未完

火星物語 未完 『疲れた心に眠りを』

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注意
私的設定があります。
風使いは遺伝という設定です。











荒涼たる大地に吹く風の音を聞いていると、不安が増長する。
乾燥したこの時代の星空は、フォボスの時代よりも壮大で綺麗だ。しかし、それすらも今のフォボスの心を慰めることは出来なかった。

眠ろうとすればするほど焦りが込み上げて、余計に目が冴える。
もう寝るのを諦めて、マグナムの整備でもしようかと考えたときだった。
「眠れないのか?」
寝ていた筈のクエスに声をかけられて、フォボスが気まずそうに頷く。
アショカの領土内に入ってからは強行突破を繰り返し、今日は風機と戦ったばかりだ。いくら頑丈な風使いといえども疲労が溜まっている。
敵陣の中、漸く取れた貴重な睡眠時間を削ってしまったことに罪悪感すら覚えた。
「フォボス。色々と思うことはあるだろうが、休める時に休んでおかないと体が持たないぞ」
「それはわかっているけど、どうしても眠れないんだ」
フォボスの元気のない越えに、クエスが身体を起こして、フォボスの目を見つめる。
「不安なのか? アショカを、リュートを倒せるか、心配か?」
「…………うん。クエスは?」
「僕は……ないな」
「どうして?」
「僕達は必ず勝つ。その証拠がフォボス、君だ。
君はこの星の未来を象徴しているんだ」
だから不安はないのだと言われて、フォボスは困惑する。
「フォボス、僕とサスケが君を必ず元の時代に返す。だから大丈夫、大船に乗った気持ちでいてくれ」
笑って、フォボスの肩に手を置くクエスに、フォボスは安心できなかった。
彼らが頼りないというわけではない。フォボスを守るために自らを犠牲にするのではないいう危うさと懸念だ。
いつまでもクエス達にとってフォボスは守る対象なのかと、歯痒くすらある。
確実にクエス達が生き延びられるという証拠が欲しい。
彼らはフォボスが自由な未来の象徴だと言うけれど、そんな大それたものか?と首を傾げたくなる。

「……フォボス、本当にもう大丈夫なのか?」
素早く切り替えたフォボスに、クエスが唖然としつつも尋ねる。
「うん。クエス達が生き延びられるのは証明されているからね。
大船に乗って、一緒に戦うよ」
「……僕達が生き延びられる、と?」
不審そうなクエスの言い方に、フォボスは違和感を覚える。
クエスの言い方では、自分達が生き延びられないと考えているようだ。
「だって、風使いは遺伝で決まるんだろ?風使いとしての能力も血筋だって言っていたじゃないか」
「それはそうだが……」
「この時代の風使いは猛殆どいなくて、百発百中で風を呼べるのはクエスとサスケだろ。
君たちが生き延びられることは、最後の風使いである僕が保障するよ」


フォボスが寝息を立て始めた頃、今まで寝ていたふりをしていたサスケが目を開ける。
「……あーゆ考え方をするとは、驚いたな」
「……ああ」

「確かにフォボスの言うことには一理あるが、あいつは重要な事を見逃してやがる」
「400年の壁、か」
クエス達も同じ事を考えたことはあるが、フォボスの風使いとしての能力からそれはないと断言できる。
フォボスの風使いとしての潜在能力は非常に高い。数多の風使いや風の民を見てきた二人にはそれが先祖返りなどではなく、血の濃度によるものだとわかった。
もしクエスとサスケが生き延びられたとしても、血の濃度を維持できるのは数代限り。400年の間に風使いの血は人間族の中に埋没して分からなくなる。
だからこそ、フォボスの血の濃度はクエス達にとっても疑念だった。

アショカが風使いや風の民を浚い、非道な人体実験を行っている事をクエス達は知っている。
これはとてもフォボスには聞かせられないが、もしかしたらフォボスはそのデータを元に未来の進んだ技術で作られたのではないかという嫌な予感すらもある。
例えそうだとしても、クエス達にとってフォボスは大切な弟分であり、庇護の対象だ。
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