未完

火星物語 未完 『期待と重圧』

 ←火星物語 未完 『恐れを知らぬ者』 →聖剣伝説 『女神の騎士』 小説 【短い曲の物語】1
注意
かなりオリジナル設定の強い話です。








『暗黒面』にも繋がる話です。
















「最後の風使い」
そう言われる度に、少しずつ降り積もってゆく期待と重圧。
蓄積されていく過度の圧力は、緩やかに着実と心を潰していく。
助けや支えはあっても、フォボスの代わりは誰もいない。
そんな孤独は確実に彼の心を蝕んでいった。
それと共にフォボスを追い詰めるのは、周囲の認識。
「風使いだから、どんな不可能も可能に出来る万能な存在」
「君はたった一人の風使いだ」
「風使いは平和のために行動していたのだろう? ならば何の異議がある?」
400年ぶりに現れた風使いへの”全て”が、唯一「最後の風使い」であるフォボスに押し寄せる。
言葉を変え、形を変えてもその根底にあるのは浅ましい欲望。
元が純粋な少年は、時に心無い言動に傷つきながらも人間を信じていた。
友人であり風使いの先達であるアンサーやクエスのように人々のために尽くせるように、一生懸命頑張っていた。
けれども……。

最後の風使い、最期の風使い。
伸ばされる助けを求める手と共に、その言葉がいつまでも渦巻く。
「最後の風使い」
そう言われる度に”記号”が先行して、フォボスという人間を見ていないのだと失望する。
そして、伸ばされる手を握り返せば、手は際限なく増えて執拗に迫ってくることにも。
周囲に群がる手が増えることと反比例して、名前で呼ばれることが少なくなっていく。
ますます深くなっていく疎外感に苛まれながらも、いずれ溝はなくなると持ち前の明るさで楽観視していた。

救いを求める手を取り、風使いとしての力を行使するにつれて、向けられる眼差しは次第に畏怖や恐怖へと変わっていく。
この頃には名前で呼ばれることも稀になり、限られた人間しか”フォボス”として見てくれなくなっていた。
人々の変わりように、酷いと嘆くよりもそういうものだと割り切って、感情に折り合いをつけることが多くなって。

いつしか四面楚歌に陥ったフォボスにも、拠り所はあった。
セイラ達だけはいつまでも変わらずに「フォボス」と名前を呼び、「風使い」と記号では呼ばない。
それがどれだけ嬉しくて、救いになっているのか。言葉を尽くしても言い表せないほど感謝をしていた。

風使いは全ての人々のためにいるんだ。
クエスの言葉が。
人間には色々な奴がいるから、一部だけを見て判断するな。
サスケの言葉が。
フォボス君、これは君にしか出来ないことだ。
ランディの言葉が。
亡くなった人々の言葉が、フォボスを追い込む要因の一つにもなっていた。


言い訳
ドラマCDに出ていた「利用されつくした挙句捨てられた風使い」とフォボスが重なり、書き上げた話です。

現代で事あるごとに言われる「最後の風使い」という記号は重い。
支えてくれる人間はいるけど、他に助けや代わりもおらず、全ての重圧がフォボスに押しかかる言葉でもあると思います。

12歳の少年でも最後の風使いなら出来るだろうと無茶難題を吹っかけられたら、フォボスの負担も凄まじいと思う。
過去ではアシストだったのに、現代では先頭に立って、もし彼が失敗すれば一巻の終わりという凄まじいプレッシャーに常時置かれていたら精神的に参ってもおかしくない。
フォボスに平穏な暮らしをと思うけれど、彼が「最後の風使い」である以上、周囲が放っておいてくれないだろうと考えてます。
スポンサーサイト


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ
総もくじ  3kaku_s_L.png ドラゴンボール
総もくじ  3kaku_s_L.png 火星物語
総もくじ  3kaku_s_L.png 聖剣伝説
もくじ  3kaku_s_L.png その他
もくじ  3kaku_s_L.png 未完
もくじ  3kaku_s_L.png 考察もどき
もくじ  3kaku_s_L.png 短文
もくじ  3kaku_s_L.png 裏部屋
  • 【火星物語 未完 『恐れを知らぬ者』】へ
  • 【聖剣伝説 『女神の騎士』 小説 【短い曲の物語】1】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【火星物語 未完 『恐れを知らぬ者』】へ
  • 【聖剣伝説 『女神の騎士』 小説 【短い曲の物語】1】へ