「聖剣伝説」
聖剣伝説3(HOM)

聖剣伝説3 小説 『BadEnd』

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注意
ホークアイ・リースです。
題名の通りBadEndです。
他の話とあんまり繋がっていません。一種のパラレルです。
オリジナル設定があります。オリジナル設定については、こちらをお読み下さい





















警告
死ネタです。
どんな内容でもよろしければ、下へスクロールしてください。






































「…どうして!?」
女性が顔を歪めて、悲痛な叫びを上げる。
今にも涙が零れ落ちそうなほど目を潤ませた最愛の人の姿に、青年が困ったような笑みを浮かべて、宥めるように彼女の頬をそっと優しく撫でる。
「こればかりはどうしようもないよ。 俺の身一つでナバールが救われるんだ」
女が伏せていた顔を挙げ、毅然と青年を見据える。
「どうしてあなたが犠牲にならないといけないんですか!?」
目の前にいる男…ナバール首領ホークアイの処刑理由は、あまりにも理不尽なもの。
彼には何の咎はない。
ただ、”ある血”を引いていることだけが、生を許さぬほどの罪悪とされた。
嘗ての仲間達は彼の存命のために働きかけたが、その度に世界各地から強烈な批判に晒された。
彼を守るものはナバールのみ。だが、そのナバールもいつまで持つことか……。
男が真摯な眼差しで女の目を見つめる。
彼の瞳には、今は彼女しか映っていない。
「リース。…わかってほしい。 ナバールは、俺の全てなんだ。
今の弱体化したナバールに、世界中と争う力を使わせるわけにはいかない」
これが最後の逢瀬だと分かっていても、その視線を受け止めることが出来ずに、女が顔を伏せる。

かつては軍事大国として広く知られたナバール。
だが美獣達による魔界の介入で、力と”血”を殆ど奪われた。
今あるのは極度に疲弊し、砂漠の中、滅びを待つだけの組織。
自分の命惜しさに、生まれ故郷に迫る滅びの時間を早める真似は絶対にしない。
それが青年の覚悟。

「………あなたは、酷い」
「うん、わかってる」
切なく優しげな微笑を湛えて、青年が頷く。
「……私は、誰を憎み、恨めばいいんですか? 世界中の人間を? あなたの先祖達を?」
ローラントが一度滅ぼされた時、復讐だけが彼女の生きる術だった。
ナバールを憎み、恨む事で故郷と父を失った大きな心の穴を塞いだ。
「……でも、そんなこと出来ません。 私はローラントを憎めない。あなたに繋がる人達を恨めない……」
最愛の人を失っても、それを埋める術はない。
埋まらない心の欠落を抱えて、一生生きていくのだ。
「リース……。 こんな形で君を遺す俺を憎み、恨めばいいよ」
「そんなこと……もっと、できません!」
男の胸に縋りつき、必死に嗚咽を堪える。
だが、彼女の意に反して、啜り泣きが漏れ出ていた。
――声を張り上げ、彼のために嘆き悲しめたらどんなにいいことか!
それは出来ない。
この瞬間でさえ、人に知られれば彼女の立場を悪化させる。
女を道連れにするのは、男の本意ではない。そして、彼女は自分一人だけの体ではない。

お互いの存在を確認するかのように抱きしめあっていた二人がゆっくりと体を離す。
ホークアイが、まだ平らに近いリースのお腹を愛おしげに撫でる。
「絶対、俺に似た子になっては駄目だよ」
まだ見ぬ命に、優しく強く語り掛ける。
容貌から血縁を知られれば、子も生まれて間もなく父の後を追わされる。
だからこそ、母に瓜二つであれという願い。
「ホークアイ……」
リースが彼の命を繋ぎとめるかのように、強く抱きしめる。
―逝かないで。 私の側にいて。
ただ、それだけの想いが叶わない。

ホークアイが、この世の未練と共にリースの腕を優しく振り払う。
名残惜しそうに離れた後、少しの間顔を伏せた後、彼女を見つめる。
「…あんまり長く君の側にいたら、生きていたくなるからね。 もう、そろそろ行くよ」
その顔には死への恐怖も絶望も、悲しみも何もなかった。彼の嘆きは誰にも見せることなく、仮面を張り付け隠し通されていた。
言い終えると両手を組み合わせて、複雑な形を次々に作り終える。
「さよなら、リース」
屈託のない純粋な笑みを、リースに向けた。
今まで見せた事のない顔に、彼女が息を呑む。
男が仕上げの印を結ぶと同時に、彼の姿が陽炎のように歪むと、その場から完全に消え去った。

それが、彼を見た最後だった。


言い訳
この設定で、続いちゃ…駄目ですよね。
一応子供のネタはあるんですけど……。
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