短文

『短文集』 9

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SO2 1
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聖剣伝説2 3
DB 1
アクロスエイジ ツヴァイ 1














『地元の有名人』
「あのおしどり夫婦だけど。あそこの旦那さん、昔ラクール武具大会で優勝したんだってね」
「といっても家では妻と娘に頭が上がらないみたいだけど」
「ハハハ!あそこのかみさんは最強だからな。 幾ら最強の剣士でも勝てないだろ」
「いやいや、あそこも昔は亭主関白だったらしいぞ」
「えー! そりゃ本当かい!?」
「あぁ。でも子供が生まれてからは、かみさんの方が強くなったらしいけどな」
「あー、よくわかるぜ。 女は子供を産んだら強くなるからなぁ」
村人同士の寄り合いでふと切り出されたのは、先日野盗をあっという間に倒した地元の有名夫妻。
話は盛り上がり、酒を肴に花咲いていく。
SO2 ディアス・チサト (第三者視点。地元で有名なかかあ天下) 2011/8/8

『遺言』
窓から降り注ぐ月の光が妻の命を吸い取っている。
ありえぬ考えを一蹴しようとしたが、出来なかった。
嘗ては戦場を駆け回り、華麗な剣捌きで敵を屠る戦士だった妻。しかし息子を産んでからは衰弱して、嘗ての面影は見る影をなくしていた。
「……ジェレミア……」
震える声で妻の名を呼ぶ。
「獣人王ともあろう男が、これしきのことで泣くな」
妻が勝気な笑みを浮かべて、笑う。
掠れた声以外は嘗てと同じだった。
「俺は泣いてなど……」
「…それを聞いて安心した」
例え夫の声が苦渋に満ちていても。
ジェレミアが真摯な眼差しで夫を見つめ、最期の頼みを口にする。
「ケヴィンを……あの子をお前より長生きさせると約束しろ」
僅かの間目を瞠ったガウザーが妻の手をしっかりと握り締めて、力強く頷く。
「……あぁ、約束しよう」
獣人の国で混血の息子を生き延びさせるために、手段は選ばぬと深く胸に刻みつけた。
聖剣伝説HOM ガウザー・ジェレミア (生き延びさせる=他を圧倒する絶対的な強さ) 2011/8/14

『信念』
「どうしたのだね、シーク?」
先程から表情を曇らせているシークに、タナトスが気遣わしげに声をかける。
「フォルセナを潰すだけなら、民衆を皆殺しにする必要はないだろう」
シークが苛烈な眼差しでタナトスを見据える。
国を滅ぼすといっても、残された民は侵略した国に飲み込まれるだけで殺されることはない。
一国の民衆を皆殺しにするケースは稀だ。
タナトスが眉を僅かに上げる。
「おや、そんなことを気に病むとは……君は本当に優しいねぇ。 道義心があるのは結構だが、くれぐれも仕事で手を抜く真似しないように」
「私は忍者だぞ! どんな理由であれ、仕事を放棄しない!!」
侮辱された怒りにシークが声を荒げる。
聖剣伝説2 シーク+タナトス (加筆修正の際に消した『呪歌』2の没シーン) 2011/8/31

『業』
「たかが300年か……」
若い頃の言葉に、自嘲の嗤い声を静かに立てる。
長寿の孤独など”短命種族”に分類されるサイヤ人には無縁のものだった。
だが、それよりも短命の地球人だった妻や子孫達は老衰により亡くなった。
同じ時を生きられるはず筈だった子供達も今はもういない。彼らは寿命でなく、血の業で命を落とした。
――王子、覚悟せよ。 この病は必ず発病する――
幼き頃の父王の言葉が、鮮明に脳裏に甦る。
忘れたことのない、いつ訪れるかわからぬ確実な死の宣告。
「……嘘つきめ……」
忌々しそうに吐き捨てる。
年老い、嘗ての面影をなくすほど長い年月を生きたが、腐食病はとうとう発病しなかった。
最期のサイヤの王は、もうじき300歳を迎える。
DB ベジータ (『血の病』エピローグ後) 2011/9/13

『Dante』
「シーク?」
隣に立つ少年の傍目から見ても分るほど沈んだ空気に、穏やかな声音で名を呼ぶ。
彼の瞳が揺らぎ、目を伏せる。
思わず言葉を続けようとするが、彼は拒絶するように首を横に振った。
沈黙が二人の間を暫し満たした。
「シーク」
優しく名を呼ぶ。
「……無理をするな」
静かな言葉に、少年が顔を上げて凝視する
「お前はよく溜め込むからな。 それではいつか壊れるぞ。
そんなに辛いのならば、圧し掛かる積荷を下ろして、吐き出せばいい」
少年が逡巡するように目を伏せた後、少しの間を置いて拒絶の意図が伝えられた。
聖剣伝説2 ダンテ(オリキャラ)+シーク (シークが帝国に来て半年後くらい) 2011/9/13

『面接』
「ゲシュタール。 そなたは四天王に禁じられている事を知って、志願しているのか?」
書類に目を通し終えた審問委員会の老人の言葉にゲシュタールが鼻で笑い、小馬鹿にした目を向ける。
「四天王は婚姻し、子を成すべからず。 家督を放棄し、国に生涯を捧げるべし」
それは上流貴族の跡取りである彼には絶対のタブー。
淀みなく流れるように言葉を紡ぎ終えて、中央に座する四天王の一人を真っ直ぐ射抜く。
「私は女も家もいらん。 私が欲しいのは、強さと権力だ」
秀麗な顔に似合わぬ、力強く堂々とよく通る声。
「実に素直だね。 大概の者は国のため、名誉のためなどと決められた定型句しか口にしなくて、面白みがなかったのだよ」
仮面の奥に隠された目が怪しく光る。
ゲシュタールは身体を強張らせるが、気丈にタナトスを睨み返した。
聖剣伝説2 ゲシュタール+タナトス (四天王の面接の1シーン) 2011/9/22

『永遠のライバルとの数え切れぬ対決』
「クソッ…!」
フレイムカーンが苦悶の声を漏らす。
「……これまでか…!」
入らぬ力で顔を上げ、自らを窮地に追い込んだ者を見上げる。
大切な人に託された大事な養い子。娘婿であり、最大のライバル。
「フレイムカーン様。もうこれ以上は……」
サンドアローが心配する目つきで義理の父を気遣うも、それは無駄に終わった。
「まだまだ!! 儂は負けんぞ!!」
カッと目を大きく見開き、目の前に立ちはだかる火酒が注がれた杯を力強く掴むと、勢いよく喉に流し込む。
直後、意識が急速に混濁し始めるも、強靭な意志の力でそれをねじ伏せる。
―このフレイムカーン!! 連戦連敗で終わるわけにはいかぬっ!!
しかし押さえ切れたのは束の間で、抵抗虚しく彼の意識は闇に沈んだ。

「またか、父上も懲りないな」
「いつも止めるんだけど、聞いてくれなくて……」
泥酔して夫に背負われる父を呆れきった面持ちで見るファルコンに、彼が申し訳なさそうに答える。
それはサンドアローが14歳の時にフレイムカーンを完膚なきまでに酔い潰して以来、恒例となった光景。
聖剣伝説HOM フレイムカーン+サンドアロー (大酒豪と最強のうわばみとの対決) 2011/9/22

『鏡』
――フゥ。
大きく溜息を漏らしながら、部屋に置かれた姿身を見る。
髪を結い上げ、身体の線に沿った清楚なドレスに身を包んだ少女の姿が映し出されていた。
鏡の中の少女は大人びた化粧を施された顔に、疲れを色濃く宿していた。
そこに映し出されているのはローラントのアマゾネス族長の娘でなく、一人の綺麗な人形のような少女の姿だった。
―やっぱり肌を見せすぎね……
少女がやや露出した肩や胸元をなぞる。
本当は戦装束を身を纏いたかったが、敵国が相手でも休戦協定の場。そのような非常識は許されなかった。
鏡に映る姿はどこか力ない少女を思わせて、眉根を寄せる。
思い出されるのは自室に下がる原因を作った存在。
底冷えのする目で、一挙手一投足を舐めるように見つめていたナバール首領の弟。
その視線の意味が分からぬほど、彼女は子供ではなかった。
聖剣伝説HOM ミネルヴァ (裏部屋掲載予定の話の1シーン)2011/9/26

『父子の本音』
「赤ちゃん、お兄ちゃんに似てたらいいね」
「何故だ?」
幼い息子の予想外の言葉に、訝しげに尋ね返す。
イーグルが年の離れた異母姉をとても慕っているのはよく知っている。だからこその疑問だった。
「お父さんは? お兄ちゃんに似てほしくないの?」
「…儂か?」
逆に尋ね返されて、一瞬言葉に詰まった。
無事に生まれてくれれば、どちらに似ていても構わない。けれども……
「……そんなことより、お前はどうなんだ?」
「姉ちゃん、怒るとこわいもん! お兄ちゃんのほうがびじんでやさしい!!」
姉のことは大好きだが、姉が二人になるのは……嫌だった。
フレイムカーンが同意するように、息子の頭を優しく叩く。
「……そうだな、あいつは…些か気が強すぎる。 ……サンドアローに似てくれればいい。
そして、生き写しなら、尚のこといい」
「だよね!!」
幼子が目を輝かせて、父子の顔を見上げる。
――死角に立つ話題の人物の存在に、父子は未だ気づかず――
聖剣伝説HOM フレイムカーン+イーグル (ホークアイ誕生前) 2011/10/31

『獲物』
無数の機械からエラー音が鳴り響く中、男が腹立たしげに頭を掻き毟る。
「だぁー!! 駄目だ!!」
苛立ちを色濃く滲ませた声を吐き捨てると、勢いよく壁に背を預けて天を仰ぐ。
照明の埋め込まれた無機質な天井が目に入り、舌打ちを零す。
「……理論上は完璧なんだ。 なのに、なぜいつも失敗する?」
視線の先にあるものを睨み据えながら、独白する。
運命を捻じ曲げられないのなら、”今”生き返らせればいい。
その一念で、時間遡行して得た様々な知識や技術と、自らの時代のものを融合させて、蘇生装置を作らせた。
しかし……
「あぁ、くそっ! ……もっと、エネルギーがあれば……」
もっと強力なエネルギーがあれば、成功するかもしれない。
確証も根拠もない考えだが、今はそれに縋りたかった。
ふと、”ある国”の伝承が脳裏を過ぎる。
世界を滅ぼしかけた魔王の存在を。
ニヤリ、と口角を上げる。
「魔王って言うからには、ちったぁ足しになるだろ」
久々の獲物に狙いをつけた時空海賊は、目を爛々と輝かせた。
アクロスエイジ ツヴァイ ホーク (OP前で彼の目的について) 2011/11/5
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