未完

聖剣伝説HOM 未完 『それは真か、偽りか?』2

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注意
シリアスなタイトルですが、中身はギャグ系です。
誰が誰に投票(好意を伝える)をするか、という話です。

ロキとリチャードのキャラが壊れています。
特にリチャードが壊れています。



『それは真か、偽りか?』~Case ロキ~
注意事項

一人三枚の投票用紙に、三人まで投票可。
三人に投票するも、一人や二人に投票するもよい。
但し、自分への投票は無効。

投票時に”大声”で読み上げますので、熟慮の末に書かないと思わぬトラブルや、人間関係がこじれる可能性があります。
万が一の事態が生じても、当方は一切の責任を背負いません。


















ヴァルダが母親に三票投じた。
それはリチャードにとっては青天の霹靂だった。

「いつまでふて腐れているつもりだ?」
王女が投票してから今に至るまで、一向に浮上する気配のない主人の姿に、ロキはすっかり呆れ返った。
いつものことと言えばいつものことではあるが……。それを言ってはお仕舞いだ。
「これが嘆かずにいられるか!!」
怒声を返す王子に、俺は今のお前の姿に嘆きたいと胸中で吐き捨てる。
「俺はヴァルダに三票投じたというのに、ヴァルダは……」
「王子。王女が別の男に投票したってならまだしも、母親に投票したのだろう。だったら、そこまで嘆かなくても」
「俺はヴァルダに捨てられたぁ!!」
こら、待て。何故そうなる?たかが投票でそこまで飛躍するか!?
突っ込みたい所は山程あったが、それよりも場をわきまえずに号泣する王子の肩に手を置いた。
「今は泣き止まなくてもいい。 怒りも悲しみも、全て涙に変えてしまえ。
泣いて泣いて、泣き尽くした時はすっきりするものだ。
だから今は泣いて、一刻も早く元に戻ってくれ」

漸くリチャードが落ち着きを取り戻した頃に、ロキがホッと胸を撫で下ろすが、
「何故、ヴァルダは俺には一票も投じてくれなかったんだ?」
まだ立ち直っていなかったか。
「王子……。王女の立場をよく考えてみろ。
こんな公の場で、自分の本音を曝け出せないに決まっているだろ」
「そんなことはない!!俺は開始早々ヴァルダに三票投じたぞ!!」
それは王子が人目ってものを気にしないからだだろう。普通の公人は違うってことをいい加減分かってくれ。
ロキが口を開こうとするが、リチャードが素早く手で制する。
「それに皆俺達の仲を知っている者達ではないか!!ならば、本心を隠す必要が何処にある!?」
「こら、待て王子。
その目を見開いて、よく見てみろ。 俺達の仲間ではない人々も大勢いるだろう。なのに……」
「問題はない。 彼らの何人かと話をしてみたが、私達の事は誰も知らなかったぞ」
王侯貴族の顔は一般に知られていない。だからこそ、王子の城下町でのお忍びが成り立つのだ。
そもそも、彼らの事を知らないからと言って安心できる材料にはならないだろう。
「お前の考えていることは分かっているぞ、ロキ。
彼らの一人に出身地を聞いてみたが、聞いた事のない地名だった。 つまり、私たちとは世界か時代のどちらかが違うということだ」
これは、救いがたいな……。
特に極力二人の関係を内密にしたい王女に対して、王子は隠す必要など微塵もないと考えている点だ。そうでなければ、こうもあからさまに公言できない。
「リチャード。頼むから、もう少し人の目と耳というものを気にしてくれ。 お前がこのままだったら、俺は死んでも死にきれん」
「何を言う、ロキ。 お前が俺を置いて死ぬわけがないだろう!」
ハハハ、と豪快に笑う王子にロキが絶句していると、腕を引かれた。
そちらを見ると、心配そうにロキを見上げるテケリと目が合った。
「ロキさん、今にも胃に穴が開きそうな顔をしてますけど、大丈夫でありますか?」
「ああ、大丈夫だ。 これもいつものことだから、心配しなくても平気だ」
ロキの愛想笑いに何かを感じ取ったのか、テケリの表情が少し曇った。
「……さしでがましいようでありますが……」
テケリがリチャードをチラリと見た後に、声を落とす。
「………一度王子と距離をとったほうがいいでありますよ」
「それは無理だな。 何たって王子と公私を共にして、彼を守るのは私の仕事だ」
「でも、」
「そんな事よりも、君はもう投票を終えたのか?」
投票時に拡声器を使って読み上げられるのだが、ヴァルダの投票結果を聞いてから他者の投票を聞く余裕などなかった。
テケリは何か言いたげにロキを見ていたが、溜息をつくと、にっこり笑ってみせた。
「はい、隊長に三票投票しました」
「それは……」
「それはいかんぞ!!」
突如大声を上げたリチャードに、ロキが驚いて振り返った。
関係ないだろうに、王子は顔を真っ赤にして荒々しく椅子から立ち上がると、テケリに詰め寄る。
「この投票は相手への好意を伝えるものだろう!!なのに偽りの気持ちで投票するなんて、以ての外だ!!」
それを聞いてロキは、何故あれほどまでに王子が落ち込んでいたのか。その理由の一端が分かった気がした。
王子はこの投票が純粋に好意の上に成り立つものだと思い込んでいる。だからこそユリエル隊長の爆弾発言に猛然と抗議し、王女に振られたと勘違いもした。
しかし、ロキはこれが建前によって成り立つものだと認識している。
投票時に大声で読み上げられるという時点で、本音を曝け出すなんてありえないからだ。
「今すぐ間違った答えを撤回して、君の偽りのない本心を告げてくるんだ!!」
「いい年をした大人なのに、処世術ってものを知らないのでありますか?」
暑苦しい王子に、テケリが鬱陶しそうに答えた。
処世術か。それを王子に教え込ませることが出来たら、ロキの負担は大きく軽減されるのだが……。
「子供がそんな言葉を使うんじゃない!! いいか、子供というのは」
「僕は世間一般のお子様とは違うであります!!
では、これから更なる見聞を広めるために様々なお姉様方とお話をしてくるであります」
早口で捲くし立てると、ロキにお辞儀をして全速力で逃げ出す。
あっと声を上げた時には、テケリの姿は人混みに混じろうとしていた。
「待て、まだ話は終わっていないぞ!!
ロキ、俺はテケリを連れ戻して説教してくる!! お前はここで待っていろ!」
止める間も既にテケリを追っている王子の後姿を見ていると、ロキの胃がキリキリと痛み出す。
あれでは、子供を追いかける不審者に間違われないか?
止めた方がいいと反射的に椅子から立ち上がろうとするが……思い直した。
もし万が一にも王子がテケリに危害を加えようとすれば、テケリの子飼いの魔物が黙っていない。何よりもあのユリエル隊長を敵に回す。
だから今すぐ王子の暴挙を止めるべきだとわかっているが……なんというか、無性に疲れたのだ。少しくらい休んだところで、罰は当たらないだろう。

リチャード二票、シモーヌ一票。
三枚の投票用紙を眺めつつ、ロキは重い溜息を漏らして、頭を抱えた。
すまない、シモーヌ!俺はフォルセナ王子に一生を捧げた騎士だ。お前に一票しか投じられないこの不甲斐ない俺を許してくれ!!
ただでさえ家庭を顧みない仕事人間というレッテルを貼られているのだ。これ以上妻との距離を広げたくない。
だからロキの本音としては妻に多く投票したいが、王子に恩義のある宮仕えの身ではそれも出来ないことだった。
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