未完

聖剣伝説2 未完 『破滅の序奏』

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注意
オリジナル設定や要素がかなり強い話です。

時系列からすればゲーム直前の頃合です。

『Thanatos』とリンクしてます。











ノースタウンを東に進めば、人里離れた森の中に古代遺跡がある。
所々修復された痕跡のある遺跡は、マナの要塞が作られるよりも昔に建築されたもので、元々は魔神を奉るものだったという。
この手の遺跡は世界各地に幾つかあるが殆どは朽ち果てており、パンドーラの遺跡も大部分が崩落している。
そんな中でヴァンドールの遺跡の保存状態には目を瞠るものがあった。
それもその筈。今でこそ人の往来が途絶えているが、タナトスがこの地に根を下ろすまではヴァンドールは極東の直轄地であり、この遺跡も三強人種の一つ血統者が作り変えて、”封印所”として用いていたのだから。
そのおかげで、ここは妖魔を封じるのに、この上なく最適な場所でもある。

古代遺跡の再奥に眠る、殊更強固に守られた一室。
壁のみならず、床や天井にまで。四方八方に複雑怪奇な魔法陣が幾重にも重なり合いながらも密に描かれていた。
部屋の中心、魔法陣の中核に位置する場所には巨大な半透明の柱があり、その柱に刻み込まれている規則的な文様の連なりは遥か昔に失われた魔法の構成式と術式だ。
無数の魔法陣が淡く発光する柱に躰の半分以上を取り込まれている人間がいた。
いや、”人間”というよりは耳の形と、薄く開く虚ろな目の形が如何なる亜人種とも異なっている。
それは妖魔の主、魔界の統治者。魔王その人であった。
眼前にあるものを悠然と見上げて、タナトスが珍しく、嬉しそうに顔を綻ばせる。
「漸く、マナの要塞を手に入れられる」
ほぅと安堵と達成の入り混じる息を吐いた。

マナの要塞を復活させるためには膨大なマナを必要とする。
世界的にマナが枯渇しかけている今、一万年も封じられていた要塞を起動させるだけのエネルギーが足りないのだ。
大気中になければ生物、特に人間からマナを抽出するのは世界の常識であるが、何分必要量のマナが多すぎて、到底手に負えなかった。
しかも不純物の多いマナを使えば要塞にどのような悪影響が出るかも分からないので、”使える”ものはマナの血族と、上級妖魔の二種類に限られている。

マナの結晶体とも言うべきマナの血族と、マナの含有量が異常に突出している上級妖魔を使ったとしても、尚マナの要塞復活には足りなかった。
そこでタナトスが目をつけたのが、魔王だ。
マナの含有量だけをいうならば魔界の中核の奥に住まう永遠をゆくものの方が遥かに多く、一体だけでも目標値のマナを確保できる。
しかしあれらを相手にするのは、無理だ。
連中は魔界と密接に繋がった存在であり、幾ら闇の血族としての力を極めた”不死”のタナトスといえども殺す事は困難であり、ましてや”生け捕り”など不可能だと判断したのだ。
その点魔王ならば手が届く範疇だったので、マナの要塞復活のためには失敗が出来ないタナトスにとって、魔王を用いる魅力は大きかった。

魔王と魔王城に住まう上級妖魔9割。そして、現存する全てのマナの血族。
これらを以ってマナの要塞復活に必要量のマナを確保できた。
―後は、マナの要塞を復活させるだけだ。
魂の奥底から焦がれながらも、不可能だと諦めていた存在。
それが、目に見える所まできていた。

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