「聖剣伝説」
聖剣伝説 『女神の騎士』

聖剣伝説 『女神の騎士』 小説 【Opening】

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一万年という長きに渡り、何人たりとも足を踏み入れられなかったマナの聖域。
嘗ては生命力に満ち溢れる樹海が果てしなく続いていた大地も、今では死の静寂に包まれた荒涼たる大地へと変わり果てていた。
マナの樹から無尽蔵に放出される狂った純粋なマナが暴走し、魔界の瘴気とは異なる禍々しさが”聖域”を満たす。
本来なら生命を育み力を与えるマナが、今では命を削り死を齎すものへとなっていた。

遥か彼方に聳え立ち、天に届かんとする。大地に深く根を張り、森羅万象を滅ぼす。
周囲の生命を根こそぎ奪いつくして我が身に取り込むなど、嘗てのマナの樹ではありえぬ姿だった。
このままでは遠からずマナの樹は死に絶えて、世界は完全に滅ぶ。
それを防ぐためには、”暴走”を止めて、新たなる芽を作るしかない。

「……ねえ、恐ろしくないの?」
幼い少女が漏らした弱音に、青年が彼女の頭に優しく手を乗せた。
不安げに彼の顔を見上げる少女を安心させようと笑みを浮かべるが、どこかぎこちないものになった。
それは恐れゆえではなく――。
感傷を振り払って、不敵に笑って見せた。
「まさか。 本当ならとっくの昔に死んでたのが、今まで生かされていただけだぜ」
だから死への恐怖はないのだと、語る。
「……もうすぐ解放されるんだ。 長く果てない生からな」
そう、漸く終わる。
永遠に等しい不死の生命も、果てない放浪も。全てが間もなく終わるのだ。
久遠から寿命なき生に疎んじながらも待ち続けた時が訪れる。
これから訪れるであろう解放への喚起が熱く渦巻き、胸を焦がしていた。
―だが……。
少女の顔を、真っ直ぐに見つめる。
「マナ。 俺が”役目”を果たせば、お前は消えないから安心しろ」
穏やかな男の声に、少女が涙を堪えるように唇を震わせて、顔を背けた。
「……それでも、どのみち……」
――あなたは、必ず命を落とす。
勝っても、負けても。それは変わらない。
永遠の命を与えた存在を、殺すのだから。

長きに渡る放浪を経て、漸く訪れた最後の地。
これから待ち受ける戦いが、最後の戦いであり、最期の時。

戦うからには勝つ。そうしなければ、彼がこれまで生きてきた時間は全て無駄になる。
暴走を予見したマナの女神の良心として、後に女神を殺すために生き続けてきた時間が。
忘却の彼方へと消えていった、大切だったであろう人々のためにも。

一万年もの間、共に生きてきた相棒たる剣を握り締め、狂った破滅神と対峙する。

全ての始まりは、一万年前。
”彼”が、まだ”人間”だった頃にまで遡る――……。






言い訳
『女神の騎士』の本編は二部構成になっており、これは二部目のクライマックスのシーンです。
(目次や基本設定などにあるのは一部のみです)
二部のクライマックスを、一部のオープニングに持ってくるか?と自分で突っ込みながらも、謎が謎を呼ぶ開幕にしました。

此処まで行くのにかなりの時間を要しますが、必ず完結させます!



2013/4/25に小説に移行
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