短文

『短文集』 10

 ←聖剣伝説 『女神の騎士』 未完 番外編 【冬のひととき】 →聖剣伝説2 小説 『暗殺』 1
現在掲載しているジャンルと掲載数です。
聖剣伝説3  4
聖剣伝説HOM  2
FFⅧ  1
火星物語 1
DB  1
聖剣伝説FF外伝 1









『面影』
注意
BadEnd』の子供バージョンです。

私のお母様は毅然と凛々しい女王で、国母として国民から深く慕われている。
そんな女王の最たる謎は、私のお父様。
お父様は誰なのか。その生死は誰にもわからない。知っているのは、お母様だけ。
他の人たちはお父様について様々な憶測を立てるけれど、お母様の目がそれは事実でないと語っていた。

鏡に映るのはお母様と瓜二つの姿。
映し出された虚像に、父を思わせる面影を探すが、それを思わせるものは何一つなかった。
「…お父様…」
少女が深く目を伏せる。
鏡は何も答えず、ただ少女の姿を映すのみ。
聖剣伝説3 オリキャラ (『Badend』での娘の話) 2011/11/29

『懐中時計』
寸分の狂いを知らぬ針は規則正しく時を刻み続けている。

ゼファーが磨き抜かれた光沢を放つ盤面をそっと撫でる。
物思いに耽る時に触れてしまうのは、子供の頃からの癖だった。
形よい頭の中を巡っているのは、ナバールで数少ない気心の知れた女性
「ゼファー」
背後から聞こえてきたのは想っていた女性。
青年が振り返り、深紅の瞳に驚きを宿す。
女性は彼の隣に座ると、月と星の明かりが照らす広大な砂漠を見下ろす。
彼女の金の瞳はまるで夜空に輝く月だった。
「どうしてここに?」
「ここは元々私のお気に入りの場所だ。
この風景を見ているだけでも、不思議と荒ぶる心が凪いでいく」
シルフが腰元に提げていた革袋から酒を口にして、ゼファーに渡す。
ゼファーが躊躇いなくそれに口つけた後に、隠すように懐中時計を懐に戻した。
それを目敏く見たシルフが尋ねる。
「それは?」
「両親の形見だ」
これしか残っていないのだと寂しそうな色を宿して目を伏せた青年を見ていられずに、シルフがふと視線を逸らした。
聖剣伝説HOM ゼファー+シルフ (オリキャラ) (連作の一部) 2011/11/29

『懐中時計』
寸分の狂いを知らぬ針は規則正しく時を刻み続けている。

新品の輝きを宿しつつ、年月の重みを感じさせる不思議な時計。
幼子の頃から手元にあったそれは、最早物でなく体の一部だった。
「随分と高そうな時計ですね」
すぐ側から聞こえてきた透明度の高い女性の声に、ホークアイがそちらを見る。
リースがホークアイの手元にある時計を覗き込んでいた。
「……もしかして…」
「違うよ」
疑惑の眼差しを向ける仲間に、ホークアイが毅然と身の潔白を伝える。
「これは父さんの…祖父さんの形見だ」
大切そうに懐中時計を見つめて語る目は、リースが母の形見のリボンを前にしたときと同じ。
彼の言葉が真実だと、如実に物語っている。
なのに形見を盗品などと、あらぬ疑いをかけてしまった
リースの瞳に傷ついた色が走り、深々と頭を下げる。
「ごめんなさい……! そんな大切なものを、私……」
「あー、そこまで気に病むことはないよ」
ホークアイが軽く笑いながら手を振る。
ナバールの性質上、盗品と疑われるのは仕方ないと割り切っており、謝罪してくれるだけでもマシだった。
聖剣伝説3 ホークアイ+リース (連作の一部) 2011/11/29

『喪失』
「結婚しないのか?」
愛しい人の声に、ハッと振り返った。
嘗ては低く美しい声だったが、今ではその声も掠れて力がなかった。
病に冒され、余命幾許もない嘗ての戦友で、大切な人。
「…その必要はありませんから」
国母と呼ぶに相応しい凛々しい顔で答えた。
弟が王家の血を後の世にまで繋いで行く。だから血を残すために、愛せない誰かに肌を許す必要もない。
すっかりやつれて嘗ての美貌は陰ってしまったが、今でも彼は端整で綺麗だった。
親から子へと受け継がれてきた死病。
それが最初で最後の恋人を奪う正体であり、彼女の求愛が拒まれた理由だった。
聖剣伝説3 ホークアイ・リース (没にしたネタをリサイクル) 2011/12/30

『執着』
どれだけの時が流れたのか最早誰にも分からぬ長い年月が経ても、未だに心を占めるのは誰かも覚えていない存在。
会いたい、逢いたい。
自分でも御しきれないほど強すぎる想いが無限に空回りし続ける。
その存在は、もう何処にもいない。
気が遠くなるほど、大昔に死んだということは分かっている。
それでも、求める気持ちを留めることは……出来なかった。
FFⅧ アルティミシア (ヒロインと同一人物の設定) 2011/12/30

『自覚』
「なあ、フォボス。 俺達ってもう大人だよな」
「え?」
突然の親友の言葉に、フォボスが目を丸くする。
―大人? 僕が?
素っ頓狂な顔をしたままのフォボスに、アービンが呆れ交じりの溜息を漏らす。
「ほら、12歳になったら大人だろ」
「……あー……そういえばそうだったね」
常識を忘れていたことが恥ずかしくて、照れ隠しで頭をかく。
自分が”大人”と呼べるかすらも曖昧なのに、過去の時代に行き来するたびに子供扱いされたり、15歳から大人という風習の中で過ごしていたから、すっかり忘れていた。
自分の時代では12歳でも名目上は”大人”になることを。
「おいおい、しっかりしてくれよ。フォボス」
嘆息と共に呟かれた親友の言葉に、フォボスが眉根を寄せる。
「そんなこと言ったって仕方ないじゃないか。 過去の世界ではずっと”子供扱い”だったんだし……」
「過去は過去。今は今だろ? 現代では12歳は大人なんだぞ」
火星物語 フォボス+アービン (風の谷での一コマ) 2011/12/31

『堅く結ばれた運命の糸』
「いい加減にしろ!!
俺とお前は親同士の親友で、同じサイヤ人混血で、同じ年頃で、拮抗した実力だから、よく一緒にまとめられるが、所詮は他人だぞ!!
なのに何でガキの頃から金魚の糞のように付き纏うんだ!!」
一気に捲くし立てると、よく息継ぎもなしにそこまで言えるねーと感心する幼馴染みという名のストーカーの体を怒りに任せて跳ね除けた。
しかし悟天は親友の拒絶も意に介さずに、指を振りながら更に距離を縮めた。
「トランクス君。一緒に強敵と戦ったと、合体しあった仲ってのを抜かしちゃいけないよ。
俺と君の間にある偶然の数々は最早”偶然”じゃない!!神様が、俺達を深く固く結び付けているんだ!!」
キラキラと輝く満面の笑顔で言い放ち、トランクスの肩を力強く抱きしめた。
トランクスの顔が想いっきり引き攣り、体を戦かせた。
悟天が触れているところから、凄まじい悪寒が駆け抜けていく。
「ん? どうしたの、トランクス君?」
必要以上に顔を近づけてくる悟天の顔面を殴ろうとするが、見切られて呆気なく両腕を拘束された。

「デンデ!!今すぐ出て来い!! そして、俺とこいつとの縁を今すぐ切れぇ!!」
魂の奥底からの大絶叫が、辺りに轟いた。
DB 悟天→(∞)→トランクス (悟天の大暴走と、逃れようとするトランクス。別名悟天のストーカーに切れるトランクス) 2012/2/5

『犠牲にしたもの』
「具合はどうだ?」
妻の優しい問いかけに、静かに何処か儚げに微笑んだ。
「これくらい大丈夫だよ」
だが妻は顔を曇らせた後、険しい面持ちで真実を射抜くような目で真っ直ぐ夫を見据えた。
「嘘吐き」
夫は僅かに瞠目して、目を伏せる。
ファルコンがサンドアローの頬に手を添えて、目線を合わせる。
「お前がその笑みを浮かべる時は、何かを隠している証拠だ。
そうやって安心させるために笑って誤魔化すことが、余計に不安を掻き立てるんだ」
暫しの沈黙の後、彼は小さく頷いた。
「……………わかった」
極力心配をかけたくなかったが、言わなくてもいずれ分かる事だ。
「利き腕の感覚が鈍くて、思うように動かせない。
日常生活では支障はないけれど、戦うことはもう……」
感情を押し殺したような淡々とした声に、ファルコンが愕然として、静かに手を放した。
自らを庇って大怪我を負った、夫への自責の念に駆られて。
聖剣伝説HOM サンドアロー+ファルコン (製作中の話の一部) 2012/2/5

『祈り』
「おい、しっかりしろ!!」
デュランの呼び声に、騎士がゆっくりと目を開ける。
瞳孔が開きかけたその目は、もう助からない事を物語っていた。
「う…、アルテナの…兵士達が……攻めて来た……」
騎士が最期の力を振り絞り、必死の形相でデュランの服を縋るように掴む。
「……英雄王様が……危ない……」
「!!」
言い終えた直後、力尽きた兵士の腕が地に落ちた。
目の前で失われた知人の死に、デュランが小さくうめいて感情の波をやり過ごし終えると、騎士の手を胸元で組ませた。
厳かに剣を抜いて、黙祷を捧げた後に立ち上がり、此処まで自分についてきてくれた仲間達を見る。
「行こうぜ!! これ以上、犠牲を増やすわけにはいかねぇ!!」
聖剣伝説3 デュラン (長編の1シーン) 2012/2/5

『闇に覆われた少年』
剣だこのある硬い掌が身体のそこかしこを蹂躙してゆく。
僅かに顔を顰めると、主の口元が愉快そうに歪んだ。
闇が酷薄な笑みを浮かべて、ジュリアスの耳元に囁く。
「ジュリアス」
低く蠱惑的な声。
「俺を見ろ」
囁き声でも力強さを孕んだそれは、王者の声。
意識的に心に仮面を貼り付け、主を見る。
目に映るのは、誰もが見惚れるであろう秀麗な顔立ち。
「シャドウナイト、様」
掠れた声が、薄く形よい唇から放たれた。
「何を考えていた?」
鋭い眼光でジュリアスの目を射抜く。
真意を炙り出そうとする翡翠の瞳に、目を閉ざさずに毅然と見返した。
「気になりますか?」
怜悧な口元にうっすらと笑みを浮かべて、目を細めた。
「いや」
さほど気に止めていない声音で紡ぐと、荒々しく唇を塞いだ。
聖剣伝説FF外伝 シャドウナイト・ジュリアス (裏ネタで稚児話の1シーン) 2012/2/13
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