短文

『短文集』11

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聖剣伝説2  2
聖剣伝説HOM 1
オーフェン 1













『肖像画』
階段の踊り場に並ぶ立派な額に収められた古い肖像画を見上げる。
一番目立つ所に飾られたそれは、幸せそうに視線を交し合う二人の男女の姿だった。
滅亡寸前にまで壊滅したローラントを建て直し、この国の繁栄の礎を築いた偉大な先祖達。
肖像画は遠い昔に失われた先祖の美しい姿を、今に伝えていた。
そして、見ているだけでも照れ臭くなる程のお互いへの愛情を湛えた姿も。
聖剣伝説3 オリキャラ (子孫視点のホークアイ・リース) 2012/2/25

『手紙』
「ホークアイ、何を燃やしているんですか?」
紫の髪の青年が焚き火をしている中、明日彼の妻となる女性が覗き込む。
彼の手の中にあるものは、宛先に故人の名前が書かれた結婚式の招待状。
「……届くかどうかも分からないけどさ」
寂しげに笑いながらも、それらを一枚一枚丁寧に火の中にくべていく。
紙は炎の中で燃え上がり、煙は風に吹かれて空に溶けていった。
「それでも、皆に来て欲しいんだ」
聖剣伝説3 ホークアイ・リース (亡き大切な人々へ、幸せを伝えたい) 2012/3/28

『食事』
「……これ、何?」
恐る恐る指し示した先には、異様な外見をした未知の物体。
混乱しているのか。指差したまま動きをとめたフォボスを、アンサーは怪訝そうに見遣った後に「それ」に手を伸ばした。
「それ」を当然の如く口に入れる友人の姿に、ひっと短い悲鳴を上げて身を引き退いた。
すっかり顔面が蒼白になり、信じられないものを見るような眼差しを向けるフォボスに、アンサーが黙り込む。
双方の間に重苦しい沈黙が流れた。
「ねぇ、フォボス」
アンサーは「それ」を鷲掴みにして、身を乗り出した。
顔を引き攣らせたフォボスの眼前に、アンサーは満面の笑顔で「それ」を突き出した。
「贅沢言わずに、ちゃんと食べるんだよ」
花が咲き綻ぶその笑顔は、フォボスには恐ろしい悪魔の笑みにしか見えなかった。
火星物語 フォボス+アンサー (時代と共に変わった食文化) 2012/3/28

『学んだこと』
喉は渇き、身体は水を求めるもそれは既に手元になく。
はぁと疲れを外へと逃すように大きく息を吐いた。
それを聞き止めて気遣う二人に笑顔で応えた後、空になった水筒を見遣る。
よく考えて大切に飲むのだと言われて、渡された貴重な水。
だが、水の豊富な世界で生まれ育った少年の体は貪欲に渇きを訴え続け、あっという間に飲み干してしまった。
深い後悔と共に水の大切さを胸に刻み、砂漠の道を一歩踏み出した。
火星物語 フォボス (古代編でリビドーに向かう途中) 2012/3/28

『ペット』
「イザベラ、おいで」
主人の呼びかけに嬉々とその胸に飛び込んだ。
顔を上げて、幼子の顔を見つめながら鳴く。
「どうしたの? 今日はいつになく甘えてくるね」
嬉しそうに笑う主人の声に合わせて鳴くと、幼子は目を真ん丸くして笑い声を上げた。
身を乗り出して、主人の顔を舐める。
何よりも安心できる、大好きな匂いを嗅ぎながら心地よく喉を鳴らした。
聖剣伝説3 美獣 (妖魔転生前で、猫時代の話) 2012/4/12

『嫉妬』
「彼女、典型的なヴァンドール美人よね」
プリムが刺々しい目つきでランディを鋭く射抜いた。
透き通る白い肌、すらりと伸びた長い手足、ほっそりとした華奢な体躯、彫りが深く目鼻立ちの整った綺麗な顔立ち。
それらは美しき民族という別名を持つヴァンドール人の主だった特徴だった。
その美人達に「聖剣の勇者」だと持て囃されて先程までだらしなく鼻の下を伸ばしていた仲間が無性に腹立たしく、また許せなかった。
背後にどす黒いオーラを渦巻かせるプリムに、ランディが頬を痙攣させながらも体を退かせた。
「ぷ、プリム……。 まず深呼吸をして、落ち着こうよ」
ヘエェー! 「落ち着け」ですって!?まるで私が怒り狂っているような言い方ね!」
火に油を注いだのか眦を吊り上げて、胸倉を掴みかねない形相になったプリムにランディが顔を引き攣らせる。
「そ、そりゃあクリス達は美人揃いだけれど……」
僕にはプリムの方が可愛いと言える度胸など、彼にはなく。
また紛らわしいところで区切った事で、舞い上がった炎に多量のナパームを浴びせた結果に終わってしまった。
聖剣伝説2 ランディ+プリム (レジスタンスに会った直後) 2012/5/13

『妖魔の望み』
気高き獅子の髪を持つ騎士の叫びに、妖魔は端整な顔を歪める。
しかし妖魔は瞬く間に動揺を消し去り、即座に冷徹な仮面を被り直した。
それは瞬きほどの僅かな間で、騎士は妖魔の動揺を認めることは出来なかった。
「大した理由ではない。 ……実に愚かな、”復讐”だ。」
目を瞠り息を呑む騎士の鼻先に煌く刃を突きつけ、妖魔は薄く嗤った。
聖剣伝説3 デュラン (『Insane empress』の1シーン) 2012/5/16

『評価』
「……これ、本当に上級なの?」
”自称”上級妖魔を指差しながら、疑わしげに連れてきた張本人に尋ねた。
シークはファウナッハを一瞥した後に、妖魔の頭を軽く叩きながら言葉を続ける。
「幻術や呪術など、魂関係に関する術は特化しているが、接近戦は不得意だ。
鎌を取り上げて力を封じれば、容易く倒せるだろう」
「ちょっと、あなた!!」
淡々と述べられた失礼極まりない台詞と態度に、妖魔が聞き捨てならぬとシークに噛み付いた。
手は止められたものの、彼らの眼差しは妖魔の価値を疑うもの。
―本当に失礼すぎる人間共ですね!!
腹立たしげに彼らを見渡した後に、フンと鼻を鳴らす。
「ワタクシは上級の中でもかなりの格を有し、数千年も魔界の中核で生きた…」
「貴様の妄想などどうでもいい。 使えるのか、使えないのか。どちらだ?」
妖魔の言葉を遮る形でゲシュタールが苛立たしげに一蹴した。
聖剣伝説2 四天王+α (『mystic』の没シーン) 2012/6/30

『たった一つの形見』
ゼファーが剣の手入れをしている時に、彼の手の中にある刀に目を向ける。
それは刃毀れ一つなく磨きぬかれた、見事な漆黒の刃だった。
「立派なナバール刀だな」
すぐ近くから聞こえてきた声に、ゼファーが彼方から視線を上げて、声の主を見上げた。
「ナバール刀? 東刀じゃないのか?」
「東刀という名称は知らないが、それは正真正銘のナバール刀だろ」
忍者として刀の目利きには自信があり、彼の持つ刀は今まで彼女が見たこともない程見事なナバール刀だった。
「何処で手に入れたんだ?」
「これは……師匠から譲り受けたものだ」
ゼファーが鋭い切っ先を宿す刀身を翳す。
漆黒の刃は窓から差し込む砂漠の強烈な日差しを浴びても、光を反射することなく全てを吸い込んでいた。
ゼファーの目が追想に耽て、深紅の瞳が懐かしく切なげな色合いを浮かべる。
「……大切な人だったんだな」
「ああ…。大切な、命の恩人だった」
聖剣伝説HOM ゼファー+シルフ (オリキャラ) (三人目の師匠の形見) 2012/7/28

『フィンランディ家の守護獣』
始まりは、末妹の一言だった。
生まれる前から家にいる大型犬の艶やかな漆黒の毛並みを撫でていた妹が、ふと顔を上げて姉達を見上げた。
「ねえ、レキっていつから家にいるの?」
無邪気な妹の問いかけに姉達が答えに窮して、犬を見る。
犬はくあと音のない欠伸を漏らして、知性の光が宿る黒い瞳で姉達を見上げた。
レキが何故数百年も生きられるのか。
それは魔王の末裔と呼ばれるフィンランディ家の代々の疑問だった。
オーフェン オリキャラ (ディープ・ドラゴンって数百年は軽く生きられそう) 2012/7/28
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