短文

『短文集』14

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火星物語  1












『骨肉の争い』
注意
ファルコンとサンドアローの性別を変えてます。

鬼気迫る顔で対峙し合う両者の間に飛び散る、殺気に満ちた火花。
憎悪と憤怒、それらを覆う敵意の渦は室内を激しく巻き上げて、嵐という形になって近づこうとする者を悉く跳ね除ける。
一方が隙を見せればすぐさま喉元を切り裂かれるような一触即発の空気が父子間に張り詰めていた。
お世辞にも決して仲がいいとは言えない二人の騒乱の根源は、ある一人の女性。
ナバール一美しいと評判の、天女のような美貌を備えたサンドラ。
フレイムカーンからすれば大切な人から託された掌中の珠であり、ファルコンからすれば理想の姉であり、初恋の女性だ。
年頃になった養女と再婚したい親父と、そんな事断じて許すものか、結婚するのは自分だと頑として主張する息子。
当の本人の思いを置き去りにしたまま恋焦がれる女性を巡って、父子の間で長年血で血を洗う争いが数えるのも馬鹿らしいほど繰り広げられていた。
聖剣伝説HOM フレイムカーン+ファルコン (『とある話につき、要注意』の、ナバール父子間の争い話の1シーン) 2012/11/25

『それは、永遠に非ず』
「ずっと一緒にいる」
待ち望んだ言葉に高鳴る胸とは裏腹に、心は熱を失い凍えていく。
ずっと、一緒に。
誠実なケヴィンは、必ずその約束を守ってくれる。
でも、それは「私の」”ずっと”じゃない。
聖剣伝説3 ケヴィン・シャルロット (寿命の違い) 2012/11/29

『二人の女』
精一杯の社交儀礼の笑顔を貼り付け、二人の女性が円卓を挟んで向かい合っていた。
豪奢な金糸の髪と蒼穹の瞳の洗礼された麗しき女性と、透き通る藍玉の髪に黒曜石の瞳の華やかで愛らしい女性。
表向きは美女達による朗らかな談笑だが、水面下で繰り広げられるのは、女同士の熾烈な戦争そのもの。
見る者が見れば恐怖に震え上がる空気を漂わせて、激しい火花を散らし拮抗させながらも、表面上は紅茶を嗜みつつ穏やかな時間が過ぎてゆく。
聖剣伝説3 リース+ジェシカ (ホークアイを巡る譲れぬ争い) 2012/11/29

『髪型に纏わるエピソード』
「髪ねぇ……。 短くしてもいいけれど……」
呟き終えてから、大きな溜息を一つ漏らした。
「そしたら広がるのよ」
意のままに御し難い外跳ねの強い癖毛を白魚のような指先で弄りながら、柳眉を寄せる。
それはヴァンドールの宝石と称される絶世の美貌を誇る女性の、容貌に纏わるたった一つの悩みだった。
聖剣伝説2 ファウナッハ (髪の重さで癖毛を抑えているので、どうしても髪型に制限が出来てしまう) 2012/12/2

『Q&A』
Q.陽炎様へのセクハラ発言に、往来での派手な立ち回り、すぐ死んでしまうところなど……。どれをとっても兄様らしくありません。
一体後半の兄様はどうしてしまったんでしょうか? Byお胡夷
A.薬師寺天膳の顔型を通して、天膳ウイルスに感染してしまい、天膳病を患ったからです。
バジリスク (ちょっとしたネタ) 2012/12/6

『白百合が告げるは、解放と祝福』
――幸せなお嫁さんにしてね。
それは必ず叶えられるはずだった許婚との、幼い頃の思い出。
結局是という答えはついに放たれなかったわねと自嘲した。
そっと指先で目元を拭ってから、純白の百合の花束から一輪を丁寧に摘んだ。
一輪の百合を相手に手渡す。
それは大昔から伝わるナバールでの、許婚や恋人との訣別の儀式。
――女は強く、潔くあるべき。
母の残した美学と百合を胸に、毅然と顔を上げて颯爽と歩く。
愛しい人の幸せのために、自ら身を引く。
それも、一つの愛の形だと信じて。
聖剣伝説3 ジェシカ (ホークアイ・リース前提で、彼の幸せのために婚約解消するジェシカ) 2012/12/28

『異文化』
それを差し出された瞬間、冷静沈着なホークアイの思考は完全に停止した。
「……嘘、だろ?」
数多の障害を乗り越えて漸く恋人同士になれた翌日に、突如別れを切り出されるなんて。
あまりにも残酷すぎる。
目頭が熱くなり、耐え切れずに目を伏せるが、こんな時ですら涙は出なかった。
「嘘じゃありません!! これが私の……あなたへの想いです」
恥らうように頬を赤らめて、上目遣いでホークアイを窺う。
しかし精一杯の勇気を振り絞って愛を告白したのに、ホークアイは何故かこの世の終わりのような悲壮な顔をしていた。
どうしたのだろうと訝しみながらも、暫しの時間を置いてホークアイが重い口を開く。
「………リース…。 それが君の気持ちなら……」
「愛してます」 「別れよう」
同時に放たれた噛み合わぬ言葉に、お互いが何?と言わんばかりに顔を見合わせた。
リースが差し出したのは一輪の純白の百合。
ナバールでは男女の訣別に、ローラントではプロポーズに用いられる。
国による花の意味の違いを、二人とも知らなかった。
聖剣伝説3 ホークアイ・リース (国によって違う、花の意味。ナバールでは三行半以上らしい) 2012/12/28

『とあるやりとり』
「シーク。極東では純白の百合を贈る事が離婚届以上の意味を持つそうだが……。 いつからそのような風習が根付いたかわかるか?」
突然のタナトスの言葉に目を剥いたが、少し思案するように目を伏せた。
「…古代文明時代の故事にそのような描写があったから、もっと昔じゃないのか」
「そうか。 ではシーク。君はその風習がいつまで続くと思う?
一万年以上昔から連綿と伝えられても、これより未来。永久に残されることはなかろう。
数百年?いや、数千年か? いつまで残っていられるか……君の予想を聞かせてもらいたい」
―そんなこと、知るか。
例え人々の心に根ざしたものであっても、時代の移り変わりと共にいつかは廃れるものだ。
伝える人間がいなくなれば、風習など跡形もなく消え去る。
そこまで考えて、タナトスが何故このような事を言い出したのか、見当がついた。
「……タナトス。お前は……」
しかしその続きは紡がれる事なく胸中に閉じ込められた。
思い至った確信。それはきっと、タナトスの気づかぬ本心だから。
聖剣伝説2 シーク+タナトス (没エピソードのリサイクル) 2012/12/28

『勝機ある者、足手纏い、そして笑い鮫』
獣人王ガウザーが呆れたような眼差しをある人物に向けていた。
その先にいるのは、フォルセナ王子リチャード。
そのあまりにも色々と苦情を申し立てたい戦いぶりに、呆れすら通り越して言葉も出ない様子だった。
「……一国の王子が、こんな無謀に戦うものなのか?」
「あなただって人のことは言えませんよ? あの時、真っ先に飛び出してきたじゃないですか」
「民を守るのは王として当然だ。
第一、俺はあそこまで弱く、考えなしではない」
何処か苦虫を潰した面持ちでリチャードと、彼の補佐と守りに奔走するロキの姿を眺める。
己の実力を省みず、己と部下の命を危険に晒すなど、上に立つ者のすることではなかった。
聖剣伝説HOM ガウザー+ユリエル (とある没話) 2012/12/30

『余ってしまった時間』
今は何かに夢中になりたくて、自室で機械弄りをする。
以前は時間を作ってでも鍛錬や文献を読み漁っていたが、今はそれも控えめになった。
多分、もう過去に行く事はない。
酷く漠然としていたが、不思議とそんな確信を抱いていた。
だから、もう文献に目を通していない。
過去には興味はある。しかし、それはもう失われたものだ。
文献を読む事でクエスの時代やアンサーの時代の事を思い出す。
今は、それが酷く辛かった。
火星物語 フォボス (23話後の、落ち込んでいる頃) 2012/12/30
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