未完

聖剣伝説2 未完 『深層』

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注意
オリジナル要素があります。














僕の大切なプリム。
例え、僕の記憶には君の姿が殆ど残されていなくとも、君への想いは魂に深く刻み込まれて、辛うじて僕を”人間”として繋ぎとめてくれる。

タナトスと同化して分かったことがある。
只人から産まれる闇の血族は、人知を逸脱した魔力ゆえに迫害に晒されてきたことを。

闇の血族は生来的に心が闇に陥りやすい上に、凄まじい偏見、差別、迫害。そして孤独によって追い詰められて、地獄に囚われる。
今までタナトスが乗り移ってきた人々も憎悪、憤怒、怨恨、侮蔑、嘆き…ありとあらゆる負の心に満たされていた。そんな数多の怨念と怨嗟はいつしかタナトスをダークリッチへと変貌させていった。
でも、必ずしも闇の血族に乗り移れるわけでない。たった一つの例外がある。
愛情に恵まれて”幸せ”を知る者の体を、タナトスは奪えないんだ。
魂や精神に刻み込まれてきた記憶、取り込んできた人々の想いが新たな体を拒絶する。また”通常”はタナトスの思念に触れて、喜んで身を捧げる体も激しく抵抗する。
双方共に反発しあう中、乗り移りを強行すれば、両方消滅してしまうから。
でも、タナトスはそんな器の”邪魔なもの”を全て抹消する事で、乗り移りを可能にしてきた。
……だから、僕にはもう、記憶や感情もない。ただの道具に過ぎないんだ。
それでも、プリム。君が関わっている時は短い時間でも”人間”に戻ることが出来て、君への想いを核に残された記憶をタナトスから隠し通せた。
だけど、それも極僅かで、”ディラック”という人間は、もういないんだ。

タナトスは僕から幸せを、愛を、人としての温もりと光を奪った。
そんな人間に残された心なんて限られている。
悲しいことに、もし”僕”のまま生きながらえても、僕は第二のタナトスになると確信できてしまうんだ。

タナトス。そして闇の血族達。
過ぎたる力ゆえに誰も理解者はおらず、共に寄り添い、心を許せる人もいない。利用され、命を狙われ、迫害されてきた人々。
それは、何かが違っていれば僕の姿でもあった。

……プリム。最期に会えてよかった。
僕がいなくなる事で悲しんでも、それは長い人生の中でみれば短い時間だ。
君は強い女性だから、立ち止まることなく前に歩いてゆける。そして必ず幸せになれる。
だから、僕は安心して君を他の人の手に委ねられるんだ。

タナトス。共に逝こう。
同じ闇の血族として、君を孤独に死なせはしない。
それが同胞として”君達”を地獄から救う唯一の方法だ。
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