「火星物語」
火星物語補完話

火星物語 小説 『補完話』 1-1

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一陣の風が吹く。
風は優しく大地を駆け抜け、一人の男を包み込む。風を纏った男は大人びた空気を醸し出しているが、まだ少年の域を脱していない。
白を基調とした服を見に纏い、腰に銃と剣を下げている。
細身ながらしなやかに鍛え抜かれた体躯は、戦いに特化した戦士の体。
背中まで伸ばした髪を結び、力強く覇気に満ちた瞳を持つ、端整な顔立ちの少年。
少年が目を閉じ、風と語らう。
風の声を聞き、風と語る。それができるのはもう彼しかいない。
風との語り合いが終わると、風が霧散して少年の体を通り抜けていく。
少年が、空高く見上げる。

少年の名はフォボス。この世で最後の風使いだ。

争いのない、平和な世界を築くためブラパン党員として働いているが、その実現には遠く及ばない。
風使いとしての力を振るうたびに、周りの目に怯えの色が宿っていく。畏怖もなく接してくれるのは、恋人と相棒。そして子供の頃からの付き合いであるブラパン党の幹部だけだ。
陰鬱な考えを振り払い、目の前のモミの木を見上げる。
それは三年前に亡くなった親友の墓であり、親友の魂が宿っている大切な木。
フォボスが木の幹に触れ、そっと頬を当てて、目を閉じる。
優しい風が心の中に吹き、幼い頃の記憶が蘇っていく。最近は程遠い存在だった”平穏”に、心が満たされる。
日向ぼっこをしているように心地よく、暖かい気分になり、うとうとと眠った。

夢を見ていた。
どんな夢か覚えていないけれど、思い出さないといけない。そんな焦りを覚えた。
――命の風を吹かせるのだ!!
何処か切羽詰ったその声だけは、鮮明に覚えていた。

フォボスが木の幹に背を預け、深く眠っている。
最近では寝ている間にも神経を張り詰めている生活をしている彼が、無防備に眠りに着くことはとても珍しかった。
間近に人の気配を感じて、彼の意識が急速に覚醒する。
気配の主は、彼のよく知る人物。
フォボスが顔を上げて、目の前にいる人物に微笑む。
深緑の髪と琥珀の瞳を持つ、可愛い顔立ちの少女。
彼女はフォボスのよき理解者であり、恋人のセイラだ。



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