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未完

聖剣伝説HOM 未完 『お年玉』3

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注意
私的設定が強い話です。












ラビの森の奥深く。
ジェレミアが一心不乱に双剣を振るい、鬼気迫る形相で、脳裏に浮かぶ敵と戦い続けた。

ナイトソウルズ内での華やかな空気に耐え切れず、一人無心になるために剣の修練に打ち込んでも、雑念は消せない。
去年までの楽しかった正月は、家族と共にいられた正月はもうない。叔父の死によって理不尽に奪われてしまった。
今のジェレミアにとって正月とは一人である事を突きつけられる日であり、仇への憎しみを掻き立てる忌日だ。
叔父の仇を、将軍と王をこの手で討つ。二つの首を叔父の墓前に捧げる。
今の彼女の生きがいはただ、それだけだ。
思索の中、人の気配を感じ取り反射的に双剣の片割れを目に留まらぬ速さで投げた。
ナイフを弾く音と、一拍遅れて短い悲鳴が聞こえた。
「テケリか」
あわわ、と腰を抜かすテケリの肩に乗る魔物が、触角を伸ばして威嚇している。
臨戦態勢の魔物に触発されて、ジェレミアが双剣の片割れを構えた。
両者の火花が飛び交う空気の中、それを切り裂いたのは間に挟まれたテケリだ。
「ジェレミアさん!!」
テケリの叫びにジェレミアが気まずくなり、剣をしまう。
魔物はジェレミアを胡散臭げに見ていたが、テケリに睨まれて渋々触覚を額に収納する。それでも彼女への警戒は怠らず、毛並みは逆立てたままだ。
青い毛並みの猫に近い姿、三つの尾を持ち、爪は分厚い鉄板を削る。額の触覚は硬く柔軟性があり、数mは伸びる。小柄で愛くるしい姿でも、油断ならない恐ろしい魔物。それがなんという種類の魔物なのかジェレミアにはわからない。
時折、何処からともなくテケリが入手する魔物の多くは、見たことのない種類か絶滅種だ。ユリエルやベルガーは彼の魔物入手先に興味津々らしいが、ジェレミアには関心のない話だ。

「いきなりナイフを投げてくるなんて、いつからそんな粗暴になったんでありますか?」
「……悪かったな」
批難するテケリに、ジェレミアが溜息をついて謝る。
ウェンデルへの避難民の中にはペダンの出身というだけで、ナイトソウルズの面々に悪意を持ち、害をなそうとする者もいる。そのような事は子供のテケリに知らせる内容ではないので、面々は彼に気付かれないように隠していた。
ロジェやキュカは逃げに徹しているが、ジェレミアは襲撃する輩の足を傷つけ身動きを封じた上で、みずおちをぶん殴り、失神させる程度に止めている。
ロジェ達からはやり過ぎだと苦言を呈されているが、ジェレミアに言わせれば殺そうとしてくる相手に手心は必要ない。殺していないだけマシだ。なのにあの二人ときたら……。

「それよりも、わざわざこんな所に足を運んだということは、私に何か用でもあるのか?」
「あ、そうでありました。
ジェレミアさん、お年玉を下さい」
深々と頭を下げてお年玉を請う姿に、ジェレミアがやれやれと肩を竦めて、
「今手持ちのお金はないから、これで我慢しろ」
言いながら、ポケットに入れていたパチンコ玉をテケリの掌に落とす。
何ともいえない顔でパチンコ玉を見るテケリに、嘗ての自分を重ねる。
「お年玉」と称して、パチンコ玉を掌に落とすのは、彼女の叔父が行っていたことだ。
ジェレミアが幼い頃叔父の家に引き取られた後の正月から去年の正月まで、叔父は正月の度にジェレミアに「お年玉」と言って彼女の掌にパチンコ玉を落としていた。
その後でちゃんと正しいお年玉が貰えたから、愛されていないのではと気に病むことはなかった。
初めの頃は何か理由があるのかと思い悩んだが、今では一種の謎習慣だろうと考えている。

嘗ての叔父と同じ行動に内心苦笑しつつも、テケリの帽子を撫でる。魔物が気にくわなさそうにジェレミアの手を凝視するが、そんなもの無視だ。
「……いつか余裕が出来たら、お年玉をやるから借用書代わりにとっておけ」
「…そこまでしてお金が欲しいわけではありません。
ただ……」
言いにくそうに少し思案するが、意を決したのかジェレミアを見上げる。
「ジェレミアさんが、こんな古典的な寒い駄洒落をしてくるなんて、思いもしなかっただけであります」
「は?」
「「お年玉」と「落とし玉」。東語では同じ音でありますよ」
「そうなのか?」
現在のペダンの公用語はペダン語だが、大昔は東語も公用語として用いられていた。今でもペダンの公文書は東語のみだからペダン人なら誰でも読み書きは出来るのだが、東語の音は遠い昔に失われていた。
ちなみにナバール語の文語は東語のままだが、口語は東語を基とした類似言語だ。
テケリはその出生ゆえに東語を知っていても不思議ではないからさほど驚きはない。むしろ驚いたのは叔父が東語の音を知っていたということだ。
叔父は博識で古代の文化にも深く造詣があったから、遊び心でジェレミアに落とし玉をあげ続けたのだろう。……多分、おそらく、あるいは。
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