「聖剣伝説」
聖剣伝説3(HOM)

聖剣伝説3 小説 『短文集』

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短文集に掲載している「聖剣伝説3」の話が10個以上になりましたので、その分纏めてこちらに掲載します。
尚、此処に記載する話は『短文集』にあるものを一部修正したものです。



参照
『短文集』2~6








内容の系統
長編の1シーン 8





短文集2

『純粋無知』
「ケヴィンさん、何か欲しいものはありますか?」
「う~ん…そうだなぁ……赤ちゃんが欲しい」
「…え?」
「男女が仲良く暮らしていたら自然と出来るって聞いたけど、中々出来ないから。 父さんも早く孫の顔を見せろって煩いし、そろそろ子供が欲しいなって思っているんだ」
「……………」
「シャル?…顔を赤くして、どうした?」
「…ただ男女が仲良く暮らすだけでは、赤ん坊は出来ませんっ!」
「じゃあ、どうやって作るんだ?」
「…………わかりました。妻である以上、私も覚悟を決めます。 ケヴィンさん。大人しく私の言うとおりにしてください」
「?わかった。………シャルロット!?ちょっと、待って!何やって……」
聖剣伝説3 シャルロット・ケヴィン (10年後の誕生日の夫婦でのやりとり)


短文集3

『一触触発』
ライザが突き刺さるような鋭い眼差しでホークアイを睨む。その瞳には激しい殺意が渦巻き、強靭な理性が辛うじて暴挙を防いでいた。
「……あなたはナバールの人間ですね?」
ライザの詰問に、リースがホークアイを庇うように言葉を紡ぐ。
「ホークアイさんはナバールの人間ですが……私の大切な仲間です!」
リースが毅然と答え、真摯な眼差しでライザを見据える。
二人の視線が激しく交錯し、一触触発な空気が双方の間に流れる。
ライザが彼女の視線に根負けして、静かに大きく息を吐く。
それは主の強い意志に負けた、降参の証。
「…………わかりました。 リース様がそう仰るのなら………」
聖剣伝説3 リース+ライザ (長編の1シーン。パロにて)


短文集4

『暗殺者に非ず』
身動きをとれず、瞳に怒りと怯えを滲ませる壮年の男に、青年が近付いていく。それは音から切り離された存在の如く、無音の動作。
「まあ、せっかくだからいいこと教えてやるよ。「悪銭身につかず」ってね」
青年が腰に手を当て、男を覗き込むように腰を曲げる。
鋭い眼差しで凄まれ、声も出せないままの男は怯える。
必死に声を出そうとするが、空気が漏れるだけで、音は出なかった。
「あんた、随分とあくどい儲け方をしてたそうじゃないか。
怨み辛みの怨嗟の声が、砂漠の風に乗って俺達の元に届くほどにな」
ランプの明かりに反射された、青年の持つダガーの煌きが男の視界に入り込む。
その刃が自分の喉を切り裂く光景が鮮明に想像できた。
全身を震わせ、恐怖に顔を強張らせた男の考えを読み取ったのか、男が肩を竦める。
目元以外は布に覆われ、素顔を伺いする事は出来ないが、青年の瞳が悪戯っぽい笑みの色を浮かべる。
「でも安心しな。俺達は誇り高いんだ。 滅多なことで人殺しはしないさ」
聖剣伝説3 ホークアイ (長編の1シーン。サルタンにて)

『圧勝』
ルガーがデュランに視線を向けて、鼻で笑う。
馬鹿にされた怒りで頭に血が上り、ルガーの胸倉に掴みかかろうと腕を伸ばす。しかしその瞬間、彼の手がデュランの手首を掴んだ。
手首を掴んだまま、関節とは逆方向にデュランの手首を回す。
身体に無理な力をかけられた体は、手首を軸にして全体が捻られた方向に連動して、デュランの体は見事に回転し、大地に背を叩きつけられる。
それら一連の行動は刹那の出来事で、仰向けに倒れたデュランは何が起きたのかわからずに、痛みに顔を顰めるよりも、暫く目を丸くしていた。
ルガーが侮蔑の眼差しでデュランを見下ろす。
「雑魚が」
聖剣伝説3 デュラン+ルガー (長編の1シーン。ジャドにて)

『天使の微笑み』
「さーて、私達はもう行くから。あんた、朝までここで寝ていけば?」
「いいんでちか?」
世話になった初対面の相手に礼を返せないばかりか、更に宿代まで払わせる。それをよしとするほどシャルロットは無神経でなければ、図々しくない。
「だって、あんた頭を思いっきりぶつけてたんだからね。 そういう時は無闇に動かさない方がいいのよ。
いいこと! 記憶が戻るまで、ここにいなさい」
少女の鼻先に人差し指をつけ、幼子に言い聞かせる口調で話す。
子供扱いにシャルロットが憮然とする。
いつものこととはいえ、子供扱いされるのはおもしろくない。それに、記憶喪失ではなく、今日一日の記憶が混濁しているだけなのだが…。
そんな事を思っている間に、アンジェラが立ち去り際にシャルロットの頬にキスをする。
突然のことに、目を白黒させる少女にアンジェラが楽しそうに笑う。
「頬にキスだけで大袈裟ね」
―文化が違うのだから当然です!!
思わず言い返そうと口を開きかけるが、同性でも見惚れる微笑を向けられて、言葉が出なくなった。
「せっかく宿代払ったんだし、ゆっくりしていってよ」
聖剣伝説3 シャルロット+アンジェラ (長編の1シーン。アストリアにて)

『わかりにくい愛し方』
『シャルロット。怒ってくれるってことは心配してくれる証拠だよ。 気にしてなかったら無視されている』
ケヴィンがいつもの習慣から母国語を話すが、シャルロットは眉を顰めるだけだった。
「……なに言ってるかわからないでち」
「…うー……シャルロット。心配するから怒る。 …大事じゃないと無視される」
慣れない共通語で話すものの、片言で訛りが強いので正確に伝わっている自信はない。
不安に思いながらシャルロットの反応を待つ。
「…………ケヴィンしゃんは、親に無視されたことはあるんでちか?」
その言葉に彼が目を丸くする。
思い起こせば父親に無視された事は一度もなく、何かしらの反応を返してもらっていた。
他の獣人達は彼を無視して蔑み、近付こうとする者は数少ない。皆彼の背後にいる獣人王と人間の母親だけを見ていた。
”ケヴィン”という人間を見ていたのはカールと父親と姉代わりの女性の三人しかいない。
―……父さんは…獣人王はいつもオイラと向き合っていた。
一般的な親子とは違う形でも、ずっと向き合ってくれたのは確かだ。
聖剣伝説3 ケヴィン+シャルロット (長編の1シーン。ウェンデルにて)

『理由と脅迫』
「獣人王様。森にある女神像に心当たりがありますでしょう? その女神像の近くに人間の女の幽霊がうろついておりまして……」
その言葉に獣人王が僅かに反応する。今まで反応のなかった彼の様子に、気をよくした死を食らう男が愉しげに更に続ける。
「金色の髪をした若い女なのですが、よっぽどこの世に未練があるのか十数年経ていても成仏してませんでしたヨ。
金髪といえば、貴方様は緑の髪だというのにご子息は金髪…でございましょう? だから、もしかすると……と思ったわけですヨ」
獣人王が目の前の道化師を睥睨する。
「貴様……。儂を脅すつもりか?」
「おや?脅すなどと滅相もございません!!
王なら、一人の人間の魂を犠牲にしてでも、民を助けるものでしょう? ならば貴方様の答えは既に決まっているじゃありませんカ!」
媚び諂いながらも、優位に立ち相手を見下す笑みを浮かべる。
聖剣伝説 獣人王+死を食らう男 (長編の1シーン。ビーストキングダムにて)


短文集5

『詐欺? 誘導?』
「おい、フェアリー。答えてくれ! もしかしてお前らと一緒に行けば、俺の願いも叶うのか?」
掴みかかる勢いで詰め寄るデュランに、フェアリーが力強く頷く。
「勿論よ!世界最強の戦士になれるかも?」
「かも? おい、かもって…」
どういうことだ!?と詰め寄ろうとしたデュランに、フェアリーが天使と呼ぶに相応しい笑みを浮かべる。
「それはあなたの素質と努力次第だわ。 でもマナの女神様に会えば…紅蓮の魔導師を必ず倒せる力を得られるわよ
「それは本当かっ!? よっしゃあ!!俺も一緒に行くぜ!!」
デュランが勢いよく宣言すると、フェアリーが顔を綻ばせる。
「えぇ、一緒に行きましょう」
彼女の黒い笑みに気付いた仲間達が同情と呆れの入り混じった面持ちになる。アンジェラがデュランを指差しながら仲間を見る。
「……ねぇ、あれって……」
――いいように騙されてるんじゃないの?
そんな意図の含まれた視線にホークアイが肩を竦める。その顔には呆れの色が色濃く浮かんでいた。
「……まぁ、本人が自分で選んだことだから、俺達がとやかく言うことはないさ」
聖剣伝説3 デュラン+フェアリー+α (デュラン仲間入り)

『逃亡生活』
「ふぇふぇふぇ!王女を捕らえて、賞金をとるのはこの儂じゃ!! なんせ、わしゃ王女を見たことがあるからのう!」
聞こえてきた言葉にアンジェラの体が強張り、顔が見えぬようにフードを深々と被り直して、老人を窺う。
―もし気付かれたらどうしよう……。
不安で激しく心臓が脈打ち、まるで自分の体でないようだった。
アンジェラが瞳に怯えの色を滲ませながら老人を見つめていると、老人が声を高々に上げる。
「確か悪戯好きなちっちゃい女の子だったはずじゃ!」
その言葉と共に、アンジェラが緊張から解き放たれて大きく息を漏らす。
聖剣伝説3 アンジェラ (長編の1シーン。エルランドにて)


短文集6

『騒動未遂』
「…くそーっ、イザベラめ! よくも…!!
この様子じゃ全員、イザベラの術にかかっているかもしれん…」
ホークアイが忌々しげに呟いた直後、殺気と共に煌く槍の穂先が見える。
反射的にダガーで、槍を弾き、軌道を逸らせる。
金属音の甲高い音を立て、穂先が兵士の足元に突き刺さった。
命に危機に晒されても、兵は反応を示さず壊れた機械人形のように同じ事を繰り返し繰り返し呟いていた。
リースが素早く槍を引き抜こうとしたが、寸前にホークアイが槍を奪い取る。
「やめるんだ、リース! 今騒ぎを起こしてはまずい!」
リースが激しい怒りと憎しみを湛えた瞳でホークアイを睨む。
「どうして止めるんですか!?」
聖剣伝説3 ホークアイ+リース (長編の1シーン。パロにて)
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