、こみ上げてくる。彼女自身気づかぬ内に一筋の涙を流す。
リュートの目が細くなり、クエスの頬を殴る。
頬が腫れ上がり、口から血を流すが、クエスは気丈に睨み返す。
「クエス。 …何を考えておる?」
リュートが瞳の中に激しい炎を滾らせながら、問う。
それが何の感情か、彼には分からなかった。
火星物語 サスクエ前提のリュート→クエス (裏予告。23話で、もしもクエス達が負けていたら…) 2011/2/10


『訓練』
宵闇の覇者の部屋からは、時々半妖の少女の泣き声が漏れ聞こえる。
それは少女を一人前の妖魔にさせるための「訓練」の一環として行われているものだという。
当初は戦闘訓練に重点を置かれていたが、今ではこちらの訓練の割合が増えてきていた。
―訓練というより、むしろ…
――寵を受けている――
そんな言葉が過ぎるが、すぐさま愚かな考えを振り払う。
尊い上級妖魔の方が、半妖の少女に思いを寄せるなどありえない。

一際高い少女の声が響くと辺りは静寂に包まれる。
頃合を見計らってミルファークが、宵闇の覇者の部屋に入ってゆく。
部屋に広がっていたのは、いつもとは異なる光景。
宵闇の覇者は瞳に自嘲の色を宿し、気を失っている半妖の少女の髪を、躊躇うように優しく撫でていた。
サガフロンティア イルドゥン→アセルス (裏予告。ミルファーク視点) 2011/2/10


『ロマン』
「これは、男の浪漫だ!!」
「ポチ!!」
ポチが声高々に力説するが、アンサーは軽蔑に満ちた眼差しを向け、反省の色のない彼を叱責する。
その間、フォボスは怒り狂う女湯の客達にひたすら謝っていた。
火星物語 ポチ+α (カンガリアンの風呂にて) 2011/2/26


『行事』
「クリスマスって何?」
未知ものへの好奇心に満ちた眼差しで、未来から来た少年を見つめる。
アンサーの疑問に、フォボスは軽く眉間に皺を寄せて考える。
知っていて当たり前なことほど、知らない相手に説明するのが難しかった。
火星物語 アンサー+フォボス (数百年の間に宗教も変わっているだろうから) 2011/2/26


『嘘』
「今日はな…歴史が変わる日なんだ」
「運命は自分の手で変えるんだ」
それは少年の事を思ってついた嘘。
自分達が”歴史”になぞらえるつもりだということは、今は知らなくていい真実。
もし無理に歴史を変えようとすれば、未来にどんな影響が出るかわからない。だから歴史の通りに行動する。
二人の本当の思いを知らないフォボスは純粋に喜び、暗く染まっていた瞳に強い光が宿る。
火星物語 クエス+サスケ+フォボス (23話の冒頭にて) 2011/2/26 


『本』
戦争の悲惨さ。犠牲者達の断末魔と慟哭。残された者の嘆き。血の臭い漂う戦場。
本当に書き残さないといけなかったものは、何も書かれていない。
嘘偽りに満ちた歴史書を、ゴミ箱に捨てる。
火星物語 フォボス (伝える事を伝えていない歴史への、当事者としての思い)2011/2/26


『人ならざるもの』
初めて”悪魔の四天王”達を見た時のあの衝撃は忘れられない。全身の皮膚が粟立った。
瑠璃の総司令官、紅玉の魔術師、翡翠の将軍。
それぞれが帝国の宝石と呼ばれるに相応しい程の…タイプは異なれど、彼らは誰もが振り返るほどの美貌を備えていた。
彼らは、まるで熟練の職人が細心の注意を払って作り上げた芸術品のように神々しく、まるでこの世の者でないようだった。

ヒトと言いがたいほどの美貌を持つ者も”人外”というのならば、彼らはヒトではない。
悪魔の申し子であり、神の寵愛も受けた存在だ。
聖剣伝説2 タナトスを除く四天王 (第三者から見た彼ら) 2011/3/1


『走馬灯』
ラディッツの脳裏に、子供の頃の幸せな光景が走馬灯として甦る。
―あぁ…そうか……。俺が本当に欲しかったのは、これだったのか……。 随分、遠回りしちまったなぁ……。
家族団欒を夢見ていた。大好きな父親と義母、そして弟と共に暮す。そんなありふれた光景を。
叶えられなかったその願いは、人生の歯車を狂わせて、家族に巨大な亀裂をと深い溝を与えた。
意識が闇に閉ざされかけたとき、一枚の幸せな光景が浮かび上がる。それは父と義母と彼と弟が笑い合っている光景だった。
視界がどんどん暗くなり、先程まで感じていた強烈な熱も痛みも、何も感じなくなった…。

その死に顔は”サディストラディッツ”と恐れられていた人物とは思えぬ、とても幸せそうな顔だった。
DB 『IF』 ラディッツ (本当に欲しかったもの) 2011/3/1


『破られた手紙』
注意 裏部屋に記載しているシリーズです。

青年が握り締めているものは、大切な宝物。しかしそれを見つめる眼差しには懐かしむ色はない。あるのはただ――
乾いた昏い笑みを零す。
クエスとサスケ。
戦乱の時代を生きた友達。フォボスに戦い方を教えた恩人達。
未来を、人間を信じて命を捨てた。大切だった…優しい愚かな二人。
あの戦争を前にして、何故人間を信じられた?未来が希望に満ちた明るいものだと、何故無条件に信じられた?
「…簡単なことだろうな。 でも、今の俺にはわからないよ」
ただ信じることしか出来なかった、無力な子供だった頃の彼にはその答えがわかっていた。
でも、今はわからない。あんな下らないものに、風使いである二人が命を捨てた理由が…。
当時と今の落差に、笑いが零れる。
狂ったのは自分の意思だが、そうさせたのは彼が下らないと蔑む――人間達だ。
「今の俺を見たら君達は裏切られたと嘆いて、世界のために俺を殺そうとするのかな?」
―君達やセイラになら、殺されても構わない。
湧き上がった思いに失笑すると、口元を歪め、目に冷たい光を宿す。
彼らの遺言を、躊躇いなく破り捨てる。
火星物語 『暗黒面』(裏部屋) フォボス (裏予告。黒の風に浸食されたフォボス) 2011/3/25

『騒動未遂』
「…くそーっ、イザベラめ! よくも…!!
この様子じゃ全員、イザベラの術にかかっているかもしれん…」
ホークアイが忌々しげに呟いた直後、殺気と共に煌く槍の穂先が見える。
反射的にダガーで、槍を弾き、軌道を逸らせる。
金属音の甲高い音を立て、穂先が兵士の足元に突き刺さった。
命に危機に晒されても、兵は反応を示さず壊れた機械人形のように同じ事を繰り返し繰り返し呟いていた。
リースが素早く槍を引き抜こうとしたが、寸前にホークアイが槍を奪い取る。
「やめるんだ、リース! 今騒ぎを起こしてはまずい!」
リースが激しい怒りと憎しみを湛えた瞳でホークアイを睨む。
「どうして止めるんですか!?」
聖剣伝説3 ホークアイ+リース (長編の1シーン) 2011/4/18
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