未完

聖剣伝説HOM 未完 『ロジェの家族』

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注意
私的設定があります。










ウェンデルに寄った後は、共に戦う各国の有志から、家族や友人についての話が切り出されることが多い。それに触発されたナイトソウルズのメンバーも家族や友人についてポツポツと語り始めることもある。
友人についての話なら気兼ねなく聞けるし話せるが、家族の話題を聞きたくない者や話したくない者もいる。
家族の思い出を持たない孤児のキュカと、故あって家族の事を話せないロジェは後者にあたる。そのため話の輪に入る機会もなく、一人どこかに立ち去るか、少し離れた所から、彼らの会話を聞き流すのが常だった。
ユリエル隊長のように聞き役に徹することは、ロジェには難しい。

いつものように部屋から物音を立てずに出て行ったキュカを横目で見送り、家族談義に盛り上がる面々をロジェは眺める。
家族かぁ。
家族になるはずだったユハニとエレナを失ったロジェの家族は亡き父と兄だけだ。
ロジェの双子の兄は幼い頃から卓越した魔力を有しており、何をやらせても優秀だった。それ故に厳格な父は兄を溺愛してロジェには見向きもしなかった。
幼い頃は寂しい思いをしたが、父に期待するのは早いうちから諦めていた。父からの愛情を求めない代わりに、ロジェは見たこともない母親に思いを馳せることが多かった。

幻夢の主教は15歳の成人の偽を終えた日から、流れ作業のように女性と床を共にする、ようだ。
伝聞なのはロジェが15歳になる前日にミラージュパレスから出されて庶民になったからである。あくまでも主教の心得の一つして兄に語られていたのを、聞こえたに過ぎない。
ロジェ達兄弟の母親はそうした女性の一人なのだろうし、ロジェ達と無理矢理引き離されたか、義務として差し出したのか。その辺りを考えれば考えるほど、泥沼に囚われ雁字搦めに動けなくなるので、いつしか考えるをやめた。
それでも、父からは愛されず使用人達は親しくしてくれるも大きな壁を感じる扱いだった幼少期のロジェは、時折もし母親がここにいたら?という幻想を抱いて、理想の家族像に思いを耽ることもあった。
それも長く続かず、10歳になる手前に父を亡くし、それまで父に依存していた兄が代わりにロジェに依存するようになった。初めは混乱と困惑しかなかったものの、自分よりも遥かに悲しんでいる兄を慰めて支えるのに一生懸命で、いつしか家族に纏わる幻想は消えていたが。

そんなことを思い返しながら外の景色をぼんやりと眺めていたら、ナイトソウルズから少し離れた所でキュカが一人黙々と剣の素振りをしているのが見えた。

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