「聖剣伝説」
聖剣伝説3(HOM)

聖剣伝説HOM 小説 『闇の語り』

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注意
オリジナル設定や要素が結構強いです。
時系列としては2→FF外伝→3(HOM)です。
ベルガーが某死神仮面に乗っ取られかけているという前提です。













「MOBシステムって、いつ頃出来たんだろう?」
ナイトソウルズの皆が集まっての食事時に、ふと疑問が漏れ出た。
言ってから、幾人かの視線を受けて、逆にロジェの方が驚く。
ただの独り言だったから、このような反応を返されると却って戸惑った。
「えーと……。 魔物を操る方法なんて、何処の誰が、いつ、どうやって作ったのか…気にならないか?」
以前は気にする事もなかったが、独力で思うが侭に魔物を操れるテケリと出会ってから、度々考えるようになった問題だ。
MOBシステムは魔物を操ることは出来るが、便利な分制限も多く、主力とするには暴走した際の危険性が高すぎる。
一歩間違えば味方にまで甚大な被害を齎す諸刃の刃だからこそ、兵士や傭兵という職業は廃業しないのだ。

「最初にその原型を作り出したのは、今から一万五千年前のヴァンドール帝国だ。
それ以前は只人が魔物を操るという概念すら存在していなかった」
最も当時は別の名前だったがと言ってから紅茶を口に含むベルガーに、皆の視線が集まった。
「へぇ、そうだったんですか」
「ヴァンドールって、あの神話に出てくる?」
「独自にそのような技術を作り出せるなんて、昔の人は凄かったんですね」
皆が思い思いの感想を述べる中、少し意外そうに瞬いていたユリエルがベルガーを見た。
「私はてっきりグランス公国が作ったものだと思っていました」
「ああ。それはヴァンドールの技術を流用して、多少アレンジを加えたものらしいよ。 幾つか異なるが基本は同じだったから、まず間違いない」
宮廷魔導師のジュリアスはヴァンドール人だったという。彼からヴァンドールの知識と技術がグランス公国に伝わったのだろうと語った。
聞き終わってから、ジェレミアが首を傾げる。
「でも、それらは一万年以上昔の話だろう? MOBシステムが確立されたのは五千年前じゃなかったか?」
「え?そうなの?」
「私はヴァンドールとグランスのそれが、”MOBシステム”だと一言も言ってないよ」
あくまでも魔物を操る技術の発祥について話しただけだとしれっと言うベルガーに、ジェレミアが眦を吊り上げる。
それと見て取ったベルガーがふと笑うと、
「短気はよくないな、ジェレミア殿。
物事を語るには順序というものがあるのだから、人の話は最後まで聞くものだよ。 いいかね?」
幼子に言い聞かせるようで、それでいて小馬鹿にしたような口調に、ジェレミアが顔を紅潮させて歯を軋らせるが、グッと耐える。
それでも腹から湧き出るものは堪えきれないのか、拳を強く握り締めていた。
幾らジェレミアが短気とはいえ、此処まで怒りを露わにするのは珍しい。
相性の悪い二人のやり取りにロジェがハラハラとしていたが、それはベルガーが喋り始めるまでだった。
「…………嘗て世界大戦が起きて、闇のマナストーンの封印が解かれた時には、世界は神獣と魔物によって滅亡寸前にまで荒廃した」
何故、封印が解かれたのか。現在では分からない。
負の思念に影響されて、というが、闇の血族が施した封印だ。その程度で解けるわけがないと、ベルガーは断言できた。
「一万年前に神獣を封じたグラン・グロワの死を以って、その術を完全に失った人間は神獣に対して成す術もなかったが、無限に湧き出る魔物を何とかする必要があった。」
マナの血族及び聖剣が存在すれば闇の神獣を再び封印することは可能だったが、それらは最早神話に名を残すだけの存在に過ぎなかった。
神獣を止めることはできなくとも、魔物ならば若しくは、と当時の人間は考えたのだ。
「人類の存在が危ぶまれる絶望的な戦いの中にあっても魔物を封じる術を探して、古今東西の文献を捜し求めた。
そうして、彼らは漸く見つけたのだよ。 グランス公国が残した魔物を自在に操る知識と技術を」
当時の人間にとって、それは唯一の命綱だった。
神獣が暴れ狂う影響も甚大であったが、それに触発された魔物による被害の方が大きかった。もし魔物を封じて操ることが出来れば、人類は生き延びられる可能性を得られるのだから。
まさしく、人類の希望そのものだ。

「人間というものは死に物狂いになれば恐ろしい力を発揮するものだね。
半年もしないうちに未知の知識と技術を解析すると、より負担の少なく完璧に近い制御方法を編み出したのだから」
魔物を操り、その脅威から解放されたことにより、人類は暗黒時代を生き延びられた。そうして被害を食い止めている間に、闇のマナストーンは現世から消え去ったのだ。
「けれど、生き延びた安堵と、意のままに制御出来る魔物を前に、当時の人間はトチ狂ったんだろうね。
復興後の戦争に魔物を使っていたのだが、ある時を境に起きた謎の暴走によって、戦争に明け暮れていた国々に世界中の魔物が大挙して押し寄せて喰い滅ぼされてしまったよ」
自業自得だと、冷ややかに蔑むベルガーに、嫌な話題だと今まで黙っていたテケリが少し間を置いて小さく頷いた。
「当時作られたMOBシステムはこの時に失われたが、辛うじて世界へと流れ出した断片的な情報を元に、長い年月をかけて今のMOBシステムが出来上がった。
ロジェ殿、これが魔物を操るMOBシステムの成り立ちだよ」
「あ……はい……。 ……ありがとうございます」
何故だか顔を合わせられずに俯くロジェを気にする素振りを見せずに、ベルガーが鷹揚に頷く。
当時の人間が自滅する様を文献で読んで、”彼”は嘲笑を抑えられなかった。
本当に魔物を操れるのは森の民と、人知を逸脱した三強人種のみ。それ以外の只人がいかに闇の血族が作ったシステムを理解して構築式を作っても、魔物が理不尽に従い続ける筈もない。
そんな事も分からない只人が、可笑しくてならなかった。

「ベルガーさんって、やっぱり闇の司祭だけあって物知りですね」
ロジェの感嘆にベルガーは、否彼の肉体を乗っ取っている”誰か”は…笑った。



言い訳
ベルガーはウェンデルにあった書物や呪具などを通じて某呪術師の思念と融合していたという設定です。(よっぽど相性がよかったんでしょう。ベルガーにとっては最悪なことに)
HOMの時点ではベルガーが表に出ている時と、呪術師が表に出ている時の交互に入れ替わっており(主に呪術師の意思によって決まる)知識を互いに共有しあっていたという。
『転生の秘法』に手を出してからは一気に某呪術師の思念に占領されますが。

3でのベルガーのダークリッチ化や、人が変わったと言うヒースの言葉やアンデッドや死者の国などから、某呪術師の片鱗に乗っ取られたのか?と昔から思ってましたので。
『転生の秘法』なんて、明らかに某呪術師っぽいものがあったのも理由の一つです。
某呪術師にとっては、ヴァンドールもバンドールも同じなので、纏めて”ヴァンドール”と呼んでます。

後、魔物と意思疎通を交わせる森の民であるテケリにとって、MOBシステムは意思や尊厳すらも踏み躙る極悪非道な外道の手段なので、結構否定的です。



2013/11/20 小説へ移行
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