「聖剣伝説」
聖剣伝説3(HOM)

聖剣伝説3 小説 『短文集』2

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短文集に掲載している「聖剣伝説3」の話が20個以上になりましたので、10個分纏めてこちらに掲載します。
尚、此処に記載する話は『短文集』にあるものを一部修正したものです。



参照
『短文集』7.8.10.11







内容の系統
長編の1シーン 3












『短文集』7

『対決!』
「おや、これはこれは王女様。
こんな所でお目にかかれるとは思ってもいませんでした」
他の者には目も向けず、アンジェラのみを視界に宿す。
「紅蓮の魔導師!!ここで会ったが百年目!! 俺と勝負しろ!!」
デュランの叫びに、男の意識が漸く彼に向いた。
「ほほう、いつかの小僧か」
嘲笑う物言いにデュランが激昂し、剣を構えて雄叫びと共に仇敵めがけて突進する。
猪突猛進な様を鼻で笑い、魔導師が腕を伸ばすと結界が生じてデュランの体を容易く吹き飛ばした。
仰向けに倒れたデュランを見下ろした時、頬に痛みを感じてなぞった。
手にはべっとりと血がついていた。
―いつの間に…?
結界で吹き飛ばされる一瞬の間に、気迫と共に放たれた剣気が結界を切り裂き彼の体を傷つけていたのだ。
デュランが痛みを堪えながら、剣を支えにして立ち上がった。
「紅蓮の魔導師…!俺と戦え…!!」
その目に宿るのは怒りと…純粋な闘志。
紅蓮の魔導師が一瞥を送る。
「…デュランと言ったな。 貴様の事、覚えておくぞ」
仇敵の言葉に目を瞠ったが、魔導師の意識には既に彼の存在はなく。
男はアンジェラに慇懃無礼にお辞儀をする。
「では、王女様。 近いうちにお会いしましょう!」
聖剣伝説3 紅蓮の魔導師+デュラン (長編の1シーン)

『熱砂の秘密』
満天の星空の下、一陣の風が砂の海を駆け抜ける。
煌々と夜空に君臨する星空が、砂漠を見据える少女の姿を淡く照らし出した。
―この砂漠のどこかにナバールの本拠地がある。
広大な砂の海の中、巧妙に隠し通された要塞。世界中で最も謎に包まれた存在、ナバール。
かの要塞の所在は砂の民の伝承でも『熱砂の秘密』と謳われているだけで、具体的な情報は皆無に等しい。
ふと、脳裏に青紫の紙を持つ美しい忍者の姿が過ぎった。
しかしゆるりと頭を振るい、その姿を打ち消す。
―彼は誇り高い人。 例え命を失っても国の秘密を口外しない。
唯一ナバールを知る仲間は故郷を思い、絶対に秘密を曝け出さない。
彼女が何重にも覆われたベールを剥ぎ取ろうと手を伸ばしても、瞬く間に手の届かないところに逃げてしまう。
追いかけては逃げられ、触れることも許されないその様は蜃気楼とよく似ている。
―……まるで、ナバールのよう……。
片方は見ることすら叶わないが、両者とも決して核心に触れられないところは同じだった。
聖剣伝説3 リース (リース→ホークアイ前提。 サルタンにて)


『短文集』8

『処刑人』
注意
BadEnd』のデュランバージョンです。
此方に載せているオリジナル設定を使っています。

今この時ほど、生涯の忠誠を捧ぐ国を呪わしく思ったことはない。
「デュラン。 お前に悪魔の処刑を任せるとの英雄王様のご命令だ」
冷徹な宰相が感情の宿らぬ声で淡々と話す。
デュランが瞳の奥に宿る敵意を巧妙に隠し、騎士として了承の答えを口にした。
目の前にいる男こそが、”親友”を”悪魔”として処刑させる原因を作った存在。
拳を硬く握り締め、殺意を封じ込める。
決してこの男に躊躇いを気づかれてはならない。
しかし、彼の葛藤を読み取った宰相が冷淡な面持ちでデュランを睥睨した。
「お前は”悪魔”と行動を共にしていたそうだな? 奴の命惜しさにフォルセナ騎士の名を失墜させる真似をするでないぞ」
――もし、そのような真似をすれば、フォルセナだけでなく全世界を敵に回すことになる。
言外の脅しに、デュランがはらわたの煮えくり返る思いを抱く。
家族と騎士としての未来を人質にとられ、身動きの出来ない己が憎い。そして、己への憎しみよりも根深い憤怒と憎悪を抱くのは卑劣な手段を用いた宰相。
だが、ホークアイのために全てを捨てるには、デュランは国と家族を、雪の国の王女を愛しすぎていた。
聖剣伝説3 デュラン (書こうか悩んでいる『BanEnd』でのデュランの話の一部)

『A malicious boy?』
『…元気か、フレディ?』
『ケヴィン…悪いが、大人しくしててくれ。 ルガーの命令なのでな…』
『…フレディ…。お前は獣人王の後継者を牢屋に入れんだ。この事は獣人王に伝える…』
怒りを帯びた鋭い眼差しとは対照的に、淡々と押し殺した口調だった。
その言葉にフレディの全身から血の気を引く。
知らぬのは息子だけというほど、獣人王の不器用な溺愛はビーストキングダムでは有名なことだ。
いかなる事情があったとしても、ケヴィンを牢屋にいれたと知られれば……。
隠れ超親馬鹿の怒りは、何よりも恐ろしかった。
『ちょ、ちょっと待ってくれ!俺は、ルガーの命令で仕方なく…』
慌てて弁解するも、ケヴィンの責める眼差しに耐え切れずに顔を逸らす。
何か喋ってくれればいいのに、無言のまま凝視されて、フレディの全身から冷や汗が滝のように流れ出した。
獣人王と面差しも似ていることがあり、まるでケヴィンと共に獣人王に睨まれているようだった。
頃合を見計らって、ケヴィンが口を開く。
『フレディ。 今すぐオイラを出してくれれば、この事は獣人王に伝えずにおいてやる』
聖剣伝説3 ケヴィン+フレディ (長編の1シーン)


『短文集』10

『面影』
注意
BadEnd』の子供バージョンです。

私のお母様は毅然と凛々しい女王で、国母として国民から深く慕われている。
そんな女王の最たる謎は、私のお父様。
お父様が誰なのか。その生死すら誰にもわからない。唯一知っているのは、お母様だけ。
他の人達はお父様について様々な憶測を立てるけれど、お母様の目がそれは事実ではないと語っていた。

鏡に映るのは母親と瓜二つの姿。
映し出された虚像に父を思わせる面影を探すが、それを思わせるものは何一つなかった。
「…お父様…」
少女が深く目を伏せる。
鏡は何も答えず、ただ少女の姿を映すのみ。
聖剣伝説3 オリキャラ (『Badend』での娘の話)

『懐中時計』
寸分の狂いを知らぬ針は規則正しく時を刻み続けている。

新品の輝きを宿しつつ、年月の重みを感じさせる不思議な時計。
幼子の頃から手元にあったそれは、最早体の一部だ。
「随分と高そうな時計ですね」
すぐ側から聞こえてきた透き通る女性の声に、ホークアイがそちらを見やる。
リースが彼の手元にある時計を覗き込んで、何を思いついたのか目を眇めた。
「……もしかして…」
「違う」
疑惑の視線を向ける仲間に、ホークアイが毅然と身の潔白を伝えた。
「これは父さんの…祖父さんの形見だ」
これしか家族のものは残っていない、のだと。
目線を落として懐中時計を見つめる。
大切そうに語る目は、リースが母の形見のリボンを前にした時と同じもので。
彼の言葉が真実だと、如実に物語っていた。
それなのに唯一の形見を盗品ではないかと、あらぬ疑いをかけてしまった。
リースの瞳に傷ついた色が走り、深々と頭を下げた。
「ごめんなさい……! そんな大切なものを、私……!」
「あー、そこまで気に病むことはないよ」
ホークアイが軽く笑いながら手を振るう。
ナバールの性質上、盗品と疑われるのは仕方ないと割り切っており、謝罪してくれるだけでもマシだった。
聖剣伝説3 ホークアイ+リース (連作の一部)

『喪失』
「結婚しないのか?」
愛しい人の声に、振り返った。
嘗ては低く美しい声だったが、今ではその声も掠れて力がない。
病に冒され、余命幾許もない。嘗ての戦友で、大切な人。
「……その必要はありませんから」
これ以上の泣き顔は見せられない。せめてと、国母に値する凛々しい顔で答えた。
弟が王家の血を後の世にまで繋いでいく。だから女王として血を残すために、愛せない誰かに肌を許す必要もない。
「ホークアイ。 私は……」
「私は……」
今まで胸の内に秘めていた言葉を告げようとするが、ホークアイの静謐な眼差しを前に口を閉ざした。
長い病魔との戦いで嘗ての美貌は陰ってしまったが、今でも彼は端整で綺麗だった。
代々親から子へと受け継がれてきた死病。
それが最初で最後の恋人を奪うものの正体。そして……。
――国の命運を左右する存在に、死病を齎す血を入れてはならない――
彼女の求愛が拒まれた最大の理由だった。
聖剣伝説3 ホークアイ・リース (没にしたネタをリサイクル)

『祈り』
「おい、しっかりしろ!!」
デュランの呼びかけに、騎士がゆっくりと目を開いた。
しかし瞳孔が開きかけたその目は、もう助からない事を物語っている。
「う…、アルテナの…魔女達が……攻めて来た……」
騎士が最期の力を振り絞り、必死の形相でデュランの服を縋るように掴んだ。
「……英雄王様が……危ない……」
「!!」
言いえた直後、力尽きた兵士の腕が地に落ちた。
目の前で失われた知人の死を前に、デュランが小さく呻いて感情の波をやり過ごし終えると、騎士の手を胸元で組ませた。
厳かに剣を抜き黙祷を捧げた後に力強く立ち上がり、仲間達を見つめる。
「行こうぜ!! これ以上、犠牲を増やすわけにはいかねぇ!!」
聖剣伝説3 デュラン (長編の1シーン)


『短文集』11

『肖像画』
階段の踊り場に並ぶ立派な額に収められた振るい肖像画を見上げる。
一番目立つ所に飾られたそれは、幸せそうに視線を交し合う二人の男女の姿が描かれていた。
滅亡寸前にまで壊滅したローラントを立て直し、この国の繁栄の礎を築いた偉大な先祖達。
肖像画は遠い昔に失われた先祖の美しい姿を、今に伝えていた。
そして、見ているだけでも照れくさくなる程のお互いへの愛情を湛えた姿も。
聖剣伝説3 オリキャラ (子孫視点のホークアイ・リース)

『手紙』
「ホークアイ、何を燃やしているんですか?」
青年が焚き火をしている中、明日彼の妻となる女性が手元を覗き込んだ。
彼の手の中にあるものは、宛先に故人の名前が書かれた結婚式の招待状。
「……届くかどうかも分からないけどさ」
寂しげに笑いながらも、それらを一枚一枚丁寧に火の中にくべていく。
紙は炎の中で燃え上がり、煙は風に吹かれて空に溶けて行った。
「それでも、皆に来て欲しいんだ」
聖剣伝説3 ホークアイ・リース (亡き大切な人々へ、幸せを伝えたい)
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