「聖剣伝説」
聖剣伝説3(HOM)

聖剣伝説HOM 小説 『短文集』

 ←聖剣伝説3 小説 『彼らの答え』 →聖剣伝説3 未完 『夢夜』 2
短文集に掲載している「聖剣伝説HOM」の話が10個以上になりましたので、その分を纏めてこちらに掲載します。
尚、此処に掲載する話は『短文集』にあるものを一部修正したものです。


参照
『短文集』2.3.7~9








内容の系統
ローラント     2
ナバール      6
ビーストキングダム 2


注意
裏部屋の予告があります。












『短文集』2

『貪欲な捕食者』
―欲しいっ! 手に入れたい! 手に入れたい!!
その美しい女を目にした時から心を奪われて、渦巻く欲望が男を瞬く間に飲み込んでいく。
一度強い所有欲に駆られれば、それを封じ込められずに暴走する。
根強い選民思想と、血の淀みによる精神の異常。それ故に身を焦がすほどの強い欲求を止められない。
血の濃さ故に思うがまま生きる男の心を今大きく占めるのは、狩猟本能に近い感情。
―必ず捕らえてやる。
獲物を食いつく産とする捕食者の目を、女に向けて嗤う。
狂った狩人に狙われた哀れな獲物は、この後に待ち受ける地獄を知らない……。
聖剣伝説HOM バウチャー→ミネルバ (”殺されるほどの無礼”を働く前で、裏予告)


『短文集』3

『命を奪う方法』
「命と一言に言っても、それが魂とは限らんだろう。
誰にでも命よりも大事なものがあるのだから、それが奪われれば死んだも同然になる」
「それじゃ、お前は国と民が滅びれば死ぬのか?」
意地の悪い質問と分かっていながらも言い返す。
彼にとって国と民は何よりも大事な存在だ。
それらを完全に奪われたのなら、こいつは抜け殻も同然になるのだろうか?そこまで堕ちるようならば、その前に殺したい。
彼女が見たいのは”王”としての男だ。抜け殻など死んでも見たくなかった。
毅い眼差しで問いかけられ、男は暫し逡巡する素振りを見せる。
いつもはっきりと者を言う男にしては、珍しい姿。
「守りたいものは国と民だけではない。
……何よりも大事なものがある。 それを守れずに奪われれば、俺は死ぬも同然だ」
女が目を見張り、まじまじと男を見つめる。
その答えが、とても意外だった。
男の目に知ってはならない感情が篭められているようで、それ以上は見ていられずに顔を逸らす。
彼の瞳に宿っていたものが何かは彼女は気づいていない。
わかるのは、ただ見つめられているだけで身体の奥が熱くなるような感覚。
聖剣伝説HOM ガウザー→←ジェレミア (酷く分かりにくいけれど…)

『家族の風景』
「ホーク。はやくおおきくなって、いっしょにあそぼう」
幼子の小さな指が赤子の丸く柔らかい頬をつつくが、ファルコンはそれをやんわりと手で止めた。
「こら、イーグル。 ホークアイは寝たばかりなんだから、そっとしておきな」
えー、と抗議に頬を膨らませた異母弟に微笑みながら、腕に抱く大切な宝物を起こさぬようにそっと立ち上がり、小さな寝台に赤子を下ろそうとした時だった。
「ファルコン、イーグル」
愛しい人の声に、ファルコンが赤子を腕に抱いたまま笑顔で振り返る。
そこには穏やかに微笑む夫の美しい顔があった。
「サンドアロー」
「おにいちゃん!」
イーグルが太陽みたいに明るく笑って、夫の元に元気よく駆け寄った。
聖剣伝説HOM ファルコン一家 (日常の1コマ)

『短文集』7

『お祝い』
意気揚々と扉を開くと、実の兄のように慕う少年が出迎えてくれた。
好意を抱く少年の姿に、ファルコンが照れくささを隠すために仏頂面を浮かべる。
先程まで心身を包み込んでいた興奮は既に泣く、緊張と思慕が彼女の中を瞬く間に満たしていく。
「ファルコン。 合格おめでとう」
少年が優しく笑って、少女に花束を渡す。
薄紫の可憐な花々は、目の前の少年の髪を髣髴とさせる。
少女が目を丸くしたまま花束を見つめていたが、丁寧に受け取り大事な宝物を扱うように優しく腕に抱く。
「……ありがとう」
常日頃、凛々しいと評される忍者になりたての子供は、年頃の少女のように頬を赤らめて幸せそうに笑った。
大切な”妹”に喜んでもらえた嬉しさに、少年が美しい顔を綻ばせる。
聖剣伝説HOM ファルコン+サンドアロー (ファルコン片想い時代)

『短文集』8

『兎』
我が子と共に元気よく駆け回る、愛くるしい姿。
色素の薄い髪。深紅の瞳。白皙の肌。
今も強い憧憬と恋慕を抱く男女の姿を引き継いだ養い子。
幼いながらも類稀な美貌の片鱗を覗かせるその姿は、まるで雪国に棲む兎の如く。
二人の子供の微笑ましい姿に、常の厳つい顔も目尻を下げて頬を緩ませる。
それは大戦士と恐れられる姿でなく、子供達を暖かく見守る父親の姿。
聖剣伝説HOM フレイムカーン(+サンドアロー) (フレイムカーン→サンドアローの両親前提)

『血の病』
掠れ、乾いた咳を零す夫に、ファルコンが気遣わしげに声をかける。
「サンドアロー、大丈夫か? 最近咳が多くて、体調も優れないみたいだが……」
―本当にただの風邪か?
力強い意思の宿る瞳に、真意を問い詰める意図を含ませる。
妻の心配に、サンドアローが穏やかに微笑む。
「大丈夫、ただ疲れが溜まっているだけだよ」
「………そうか? なら、いいんだ」
言葉とは裏腹に納得できない様子の妻に、彼が安心させるように言葉を紡ぐ。
次第に妻が詰問の矛を渋々ながら下げていく。
妻に悟られないように、笑顔の下に死への恐怖を封じ込める。
彼を少しずつ苛む病は、親から子へと受け継がれた死病。
身体を蝕み、命を削る死神は、既に彼の内で目を覚ましていた。
聖剣伝説HOM サンドアロー+ファルコン (HOM後で病の重症化)

『子守唄』
幼い息子を大切そうに胸に抱き、歌を謳う。
薄い唇から紡がれるのは、美しく流れる儚い旋律。
優しい声音で謳うのは、もう彼しか知らない言語。それは滅びた父の故郷の歌。
父はとても美しい人だったと言う。まるで神が精緻に作り上げた美貌の持ち主だったと聞いている。
でも”自分の記憶”の中には、物心着く前に亡くなった両親の姿はなかった。
あるのは……――
滔々と歌っていた声が不意に途切れる。
サンドアローが陰りを宿した目を伏せて、暫く黙った後に息子の顔を見つめる。
先程までむずがっていたホークアイが、今は安らかな眠りについているのを見て、優しく笑う。
―僕が全て引き受けて、終わりにするよ。 だから……
どうか幸せな一生を、と。
願いを込めて、額にそっと口付けた。
願わくば、後の代まで幸せが続く事を願って。
聖剣伝説HOM サンドアロー (引き継がれた記憶による苦悩)


『短文集』9

『遺言』
窓から降り注ぐ月の光が妻の命を吸い取っている。
仄かな月光に照らされ更に色をなくした妻を前にして、ありえぬ考えを一蹴しようとしたが、出来なかった。
嘗ては戦場を駆け回り、華麗な剣捌きで敵を屠る戦士だった妻。しかし息子を産んでからは衰弱して、嘗ての面影は見る影もなかった。
「……ジェレミア……」
震える声で妻の名を呼ぶ。
「獣人王ともあろう男が、これしきの事で泣くな」
妻が勝気な笑みを浮かべて、笑う。
掠れた声以外は、嘗てと同じだった。
本当は話す体力すら、既に残されていないのに。
「俺は泣いてなど……」
「……それを聞いて安心した」
例え夫の声が苦渋に満ちていても。
ジェレミアが真摯な眼差しで夫を見つめ、最期の頼みを口にする。
「ケヴィンを……あの子を、お前より先に死なせるな」
僅かの間目を瞠ったガウザーが妻の手をしっかりと握り締め、力強く頷く。
「……ああ、約束する。
………だから、もう安心しろ」
グッと堪えて、最後の言葉を言い終える。
安心したのか微笑んだまま冷たくなってゆく妻に、誓う。
―俺の命に代えて、あいつを強くする。
獣人の国で混血の息子を生き延びさせるために、手段は選ばぬと深く胸に刻みつけた。
聖剣伝説HOM ガウザー・ジェレミア (生き延びさせる=他を圧倒する絶対的な強さ)

『永遠のライバルとの数え切れぬ対決』
「クソッ…!」
フレイムカーンが苦悶の声を上げる。
「……これまでか…!」
入らぬ力を振り絞り顔を上げて、自らを窮地に追い込んだ者の顔を見上げる
大切な人に託された大事な養い子。娘婿であり、最大のライバル。
「フレイムカーン様。もうこれ以上は……」
サンドアローが心配する眼差しで義理の父を気遣うも、それは無駄に終わった。
「まだまだ!! 儂は負けんぞ!!」
カッと目を大きく見開き、目の前に立ちはだかる火酒が注がれた杯を力強く掴むと、勢いよく喉に流し込む。
直後、意識が急速に混濁し始めるも、強靭な意志の力でそれをねじ伏せる。
―このフレイムカーン!!連戦連敗で終わるわけにはいかぬっ!!
しかし押さえきれたのは束の間で、抵抗虚しく彼の意識は闇に沈んだ。

「またか、父上も懲りないな」
「いつも止めるんだけど、聞いてくれなくて……」
泥酔して夫に背負われる父を呆れきった面持ちで見るファルコンに、彼が申し訳なさそうに答える。
それはサンドアローが14歳の時にフレイムカーンを完膚なきまでに酔い潰して以来、恒例となった光景。
聖剣伝説HOM フレイムカーン+サンドアロー (大酒豪と最強のうわばみの対決)

『鏡』
――フゥ。
大きく溜息を漏らしながら、部屋に置かれた姿身を見る。
髪を結い上げ、身体の線に沿った清楚なドレスに身を包んだ少女の姿が映し出されていた。
鏡の中の少女は大人びた化粧を施された顔に、疲れを色濃く宿していた。
そこに映し出されているのはローラントのアマゾネス族長の娘でなく、一人の綺麗な人形のような少女の姿だった。
―やっぱり肌を見せすぎね……
少女がやや露出した肩や胸元をなぞる。
本当は戦装束を身を纏いたかったが、敵国が相手でも休戦協定の場。そのような非常識は許されなかった。
鏡に映る姿はどこか力ない少女を思わせて、眉根を寄せる。
思い出されるのは自室に下がる原因を作った存在。
底冷えのする目で、一挙手一投足を舐めるように見つめていたナバール首領の弟。
その視線の意味が分からぬほど、彼女は子供ではなかった。
聖剣伝説HOM ミネルバ (裏部屋掲載予定の話の1シーン)

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