短文

『短文集』 8

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聖剣伝説2 4
聖剣伝説3 2
リグロードサーガ 1















『兎』
我が子と一緒に元気よく駆け回る、愛くるしい姿。
色素の薄い髪、深紅の瞳、白皙の肌。
今も強い憧憬を抱く男女の姿を引き継いだ養い子。
幼いながらも類稀な美貌の片鱗を覗かせるその姿は、まるで雪国に住む兎の如く。
二人の子供の微笑ましい光景に、常の厳つい顔も目尻を下げて、頬を緩ませる。
それは大戦士と恐れられる姿でなく、子供達を暖かく見守る父親の姿。
聖剣伝説HOM フレイムカーン(+サンドアロー) (フレイムカーン→サンドアローの両親前提) 2011/6/5

『血の病』
掠れ、乾いた咳を零す夫に、ファルコンが気遣わしげに声をかける。
「サンドアロー。最近咳が多くないか? それに体調も優れないみたいだが……」
―本当にただの風邪か?
力強い意思の宿る瞳に、真意を問い詰める意図を含ませる。
妻の心配に、サンドアローが穏やかに微笑む。
「少し噎せただけだから。 大丈夫、少し休めばよくなるよ」
「………そうか? なら、いいんだ」
言葉とは裏腹に納得できぬ様子の妻に、彼が安心させるように言葉を紡ぐ。
次第に妻が詰問の矛を渋々ながら下げていく。
妻に悟られぬように、笑顔の下に死への恐怖を封じ込める。
彼を少しずつ苛む病は、親から子へと受け継がれた死病。
身体を蝕み、命を削る死神は、既に彼の内で目を覚ましていた。
聖剣伝説HOM サンドアロー+ファルコン (HOM後で病の重症化前) 2011/6/13

『永遠の初恋』
それは、父の愛人の一人だった。
肩下で綺麗に切り揃えた淡く日に透ける金の髪。見る者を虜にする紫水晶の瞳。鈴を鳴らすように心地よく響く声。
彫りが深く整いすぎた顔立ちの、その女は息を呑むほどに美しかった。
教養に溢れ、武芸も優れた彼女は、今まで彼が目にしてきた愚かな者達と一線を画していた。
そして、共に過ごしても不愉快にならなかった初めての人間。
聖剣伝説2 ゲシュタール (機械と強さ以外で、初めて執着したもの) 2011/6/13

『子守唄』
幼い息子を大切そうに腕に抱き、歌を謳う。
薄い唇から紡がれるのは、美しく流れる儚い旋律。
優しい声音で謳うのは、もう彼しか知らない言語。それは滅びた父の故郷の歌。
父はとても美しい人だったという。まるで神が精緻に作り上げた美貌の持ち主だったと聞いている。
でも”自分の記憶”の中には両親の姿はなかった。
あるのは…――
滔々と歌っていた声が不意に途切れる。
サンドアローが陰りを宿したまま目を伏せ、暫く黙った後に息子の顔を見つめる。
先程までむずがっていたホークアイが、今は安らかな眠りについているのを見て、優しく笑う。
―僕が全て引き受けて、終わりにするよ。 だから……
どうか幸せな一生をと願いを込めて、額にそっと口付ける。
願わくば、後の代まで幸せが続くことを願って。
聖剣伝説HOM サンドアロー (引き継がれた記憶による苦悩) 2011/6/27

『処刑人』
注意
BadEnd』のデュランバージョンです。
此方に載せているオリジナル設定を使っています。

今この時ほど、生涯の忠誠を捧ぐ国を呪わしく思ったことはない。
「デュラン。 お前に悪魔の処刑を任せるとの英雄王様のご命令だ」
冷徹な宰相が感情の宿らぬ声で淡々と話す。
デュランが瞳の奥に宿る敵意を巧妙に隠し、騎士として了承の答えを口にする。
目の前にいる男こそが、”親友”を”悪魔”として処刑にさせる原因を作った存在。
拳を堅く握り締め、殺意を封じ込める。
この男に躊躇いを気づかれてはならない。
彼の葛藤を読み取った宰相が冷淡な面持ちでデュランを睥睨する。
「お前は”悪魔”と共に行動していたそうだな? 奴の命欲しさにフォルセナ騎士の名を失墜させるような真似をするでないぞ」
――もし、そのような真似をすれば、フォルセナだけでなく全世界を敵に回すことになる。
言外の脅しに、デュランがはらわたが煮えくり返る思いを抱く。
家族と騎士としての未来を人質に取られ、身動きが出来ない己が憎い。そして、己への憎しみよりも根深い憤怒と憎悪を抱くのは卑劣な手段を用いた宰相。
だが、ホークアイのために全てを捨てるにはデュランは国を家族を、そして雪の国の王女を愛しすぎていた。
聖剣伝説3 デュラン (書こうか悩んでいる『BanEnd』でのデュランの話の一部) 2011/6/29

『芸術品』
「あの三人の美しさはよく知っているだろう? 誰もがあれらの強さと美貌の前には惹かれ、惑わされる」
皇帝が瞳の奥に情欲の炎を滾らせつつも、呪術師を恐れて平静を装って語る。
身の程知らずな操り人形の言葉に、タナトスの心に不快な影が過ぎる。
「限られた者の中でも、選ばれた存在しか彼らを手に入れられませんよ」
「タナトスよ。お主は己がその”存在”だと思っているのか?」
冷ややかに嘲笑う呪術師を鋭い眼差しで射抜く。
嫉妬を滲ませた問いかけに、タナトスが薄く笑う。
「私はあなたと違って下卑な考えは持っておりません、
芸術品は欲に任せて穢すのではなく、側に置いて鑑賞するのが一番なのですよ」
彼らの神々しいまでの美貌に惹きつけられる者は後を絶たない。
国を滅ぼす強さから畏れと共に、手の届かぬ存在への崇拝に似た思いを抱かせる。
だが、中には皇帝のように”生身”の存在として求める者もいる――。
「……価値のわからぬ者が芸術品を穢そうと考える。……それだけでも私はその者を殺したくなるのですよ。 皇帝様」
聖剣伝説2 タナトス+皇帝 (皇帝及びタナトスの”玩具”疑惑の完全否定) 2011/7/8

『死の女神』
女の魔法は強大無比で、誰一人として太刀打ちできずに虫けらの如く命を散らしていった。
魅惑的な唇から力ある呪文が紡がれ、次々と新たな屍が増えていく。
数多の命を瞬く間に奪うその姿は、戦場に不釣合いな…あまりにも鮮烈な姿。
それは、魂を奪われるほどの美しき女の姿を模った死神そのもの。
無慈悲な女神の魔法の舞いを目にして、生き残った者は存在しなかった。
聖剣伝説2 ファウナッハ (魔法を駆使した戦場での様子) 2011/7/10

『妖精との出会い』
プリムが腰を曲げ、ポポイの目線に合わせる。
「よろしくね、おチビちゃん」
ピシィッ
すぐ側から聞こえた音にランディが訝しげに音源を見下ろす。
妖精が頬を引き攣らせて、こめかみを震わせていた。
「…ポポイ…?」
俯いて肩を震わせる妖精に、ランディが恐る恐る声をかけた。
妖精が顔を上げてプリムに笑いかける。その笑みは純粋な子供というより、小悪魔と呼ぶに相応しい。
ケバイネェちゃん。 ”おチビ”ってのは小さい子供に言う台詞だぞ」
妖精の挑発にプリムの目尻が吊り上がり、顔が紅潮した。
一転して険悪に陥った空気に、ランディが思わず後ろに下がる。
―……なんでこうなるんだ?
一刻も早く止めなければならないとわかっていながらも、手を出せば均衡が崩れて取り返しがつかなくなる予感がした。
プリムが深呼吸をして気持ちを落ち着けると、余裕の笑みを浮かべる。
「そうね、わかったわ」
妖精が目を真ん丸くしてプリムを見上げる。
突然引き下がった相手に物足りなさを覚えるも、勝ったのは事実。
「わかればいいんだ」
胸を張って笑うポポイの頭に、プリムが手を伸ばす。
おチビちゃん。よろしくね」
さわやかな笑顔を浮かべて、幼子をあやすようにポポイの頭を撫でる。
聖剣伝説2 ランディ一行 (ポポイが仲間になった時。身長が最大のコンプレックスだったら…) 2011/7/29

『A malicious boy?』
『…元気か、フレディ?』
『ケヴィン…悪いが、大人しくしててくれ。 ルガーの命令なのでな…』
『…フレディ…。お前は獣人王の後継者を牢屋に入れんだ。この事は獣人王に伝える…』
怒りを帯びた鋭い眼差しとは対照的に、淡々と押し殺した口調だった。
その言葉にフレディの全身から血の気を引く。
知らぬのは息子だけというほど、獣人王の親馬鹿ぶりはビーストキングダムでは有名なことだ。
いかなる事情があったとしても、ケヴィンを牢屋にいれたと知られれば……。
隠れ超親馬鹿の怒りは、何よりも恐ろしかった。
『ちょ、ちょっと待ってくれ!俺は、ルガーの命令で仕方なく…』
慌てて弁解するも、ケヴィンの責める眼差しに耐え切れずに顔を逸らす。
何か喋ってくれればいいのに、無言のまま凝視されて、フレディの全身から冷や汗が滝のように流れ出す。
獣人王と面差しも似ていることがあり、まるでケヴィンと共に獣人王に睨まれているようだった。
頃合を見計らって、ケヴィンが口を開く。
『フレディ。 今すぐオイラを出してくれれば、この事は獣人王に伝えずにおいてやる』
聖剣伝説3 ケヴィン+フレディ (長編の1シーン) 2011/8/1

『牢屋』
牢に繋がれてから幾日が流れただろう。
ゲンユウサイ軍が城を制圧した時から続く、悪夢の日々。
敵の首領から受ける女として耐え難い屈辱の数々に、幾度自らの命を絶とうと考えたか。
その度に思い留まるのは、残される大切な国と最愛の息子の存在があるから。
―アーサー。 どうか、ご無事で……。
女王として、母としての想いが、今の彼女を生かす唯一の原動力。
リグロードサーガ メアリー女王 (裏予告) 2011/8/3
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