未完

聖剣伝説2 未完 『タナトスにはまだ遠い』

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注意
私的設定がかなり強い話です
魔物のルーツや獣人やエルフのルーツについてかなり捏造しています。
マナの要塞についても捏造しています。

タナトスがタナトスとなる前、まだ彼が最初の肉体だった頃の話です。
倫理的に壊れているところがあります。












神獣はマナの要塞を、文明を悉く滅ぼした後、忽然と姿を消した。
ある者は、神獣が小さく分裂して各地へ飛び去ったという。またある者は神獣とマナの血族の戦いの後、瀕死の神獣の体が大気に溶けるように霧散したという。
神獣の行方については様々な流言飛語が飛び交っているが、どれも信憑性に乏しく荒唐無稽な内容が多かった。
それでも今言えることは、あの日以来神獣を目撃した者はいないという、事実のみだ。

闇の血族の科学者は壁伝いに歩いた。
植物が建物を破壊する勢いで増殖、繁茂して移動もままならないが、それでも乏しい体力を底なしの魔力で補いながら歩く。
シダの葉の間に澄んだ空が見えた。シダの葉をかき分け、その間から出ると、足下にはこれまで科学者が暮らしてきた世界とは異質の世界が広がっていた。
科学者が立っているのは、岩棚のような場所だ。もう一歩踏み出していたら絶壁から落ちるところだった。まあ落ちたところで魔力で浮遊できるから関係ないのだが、愉快な気分ではない。
眼下のジャングルは揺らめき、渦巻き、大きく揺れて葉や枝や蔓の全てが風もないのにひらつき、虹色の光を放っている。遙か下では鳥のような生物があちらからこちらへと飛び、森の天蓋のすぐ上で狩りをしている。
このジャングルはあまりにもでたらめな起伏や裂け目の多い地形の上に、どこまでも広がっている。遠くには巨大な山脈が、浸食する雨風など存在しないかのように側面が平らで先端が針のように尖った塔が見える。
これらの山脈はビルの波だ。惑星全体を覆っていた都市を崩した後の地形だ。
眼下のジャングルには首都惑星の廃墟が埋まっている。

植物に食われる形で雲の上にも届く数多の建物は消失し、数万年ぶりに地上に太陽の光が届くようになった。
科学者いる場所は元々乗り物の発着場の一部だった。側壁が強化されていたおかげで、周囲の建物が破壊されたときにも残ったのだ。
これがかつて宇宙全土を支配した文明の発祥地など、圧倒的な破壊の一部始終を見ていてもとても信じられなかった。

食べ物は探せば手に入る。その殆どが人間の餌である合成食材や下層市民の保存食品など。それらがなくとも生存者を殺せば新鮮な肉が手に入る。
水も、正術で幾らでも作り出せるがその必要はない。都市惑星全土が森に覆われてから天然の雨が降るようになったからだ。
海も森も、大昔に失ったものが多大な犠牲を伴って戻りつつある。

かつて一兆以上いた人口の一割が死滅した後、神獣はこの都市惑星の機能を停止させるためにこの星を緑で覆い尽くした。
神獣が惑星中にばらまいた種子は建物や屍に根付くと、周囲を駆逐する勢いで増殖し、人も建物も何もかを飲み込んでいった。
神獣が生み出した植物の根は建物や生物に根を張り、砕き養分とする。地表も地下も文明の痕跡は全て植物によって粉々に砕かれつつある。
この猛攻を科学や正術で押し止めようとしても、神獣の力の前には一時凌ぎに過ぎず、繁茂を防げないでいる。

神獣が生み出したのは、先ほど述べた植物だけではない。もう一つ、非常に厄介なものを生み出していた。
ふと、”奴”の独特の雄叫びが風に乗って耳に届く。
恐怖が先立つが、正術で自らの気配と姿を完全に消してから、魔力で浮遊して声の元に空中を滑空する。
”奴”の生態には非常に興味がある。身の危険があろうとうも、観察できる機会を逃すわけにはいかない。
”奴”とは、神獣が吐き出した化け物だ。その姿は様々で、人間を捕食する。これだけならば大したことではないが、興味深いのはその後だ。
捕食した内容物を肉の卵として吐き出して、卵から奇っ怪な生物が孵る。その姿や能力、特性は様々だ。どうやら”奴”の種類と、内容物によって変わるようだ。
肉の卵を破壊しようとしても、それは無駄だ。
卵は強靱に出来ており、外皮を傷つけられれば特殊な液体が噴出する。それを浴びた人間の姿形や能力等が変化して人外へと変える。
”奴”自身もどういうわけか正術のみならずあらゆる攻撃を受け付けないようで、数多の亜人種が捕食された。現在残る亜人種はマナの血族と血統者のみだ。
生き残った連中は奴に攻撃が効かないと悟ると、空間転移による逃げに徹したから助かった。他の連中は慢心や仇討ちや義憤といった些細な感情に振り回されて自滅したようなものだ。
なんと哀れで愚かしい。
神獣による直接的な被害よりも、これらによる二次被害の方が遙かに酷い。


魂の伴侶とも呼べる存在を失い、彼と共に作り上げたギガントをあのような形で失った私が廃人にならずにすんでいるのは、”奴”のおかげだ。
神獣も”奴”も、宇宙中探してもここにしかいない希有なる存在。
実に研究のやりがいがある。



言い訳
後の時代に当時の文明の名残が殆ど残っていない理由を考えたら、こうなりました。
この頃の亜人種とは、正術という自らの魔力のみで魔法を行使する力を有する種族のみです。
獣人やエルフといった後に亜人種と呼ばれる人種はこの時に発生しました。
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