短文

『短文集』 7

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DB 1
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妖奇士 1











『対等であること』
「僕はお前と対等でいたいんだ。 ……足手纏いには、絶対になりたくない!」
額に脂汗を滲ませ、苦痛に顔を歪ませる。
感情が昂ぶり、傷口が開く。
止血している包帯は瞬く間に赤く染まっていく。
「クエス、今は喋るな!」
鋭く、力強く制するようにサスケが声を出す。
火星物語 クエス・サスケ (クエス→サスケ要素が強い。 アショカ侵略初期の、戦いの後) 2011/4/18

『スパイ』
「いつまでそんな醜い姿をしているつもりなの? シーク」
ファウナッハの視線が一人の人間に向かう。レジスタンスの人間が視線の先を追う。
そこにいたのは彼らの仲間。古株のレジスタンス。しかし姿は同じだというのに、何かが大きく違っていた。
男が浮かべたのは仲間達が見た事もない冷徹な顔。
「醜いとは酷い言い草だな。ファウナッハ」
「あなたの本来の姿からすれば、今は十分醜いわよ。
早く元の姿に戻ってちょうだい」
男が静かに笑うと、肩を竦めて目を閉じる。
男の姿が陽炎のように歪む。歪みが直った時、そこにいたのは彼らの仲間の姿ではなかった。
瑠璃色の髪と瞳、白皙の肌。細身ながら鍛え抜かれた身体。
そして誰もが振り返るほどの精悍で怜悧な美貌を持つ青年の姿。
何が起きたのか理解する前に、シークの姿が一瞬で彼らの側から消えて、ファウナッハの隣に現れた。
聖剣伝説2 シーク+ファウナッハ (長編の1シーン) 2011/4/20

『手向け』
亡き同僚から貰った懐刀にべったりと付着した血を丁寧に拭う。
今では形見となってしまった大切なもの。それを下らない人間の血で汚せない。
なのにあえて形見で殺したのは、亡くなった彼らへの手向け。
懐刀の血をきれいに拭い終わった後、足元に転がる皇帝の死体を冷たく見下ろす。
―こんなことなら、もっと早く殺してもよかったわ。
皇帝などただの傀儡人形。実際に国を動かしていたのは四天王。
マナの祭壇で皇帝を殺すという予定は、タナトスが決めたものの彼らの一致した考えだった。
醜く歪んだ顔を無感情に眺めていると、先程皇帝だった男が言い放った言葉が蘇る。
それは彼女の亡き同僚達を侮辱する言葉の数々。
途端、女の美しすぎる顔は嫌悪に満ちて、死体を勢いよく蹴り落とす。
それは無様に階段を転がり落ちていった。
皇帝だった亡骸を眺める目には、一切の感情が宿っていない。
「……私達が、世界の王よ」
彼女が思い浮かべていたのは、血色の髪の呪術師ではなかった。
聖剣伝説2 ファウナッハ (皇帝殺害時) 2011/4/20

『対決!』
「おや、これはこれは王女様。こんな所でお目にかかれるとは思ってもいませんでした」
他の者達には目も向けず、アンジェラのみを視界に宿す。
「紅蓮の魔導師!!ここで会ったが百年目!! 俺と勝負しろ!!」
デュランの叫びに、男の意識が彼に向く。
「ほほう、いつかの小僧か」
嘲笑する物言いにデュランが激昂し、剣を構えたまま雄叫びを上げて仇敵めがけて突進する。
魔導師が腕を伸ばすと結界が現れ、デュランの体を容易く吹き飛ばす。
仰向けに倒れたデュランを見下ろした時、頬に痛みを感じてなぞる。
手には血がべっとりとついていた。
―いつの間に…?
結界で吹き飛ばされる一瞬の間に、気迫と共に放たれた剣気が結界を切り裂き、彼の体を傷つけていた。
デュランが痛みを堪えながら、剣を支えにして立ち上がる。
「紅蓮の魔導師…!俺と戦え…!!」
その目に宿るのは怒りと…純粋な闘志。
紅蓮の魔導師がそれを一瞥する。
「…デュランと言ったな。 貴様の事、覚えておくぞ」
デュランの目が大きく見開かれる。しかし仇敵の目はもう彼の姿を写していなかった。
紅蓮の魔導師がアンジェラに慇懃無礼に、お辞儀をする。
「では、アンジェラ王女。 近いうちにお会いしましょう!」
聖剣伝説3 紅蓮の魔導師+デュラン (長編の1シーン) 2011/4/20

『お祝い』
意気揚々と扉を開くと、実の兄のように慕う少年に出迎えられた。
好意を抱いてる少年の姿に、先程まで全身を包み込んでいた興奮は波が引く様に収まる。
その代わり嬉しさと照れ臭さが入り混じり、どんな顔をすればいいのか分からなくなった。
「ファルコン。 合格おめでとう」
少年が優しく笑って、少女に花束を渡す。
花束には少年の髪を髣髴とさせる、薄紫の可愛らしい花々が使われていた。
少女が目を丸くしたまま花束を見つめていたが、大事そうに受け取り、腕に抱える。
「…ありがとう」
常日頃、凛々しいと評される忍者になりたての子供は、年頃の少女のように頬を赤らめて、幸せそうに笑った。
”妹”に喜んでもらえた嬉しさで、少年が美しい顔を綻ばせる。
聖剣伝説HOM ファルコン+サンドアロー (ファルコン片想い時代) 2011/5/5

『御伽噺』
おばあさんの記憶』の話前提です。

凛々しいアロマの最後の王女と、彼女を最期まで支え続けた忍者と、未来から来た「最後の風使い」の少年が悪の国アショカと戦う。
兄弟たちはこの話が格好良くて好きだと言う。でも私はアンサー達の話が好きだった。
理由を聞かれても困るけど…。過去を巡る話を聞くたびに、お祖父さんの想いが伝わってきそうだったから、だと思う。
クエス達の話は、お祖父さんの悲しみや辛さが感じられたから、少し苦手だった。
火星物語 オリキャラ (没シーン) 2011/5/27

『熱砂の秘密』
満天の星空の下、一陣の風が砂の海を駆ける。
煌々と夜空に君臨する星空が、砂漠を見据える少女の姿を淡く照らし出す。
―この砂漠のどこかにナバールの本拠地がある。
広大な砂の海の中、巧妙に隠し通された要塞。世界中で最も謎に包まれた存在、ナバール。
かの要塞の所在は、砂の民の伝承でも『熱砂の秘密』と謳われているだけで、具体的な情報は皆無に等しい。
ふと、脳裏に青紫の髪を持つ美しい忍者の姿が過ぎる。
―彼は誇り高い人。 例え命を失っても国の秘密を口外しない。
唯一ナバールを知る仲間は故郷を想い、絶対に秘密を曝け出さない。
彼女が何重にも覆われたベールを剥ぎ取ろうと手を伸ばしても、彼は瞬く間に手の届かないところに逃げてしまう。
追いかけては逃げられ、触れる事も許されないその様は蜃気楼とよく似ている。
―……まるでナバールのよう……。
片方は見ることすら叶わないが、両者とも決して核心に触れられないところは同じだった。
聖剣伝説3 リース (リース→ホークアイ前提。サルタンにて) 2011/5/31

『禁断の扉』
「トランクス君…。僕、新しい扉を開いたみたいなんだ」
「それはお前の気のせいだ」
「いや、気のせいなんかじゃないよ。 だから僕は君のことをあ」
「今すぐ引き返して、その扉を厳重に封印しろ!」
「……そこまで言う?」
「俺は変態に用はねぇ」
「いや、言っとくけど、俺はホモじゃないよ。 ちゃんと女の子が好きだよ。
でもね……君を前にするとどんな女性でもかすんでしまうってだけn」
「消えろ。 二度とその面を俺の前に晒すな」
「……………………泣いても、いい?」
DB 悟天→→トランクス (新たな目覚めと失った友情) 2011/6/3

『「約束」という名の呪われた記憶』
――ねぇ、――――。もし私が悪い魔女になったら……
呪わしくも何故か心惹かれる城近くの花畑を前にすれば、いつも頭痛と先程の幻聴が聞こえる。
―……これは、私の記憶なのだろうか……?
常に命を狙われ、夜の世界に君臨するしかない魔女にも”愛された時代”があったのか?
失われた記憶を渇望し、大半が欠落した記憶を掘り起こしていく。
だが彼女が思い出せるものは、人々の魔女への迫害の記憶のみ。望む時代の記憶は何一つとして蘇らなかった。
失望と落胆の息を深く、吐く。
一際強い風が吹き、彼女の長い髪を靡かせる。
潮の匂いと花の匂いが入り混じり、一つの香りへと姿を変える。
直後、今までに経験した事のない激痛が頭の中を駆け巡り、糸の切れた人形のように崩れ落ちる。
――俺……ここにいるから。
――ここで―――を待っているから……
聞いたことがないのに、聞き覚えのある男の声が響き渡った。
その声は彼女を堪らなく哀しく、切なくさせた。
FFⅧ アルティミシア (ヒロインと同一人物の設定) 2011/6/3

『遊郭にて』
「昔みたいに必死になることはもうないのか?」
愛しい女の言葉に、青年が苦笑する。
「あの頃はお前の気を引くのに必死だったんだ」
女は嘗てその心の殆どを異界に向けていた。
自分を中々見てくれない、つれなく美しい女。
彼女の心を“現世”に、自分の元に繋ぎ止めるために、あの手この手の考えられることをやってきた。
全ては目の前の女と一緒にいたいという強い想いから。
今から思い返せば、あの頃はまだまだ子供だったと懐かしく思える。
だが彼女への想いが薄まったわけでない。時が流れても変わることなく、ますます強くなって男の胸に深く根付いている。
死ぬまで想い続けるだろうと、漠然とだが確信していた。
「それとも、昔みたいなのが好きだったのか?」
「……別に、そういうわけじゃない」
悪戯っぽい笑みと共に男が問いかけると、女はそっけなく答える。
だが観察眼の優れている男は、女の頬が僅かに赤らんでいるのを見逃さなかった。
妖奇士 狂斎・アトル (数年後の二人) 2011/06/3
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